[報告] 第49回白杖安全デー京都市内集会報告
11月15日、第49回白杖安全デー京都市内集会を行いました。
当日の天気が危ぶまれましたが、朝には雨も上がり、天気が回復。京都市役所前広場に約170名が参加して開催しました。
今年も「白杖見たら声かけて『何かお手伝いしましょうか?』」をテーマに、北部、南部の白杖安全デー集会の報告、外出中などに声をかけていただいたことによる触れあいや、“うれしかったエピソード”などの発表を行いました。来賓の行政関係、議員の方々、会員をはじめ、参加者全体で内容を共有することができました。
集会の後は、パレードに出発。カラフルなバンダナを身につけ、テーマである「白い杖を見たら声をかけよう」などのシュプレヒコールをしながら烏丸御池を南に下がり、四条烏丸まで歩きました。また、コースの途中では、多くの方々に少しでも関心を持っていただけるよう、啓発のチラシとキーホルダーを配布しました。
なお、10月号の点字京都において、天候による開催の判断をKBSラジオで放送するとお伝えしていましたが、当日の番組編成上、放送ができずご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
毎年、多くの方々のご協力で開催されているこの白杖安全デーですが、今年も多額のご寄付、多くのボランティアのご支援ご協力をいただき、無事に終えることができました。誠にありがとうございました。
来年はいよいよ、記念すべき50回目を迎えます。視覚障害者の交通安全を訴えていく場として、より一層力を入れて取り組んでいきたいと思います。みなさんのご協力をよろしくお願いします。
最後に、採択された大会宣言を掲載します。
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「大会宣言」
私たち視覚障害者が外出する手段としては、家族・友人・ガイドヘルパーと共に歩く方法や、盲導犬を利用して歩く方法、そして、白い杖を使って単独歩行をする方法があり、また、見えにくいけれど白い杖を使わなくても単独歩行できる弱視者など、いろんな形で歩行しています。特に、同伴者もなく単独歩行をしている者にとっては、常に危険と隣り合わせの状態で歩くことを余儀なくされています。
今年度、京都府において、「京都府 障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい社会づくり条例」が施行され、公の施設および企業において、障害者に対する「合理的配慮」が課せられるようになりました。その結果、多少なりともハード面やソフト面での改善が期待されますが、私たち視覚障害者が安心して安全に外出できるものとなるまでには、ほど遠いものと推察されます。
私たち視覚障害者が外出する時には、多くのバリアに遭遇します。その一部を紹介することにより、広く府・市民の皆さまにご理解をいただき、安全に安心して外出できるような社会を構築して行きたいと考えています。
ほんの少しの買い物だからと言ってお店の出入り口に止められた自転車、片足駐車している自動車、お店の場所や内容をスマートフォンで調べながら歩く人、猛スピードで走る自転車、歩道にはみ出した看板などは、私たち視覚障害者が歩く時、大変危険なものとなります。そして、もっと恐怖を感じるのは、細い道をスピードも落とさずにすれ違う自動車です。
しかし、残念ながら、これらを少なくすることはできても、完全に排除することは中々できません。そこで、私たちが望むことは、「何かお手伝いしましょうか」との声かけです。ずっと付き添っていただかなくても、信号を渡らせていただく、バス停まで連れて行っていただく、目的のお店の前まで手引きしていただく。そんな府・市民の皆さまの暖かい声かけやお手伝いが、私たち視覚障害者にとって、安心して外出できる環境を作っていただくことになるとともに、心と心のふれあいが生まれます。これは、私たちにとって大変うれしいことです。
そして、「お互いに思いやる心」「視覚障害者が歩きやすい街づくり」・・・これらのことを推進することは、私たち視覚障害者だけでなく、府・市民の皆さまにとっても暮らしやすい街づくりにつながります。視覚障害者が、安心して安全に外出できるような社会を作るため、皆さま方にご理解をお願いすると共に、共感を大切にしながら前進して参ることを、ここに宣言いたします。
2015年11月15日
『白い杖を見たら声かけて「何かお手伝いしましょうか」』
第49回白杖安全デー 視覚障害者の交通安全を考える府・市民のつどい