第77回全国視覚障害者福祉大会(熊本大会)に参加して
会長 岡田 多栄子
新型コロナ感染拡大により影響を受け続けてきたこの大会も、今年は会場参加の定員を設けず、昨年までオンラインで行われていた分科会も全て現地開催の形で、6月2日~3日、熊本市のホテルメルパルク熊本で開催されました。本会からも、久しぶりの現地開催ということで、付添いも含めて10名が参加しました。
2日午後から開催された分科会は、生活・バリアフリー・職業の三つの会場に分かれて、全国各地から提案された議題について、議論されました。
なお、京都からは次の三つの議題を提出し、全て承認されました。
1.地域生活支援事業の国庫補助金は、地域の特性に応じてどのようなメニュー事業を行うかを十分に考慮し、それが実施できるように計画的に財源を確保すること。
2.無人駅や無人の時間帯がある駅に設置されているインターホン、券売機や精算機を視覚障害者が安全に安心して利用するため、位置を知らせる音声案内、機器の音声化やテンキーの設置、呼び出しボタンへの点字表示といった視覚障害者にとって必要な整備をまとめたガイドラインを、国が作成すること。
3.就労に関わる訓練の遠隔支援を可能とすること。なお、就労移行支援も含めて、休職者のみならず在職者においても、訓練の遠隔支援を認めること。
全国の各団体から出された提出議案は、今後関係省庁ごとにまとめられ、要望活動に移っていくこととなります。
その後開催された全国団体長会議は、全国の加盟団体の代表者と女性・青年・音楽・あはき・スポーツの5協議会の代表等が参加し、今年度の日視連の活動計画等が検討されました。
夜の交流会は、久しぶりに全国各地から集まった人たちの熱気と、和太鼓の迫力ある演奏で大いに盛り上がりました。
翌日3日の午前は、全国大会(大会式典と大会議事)が2部制で開催され、その模様はYouTubeでもライブ配信されました。
その後、京都からの参加者は、半日観光ツアーに参加し、熊本城などを観光しました。皆さんもご存じのとおり、熊本城は2016年4月の熊本地震で大きな被害を受け、石垣なども含めた完全復旧には、まだまだ時間がかかるそうです。しかし、復旧の際にバリアフリー化がなされ、天守閣へはエレベーターを乗り継いで登れるようになっていました。最上階6階にある展望フロアで旅の余韻に浸りながら、帰途につきました。
なお、次年度第78回大会は、千葉県主幹で開催される予定です。