[地域団体より] 半年ぶりの感激か ~ 涙、涙の調理実習 ~
京都府視覚障害者協会 与謝支部
去る6月14日、「丹後の食と健康を考える会」から講師2名をお迎えし、与謝野
町生涯学習センター知遊館(ちゆうかん)で当支部の調理実習を行いました。
調理実習で大切にしているのは、毎日の暮らしに間に合う取り組みにすること。
「つい余りがちになる冷やごはんをどうしたら良いか知りたいので、チャーハン
のコツを教えて欲しい」、「去年は手作りギョーザが美味しかったので、今年は
シューマイを習ってみたい」など、参加者の声から献立を組み立ててもらいます。
会員一人ひとりの声を献立に反映しやすいのは、少人数の支部ならではの強みか
もしれません。
この日は「今が旬の、おすそ分けでもらうことの多い、新玉ねぎをどう調理す
るか」をテーマに親子丼や、玉ねぎとキュウリのゴマ酢和えにチャレンジしまし
た。講師の説明を聞き、会員は拡大版のレシピで確認しながら、作業に入りまし
た。
前回、12月のおせち料理の実習では、大根なますを作る際に「白いまな板の上
では大根の見分けができず切りにくい」という声があり、試しに黒色のまな板を
準備したところ、弱視の皆さんも「これなら白い玉ねぎも、よう分かって切りや
すい」と好評。作業も捗ります。
手分けして大きな新玉ねぎを縦に薄く切っていくのですが、なにせ大量で、作
業も後半になると鼻をグスグス言わせている人や、涙を拭くためにハンカチを取
り出す人が出始める始末。
雪の季節は、生活訓練を休まざるを得ない与謝地域。数えてみると半年ぶりの
調理実習です。「半年ぶりの調理実習で、感激してるん?」と尋ねると、「玉ね
ぎが目にしみただけやぁ」と笑いながらの答え。
「口に玉ねぎを一欠片くわえたらええ」、「口の中で一欠片噛んだらええ」な
どと、どこかで聞いたことのある『目にしみない対策』を教え合うころには、涙
もすっかり治まりました。
文字通り、笑いあり涙ありのうちに、二品が完成。講師の先生に作っていただ
いたフルーツたっぷりの『牛乳かん』と合わせて、楽しいお昼ごはんをみんなで
いただくことができました。
お腹いっぱい、笑顔いっぱいで今年度の調理実習はスタートしました。