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南部アイセンターだより(第3回)
今回は、5年前から京都府南部で始まった「南部サテライト」に最初から参加され現在まで、欠かさず通っておられる方と、サテライトはもちろんのこと、ライトハウス鳥居寮や京都府立視力障害者福祉センターにも通われた方、お二人に文書を寄せていただきました。お二人とも、南部アイセンターや地域の行事に積極的に参加していただいています。特に、南部アイセンターをしっかり支えていただいています。感謝しながらご紹介します。
1 ある女性
私が障害者手帳を交付されたのは17年前のことでした。はじめて障害者手帳を手にして、これから先どのようにしていけばよいのかわからず、不安な気持ちのまま、子育てや毎日の生活に追われる日々を過ごし、子供が中学、高校と大きくなるにつれ、社会との接点も減っていき何かしなければという焦りが日ましに大きくなりました。
そんなとき、城陽市からのお便りで視覚障碍者の講座があることを知り、行ってみることにしました。
その中で城陽市の京視協の女性部の集まりがあることを知り、参加させてもらうことにしました。今まで視覚障碍者の方とお話しする機会がほとんどなかったのですが、みなさんが、私と同じような悩みをもたれながらも明るく過ごされていることを知り、心が少し軽くなったような気がしました。また、生活の工夫や、南部サテライトやガイドヘルパーさんについてなど、今まで知らなかったことをいろいろと教えて頂きました。
点字については、自分に出来るはずがないと思っており全くやるつもりがなかったのですが、周りの方の勧めで南部サテライトで教えてもらうことにしました。点字が六つの点からできていることすら知らなかった私でしたが、ライトハウスの先生や点字ボランティアのみなさんのお陰で、今ではゆっくりですが読めるようになってきました。以前から本が好きで、デイジー図書を借りてはよく聴いているのですが、それとはまたちがい、自分で読める楽しさは特別のものです。生活の中でも便利に使えるようになってきました。また、南部サテライトに参加して他の方々の様子をみているうちに、もっとがんばろうという意欲もわいてきました。
1年前から設立されたアイセンターではパソコンを教えてもらったり、点字サークルやオカリナのサークルに参加させてもらっています。パソコンは機械苦手の私には大変ですが、なかなか情報の得られない視覚障碍者にとって、とても便利で役に立っています。またサークルに参加し、他の地域の方とお話しする機会も増え楽しみが増えました。身近にセンターが出来たことにより、何かあったときには相談できるという安心感も持てるようになりました。時々「障害は不自由だが、不幸ではない。」という言葉を耳にしますが、最近ようやく私もそんな風に思えるようになってきました。もし目が悪くならなければ、これだけ多くの方々と出会うこともなかったのではないかと思います。
これからも益々私たちの生活が豊かになるような活動の場、他の地域の方々との交流の場、サークル、趣味の場となるよう期待し、私たちも盛り上げていければと思っています。周りの方々のご支援やご協力に感謝しつつ、アイセンターと共にこれからも楽しみをみつけていきたいと思います。
2 南部アイセンターを利用して
こんにちは、はじめまして。私はこの4月から南部アイセンターを利用している、50歳後半の主婦です。
少し、私の自己紹介ををさせてください。
私の目の障害は、網膜色素変性症です。そして今は、左目が加齢黄斑浮腫、右目は網膜に白い幕が張っています。視野はほとんど狭いですが、まだ少しの視力があるので、毎日を頑張ろうと日々を過ごしています。
私は、農家の嫁で10年前からはだんだんと視野が狭くなり農業の仕事も手伝うにも影響が出るため他の仕事にも行っていたのですが、そちらでも迷惑をかけるようになり、家にこもるようになり、そんなときに福祉の方から相談会があるとの知らせで行きました。そして、今に至っています。
私が、南部アイセンターを利用するまでは,南部サテライトの月に1回の点字の訓練から始まりました。そして、訪問での点字の訓練も始まりました。
その時に鳥居寮の職員の方が、まだ弱視だった私に「一人で行動ができるなら、ライトハウスへの訓練に行ったら」と言っていただき、2年前はライトハウスに、パソコンと点字の訓練に通所していました。
昨年は、鳥居寮の職員の勧めもあって、京都府立視力障害者福祉センターに通学していましたが、やはり訓練と違って、家に帰ってからもその日の復習もしなければならなかったので、家事との両立の大変さと目の異常もあって1年で退学することになりました。
そして、4月からどうしようかと思っていました。すると、「今は、近くにアイセンターが設立されて、いろいろな活動をしているから来ない?」と声をかけていただきました。京都市内までは1時間半ぐらい移動時間がかかりましたが、今は15分ぐらいで行けるのと自由に参加できるので良かったと思っています。
もう一つ良かったと思うのは、私と同時期に京視協の会員になった同じ地域の方と、初めは一緒に訓練をしていたのに、私だけが京都市内へと訓練の場を変えると、その方が「私は一人で行動ができないからいけない。」と残念そうでした。そのことも気にはなっていましたが、私は自分のことばかり考えていました。でも、今は一緒にアイセンターでパソコンの練習をしています。訓練の間に最近の様子や飼い犬の話などので会話が弾み、その方の様子も把握できてよかったです。
また、城陽市の視覚障害の方と他の行事に出かけたときに「私はヨガ教室に行っているからこない」や「今度、アイセンターの1週年の行事があるから一緒に行こう。」などと誘っていただきました。
リップルさんの副音声の映画では一緒に感動したり笑ったり楽しい時間を過ごすことが出来ました。なかなか、映画を楽しむのに京都市内までは出かけられない方のためにも良かったと思います。
1周年の記念行事には近隣の中学生さんの吹奏楽部の演奏会もあり、保護者の方々も来ていただき地域の方々にもアイセンターのことを知ってもらえたのではないかと思っています。
京都市内は、視覚障害のための施設がいろいろあり、地下鉄や市バスを利用すると、白杖を持っていると学生さんから高齢の方々までが、声掛けや手をさし伸ばしてくれます。でも、大きい街から離れると視覚障害者に出会うことが少なく、周りの方々も私たちに、どのように接したらいいのか解からないこともあるのではないかと思います。
このアイセンターが、私たち障碍者の相談や訓練だけの場所だけでなく、地域の方々に私たちが頑張っていること、そして私たちが困っているときは、とまどいなく声をかけていただけるように、一般の方々とのふれあいの場でもあればいいなと思っています。
アイセンターの職員さん、これからもお世話になります。
よろしくお願いします。