[事業企画部より報告] 福知山市で「補装具・日常生活用具研修会」を開催しました
9月8日(火)、市民交流プラザふくちやまにおいて、補装具・日常生活用具に関する研修会を開催しました。この研修会は、日盲連の呼びかけに応えて、厚生労働省の協力で実施され、本会からも府内北部地域団体を中心に、多くの会員の方にご参加いただきました。
田尻会長の挨拶に続いて、補装具費支給制度の適切な理解と運用について、厚生労働省障害保健福祉部で福祉用具専門官・障害福祉専門官をされている加藤晴喜(かとう はるひさ)氏が講演され、続いて、日常生活用具の支給に係る現状と運用について、日盲連組織部長の藤井貢(ふじい みつぐ)氏が講演されました。その後、多くの方から質問・意見が出され、講演者のお二人から丁寧なご回答をいただき、終了しました。この研修会開催に当たり、地元福知山市をはじめ、北部地域団体には積極的な参加呼びかけなどのご協力をいただきました。ありがとうございました。
今回の研修会の特徴について、三つ上げたいと思います。一つは、ほとんどの日盲連加盟団体が団体の所在都市のみで開催した中にあって、福知山市で開催できたことです。その結果、府内北部や兵庫県の豊岡市から、市役所職員が来られ、京都や神戸での開催では参加が難しい北部地域の障害福祉担当者の方に、補装具や日常生活用具の現状や課題について、知っていただくことができました。
次に、視覚障害者にとって、声によるコミュニケーションが大切であることを参加者に改めて感じていただけたのではと思います。講演の前に参加者から一言ずつ自己紹介をしていただいたのですが、厚生労働省の方から「自己紹介は初めてだ」とのお話がありました。しかし、私たち視覚障害者にとっては、その場にどなたがおられるかがわかってこそ、自ら挨拶をしたり、交流するといった自発的な行動が可能となり、円滑なコミュニケーションにつながります。このことは、今後も様々な機会を通じて伝えていくことが大切だと感じました。
最後に、補装具としての盲人安全つえの支給について、厚生労働省の見解を改めて確認することができました。私たち視覚障害者が外出時にバスや電車を利用する際、乗客に配慮する意味からも、直杖よりも折りたたみ可能で持ち運びがしやすい携帯用を用いることが多くあります。また、外出時はどうしても他の歩行者や自転車との接触事故により杖を破損してしまうケースが多く、破損に備えて携帯用のスペアの支給を望む声が多く寄せられていました。そこで、厚生労働省が「普通用と携帯用それぞれについて支給を行うことが可能」としている点について、普段使用している携帯用の他にスペアを支給してもらうことも可能ではないかとの疑問が出されていました。しかし、今回の厚生労働省の説明では、「普通用とはあくまで直杖のことであり、普通用である直杖と携帯用それぞれの支給は可能であるが、携帯用のスペアは認めていない」との回答でした。私たちの外出時の実態に即した内容の支給になっていないことは残念な状況であると言わざるを得ませんが、日盲連と共に、今後もより視覚障害者のニーズにあった支給が行われるよう、働きかけていきたいと思います。