あはき法19条裁判について(その1)

 あはき法19条裁判については、今後も長期にわたる取り組みとなるため、市民等への啓発を進めると共に、『点字京都』にも毎月関連記事を掲載して、会員の皆さんへの周知と学習機会の提供に努めていくことになりました。
 今回は、第1回目として、日盲連が作成した「あんま師等法19条闘争用パンフレット」の中から、原告・被告双方の主張、19条の条文存在の意義などについて、Q&A形式でご紹介します。
 Q:平成医療学園(原告)は裁判でどのような主張をしていますか?
 A:あん摩師の養成施設の新設の申請を不認定とする処分(本件処分)
の根拠となっているあんま師等法19条は、(1)原告及びあん摩
師になろうとする晴眼者の職業選択の自由を侵害するものである
から、憲法22条1項に違反し、(2)本件処分がなされるか否か
の基準が不明確であるから、憲法13条・31条にも違反するため、
本件処分は無効であると主張しています。
 Q:これに対して国(被告)はどのような主張をしていますか?
 A:(1)視覚障害あんま師の職域優先を図るというあんま師等法19
条の目的は正当であり、制限の範囲及び期間が限定されているた
め、規制手段も必要かつ合理的なものであるから、あんま師等法
19条は憲法22条1項に違反せず、(2)不認定の基準について
も、その性質上、画一的な基準を示すことは不可能であり、「あ
ん摩マッサージ指圧師の(中略)必要があると認めるとき」とい
う基準が設けられているため、憲法13条・31条にも違反しない
ため、本件処分は有効であると主張しています。
 Q:なぜ.あんま師等法19条という条文が存在するのですか?
 A:あはき師は、他の職業を大きく引き離して最も多くの視覚障害者
が就いている職業であり、視覚障害者にとって極めて重要な職業
です。視覚障害あはき師の平均収入が晴眼あはき師の半分以下で
ある(平成25年調査)ことからも、晴眼あんま師の増加によって
視覚障害あん摩師の生活が害されないようにする必要があるため、
あんま師等法19条が不可欠なのです。
 来月号では、視覚障害者のあんま師の実態、視覚障害者の職業、国が敗訴したら視覚障害あんま師の生活はどうなるのか等について、ご紹介します。


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