2025年度に向けての予算要望活動について
本会は府内の総合的な視覚障害者福祉の充実を目指す団体として、毎年、次年度予算の獲得に向け、京都府・京都市に予算要望書を提出し、視覚障害者福祉向上のための要求や願いを伝える機会を設けています。
今回、京都府に対しては15項目、京都市に対しては10項目の要望をそれぞれ提出し、回答を聞くとともに本会の要望や意見を伝える場を持ちました。
<京都府との話合い>
8月2日、障害者支援課から3名の方々がライトハウスに来られ、本会からは岡田会長、井上・久保・藤原・吉川各副会長、IT活用推進部長等9名の役職員が出席して話合いが行われました。
要望の最も大きな柱として、京都府が行っている視覚障害者関係の各種委託事業の予算確保と更なる増額を掲げ、京都府内の同行援護従業者増員のための養成研修の継続実施や広報の充実、公共交通の利用が不便な地域における状況把握と対策の検討等を強く訴えました。次いで、居宅内での代筆・代読が確実に行われるための意思疎通支援事業実施を全ての市町村に働きかけること、各種補装具の価格高騰に伴う基準額の引き上げの国への要望や府としての自主財源確保、日常生活用具の価格高騰に伴う基準額引き上げに向けての府内市町村の指導・援助等、種々の切実な要望を提起しましたが、残念ながら満足な回答を得るまでにはいたりませんでした。
しかし、各種委託事業の予算確保にとって重要な、地域生活支援事業等の国における予算確保について、地方を所管している総務省からも厚労省に対して要請する文書が発出される等の動きがあったとの報告がありました。本会としては、社会参加にとって不可欠な、中途視覚障害者に対する訪問等による相談や情報・コミュニケーション支援、生活訓練や各種委託事業が着実に実施され、一層充実するよう、引き続き要望を強めてまいります。また、補装具や日常生活用具の基準額引き上げについても、引き続き要望してまいります。
<京都市との話合い>
8月26日、障害保健福祉推進室から9名の方々がライトハウスに来られ、本会からは岡田会長、井上・藤原・吉川各副会長、生活環境部長等9名の役職員が出席して話合いが行われました。
要望の最も大きな柱として、視覚障害者にとって不可欠な代筆・代読が確実に行えるための居宅内での意思疎通支援事業の実施を掲げ、京都市内の同行援護従業者を増員するための養成研修開催の広報による周知等の充実、雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業が更に利用しやすい制度となるための見直し等を訴えました。また、京都市実施の視覚障害関連の委託事業について、障害のハンデを補う合理的配慮として、個人への案内送付の必要性を要望するなど、種々の切実な要望を提起しましたが、残念ながら満足な回答を得るまでにはいたりませんでした。
一方で、以前から要望してきた、就労に関わる遠隔支援については、就労移行支援、就労継続支援A型及びB型に加えて、今年度から、国の法改正に伴い、一般就労中の障害者においても、可能になったとの報告がありました。しかし、機能訓練や生活訓練については、在宅でのオンラインの有効性については共通認識となりましたが、国の法改正が実施なされていないため、実施できないとの回答に留まりました。遠隔での訓練が可能になれば、訓練の幅が広がり、短期間で効率的に受けられることにもつながることから、今後も引き続き要望してまいります。