見えない見えにくい人のレクリエーションレポート

第33回視覚リハビリテーション研究発表大会
メルマガ色鉛筆特別号
タイトル 楽しいこと大好き、前へ 前へ
 京都府視覚障害者協会メルマガ色鉛筆編集チームです。
「楽しさはわたし流」をテーマに4つのレポートをお届けします。
ペンネームの1文字目のひらがなをつないでみてくださいね。さて、どんな言葉になるでしょうか?

★「AI君と言葉遊び」

ペンネーム ろい心
 私は最近、AIを使うこと・曲の歌詞を逆翻訳することにはまっている。
逆翻訳とは、ある曲の歌詞を翻訳サイトに入力し、それを別の言語に機械的に訳する操作を繰り返した後、元の言語に直すことを言う。
私は「Google翻訳」というウェブページを活用している。
時々、意味のわからないフレーズが出てきたりして、一人で楽しんでいる。
逆翻訳したものを友人にLINEで送り、曲名をクイズにして出題することもあるが、ヒントがないと相手がわからない場合もある。
また、マイクロソフト製の「Copilot」というAIにストーリーを作らせたりもする。
いずれもログインをしなくても、ウェブブラウザーで直ぐに使うことができる。
私は今後、小説や評論文を書き、それを発表してみたい。
言葉で表現すること、そのテーマはこれからだ。

★「インドアの中の心のアウトドア」

ペンネーム さがお なないろ
 最近、季節の冷菓の食べ比べを楽しんでいる。
柑橘くずきりゼリーや水ようかん、抹茶わらび餅プリンなど。
1日1つ、ご褒美と称して夕食後にいただく。
新しいものを知ると心がときめく。
どこにも出かけていないのに、旅行をした気持ちになる。
心もおなかも満足する。
食パン、りんごなどテーマを決めた食べ比べも好きだ。
購入も近所のスーパーの1コーナーで事足りる。
好きなものが見つかったら、そのホームページを調べてみる。そこからさらに他の商品や歴史、土地柄、原材料など、興味の枝葉がどんどん広がって楽しい。家の中でもしたいことはたくさんある。例えば、壁の絵を貼りかえるとか。購入した絵も、年々色がわからなくなり、見えなくなった。最初はショックだったが、今は毎年違う絵を見ていると感じるようになった。見えにくくなった時の為に、絵は上下左右どの向きで貼っても良いものを探してみたり、ちぎり絵だと触ってわかるかなと触ってみたり。これからもわくわくするもの、いきあたりばったりに楽しんでいきたい。心の赴くままに。ひとりでできるレクリエーション、比較的インドアだが、心は自由に羽ばたいている。

★「新世界を歩くよどこまでも」

 ペンネーム んだふる夏色
見えなくなった今、なぜか好奇心は旺盛になってきた。
見える人と出かければ、安全にスピーディーに目的地に行くことはできるが、「できることはなるべくやってみよう」と、全盲の世界を楽しむ毎日だ。いい年をした男女がまるで電車ごっこのように前の人のリュックに触れながら、縦一列になって移動して行く。こんな電車ごっこを楽しんでいるのは全員が全盲で、それぞれ白杖を持ったり盲導犬を同伴している。迷ったり困ったり、この面倒くささがまた楽しい。自分たちだけで動いていると、目的の店の前を通り過ぎたことにも気がつかなかったり、全然違う店に入ってしまったりする。この珍道中が最高だ。「おしゃれなカフェに行こう」ということになってウロウロ歩いていたら、たまたま触れた店の外壁が、よく磨かれたガラスだったので、「おしゃれなカフェ見つけた」と、私たちは大盛り上がりした。最上級の笑顔で、「こんにちは」とドアを開けると、そこは静かに音楽が流れている大人の雰囲気の美容院だった。
全盲になった今、おいしい物を食べに行ったりプチ旅行をすることが、私の何よりの楽しみになった。
もちろん見える人と一緒に出かけるのも楽しいが、全盲という独特の世界を生きている私たちにとって、「連れて行ってもらう」のではなく、自分たちの力で「行けるところまで行ってみよう」と動き出すと、それがちょっとした冒険になる。
うまくいかないこともたくさんあるけれど、みんなで笑い飛ばしてやり直せばいい。
これからも、この電車ごっこの珍道中はまだまだ続く。
電車ごっこの大冒険号、ご乗車の方はお急ぎください。
発車のベルはもうすぐ。

★「作って 食べて みんなでわっはっは」

ペンネーム るりあんぶるーのgrand mother
 夏野菜が出回ってくるとあれを作ろうか、これを作ろうかと頭の中をいろんなメニューがグルグルと回転します。
野菜たちが安くなっているのが条件です。
南瓜・茄子・胡瓜・唐辛子・新生姜など、店先には夏野菜が沢山並んでいます。
なんとうれしいことでしょう。
新生姜で「生姜ご飯」を炊きます。
この生姜ご飯はシルバー仲間の人気ナンバーワンです。
「唐辛子とジャコの炒め煮」も作ります。
唐辛子はたねの掃除は大変です。
週1回か2回 シルバー仲間が来てくれます。
時には一緒に買出しに行き、一緒に作り、時には一人で作ります。
まぁ いろいろです。
このシルバー軍団は私の暮らしを見守ってくれる大切な仲間です。
元気印いっぱいの最高齢79歳から67歳までです。
時には狭いマイルームに全員集合、私のいい加減な手料理でおもてなし。
まずいものでも旨く感じるひととき、ご馳走は「お喋り」です。
最近よく作るのは夏野菜豊富な「簡単且つ、でたらめ 漬け物」です。
材料は茄子5本、胡瓜3本、オクラ2袋、セロリ2本、塩ふき昆布1袋、だし醤油少々です。
シルバーたちはこのでたらめ漬け物をゲットすべくジップロックを持って待っています。
実に厚かましいです。
このシルバー仲間から時々、リクエストがあります。
それは、カレーライス、大きな鍋と素敵なカレー皿まで用意してあります。
お料理が好きな私、好きな食べ物を好きな人と一緒に食べること、おすそ分けすること。
これがリフレッシュにつながっていること、間違いなしです。
こんな楽しいこと、いつまで続くことやらと不安に駆られることもあります。
とりあえず、来週の買出しはどこへ行こうか、何を一緒に作ろうか。
こうして、私の好きなレクリエーションが続いてくれることを願うばかりです。
皆さま読んでいただき有難うございました。
エスパシーバ
発行:京都府視覚障害者協会
発行日:2025年8月30日

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第370号「レクリエーション、本当は楽しいはずなのに」
第371号「なんとなくなんとなくレクリエーションやってます」
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第373号「レクリエーションやってます がっつり編」
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