[福知山市視覚障害者協会]梶寿美子トーク&琴演奏会で学んだこと
福知山市視覚障害者協会 田村敏明(たむらとしあき)
福知山市の市民交流プラザにおいて、3月15日の午前と午後の2回にわたって開催した「梶寿美子(かじ すみこ)トーク&琴演奏会」は、当初目標の400枚を大幅に超える600枚超のチケットを販売し、500名以上の方にご参加いただきました。
今回の取り組みは、私たち視覚障害当事者と共に、点訳や朗読のボランティア、各地域で頑張っておられるガイドヘルパーの皆さんも一体となって活動していただいたことが、成功につながったと思います。府や市、マスコミ等の後援、社協や民生児童委員連盟の協賛を受けたことで、視覚障害者が臆することなく自らチケットを売り歩くことができ、また私たちが主体的に動いている姿を見て、点訳や朗読ボランティアをはじめ多くの方に協力していただけたのだと思います。
総括会議では、視覚障害者だけではなく、社協や地域障害者支援センター、点訳や朗読ボランティアの皆さんも異口同音に「北部に視覚障害者の施設が欲しい!作ろう」と言って下さいました。このことは、私たち視覚障害者団体の北部地域で果たす役割が大きなものであり、期待していただいている証でもあると思います。
また、今回の取り組みをきっかけに、行き詰まっていた福知山市会議員選挙公報のCD化についても、朗読ボランティアの協力もあって実現することができました。民生児童委員連盟からは「視覚障害についてもっと学習したい」とのオファーもありました。そして、今回のイベントに参加した視覚障害者が「地域の視覚障害者団体に入会したい」と意思表示したり、晴眼者から「点字を学びたい」と申し出ていただいたことをみても、障害者自らが啓発の先頭に立ち、伝えていくことが大切であるのは明らかです。
今、北部地域の市町村では、舞鶴・福知山・綾部で視覚障害者が身体障害者連合会の会長を務めています。障害者団体や高齢者団体、関係機関からの期待の大きさに依拠して、北部に拠点を作ることは「独りぼっちの障害者をなくす」上で欠かすことのできない課題であり、他団体と協力して取り組める活動でもあると思います。
私は、コンサートのようなイベントは最初から次に繋ぐことを考えず、単発の取り組みで終わってしまう傾向があるように感じていました。しかし、目的や方針を明確にして取り組めば必ず継続した活動につながることを、今回の取り組みから学ぶことができました。このことを忘れず、これからも様々な活動に取り組んでいきたいと思います。