<南部アイセンターだより>

1.朗読ボランティア「陽声(ようせい)」 朗読会を開催
 2月21日、アイセンターにおいて標記の朗読会を開催しました。四つの作品が朗読されましたが、紙面の都合がありますのでそのうちの一つだけ、小泉八雲《こいずみやくも》の「雪女《ゆきおんな》」について少し述べさせていただきます。
 多くの方がご存じのように、八雲の雪女は恐ろしくも美しい姿で登場し、そして最後は雪のようにはかなく消えていく存在です。この「雪女」は八雲の『怪談《かいだん》』に収録されている1編ですが、怪談というよりは何か幻想的な、夢の世界を描いたような、そんな物語です。今回の朗読は、雪女の恐ろしさ、はかなさをよりいっそう際立たせてくれました。
 雪女の説話は雪の多い地方に、形は少しずつ違いますが、今も多く伝えられているそうです。それにしても雪女さん、近年は暖冬続きで、出番がなくて困っているんじゃないかと心配になります。
2.盲導犬についての講演会を開催
 3月7日、盲導犬ユーザーの前田眞里(まえだ まり)さんと盲導犬のペリーちゃん、関西盲導犬協会の久保(くぼ)ますみさんに来ていただき、盲導犬のことについてお話をしていただきました。
 前田さんはアイセンターは2度目ということで、盲導犬と過ごす中での最近のできごとを中心にお話をされました。楽しかったことや愉快だったこと、そして困ってしまったことなどを興味深く聞かせていただきました。また久保さんには、現在の盲導犬の状況や課題、貸与の流れなどについてお話をしていただきました。
 参加された皆さんには、楽しい時間を過ごす中で盲導犬への理解をさらに深めていただけたのではないかと思います。
3.川柳句会「万華鏡」・3月
 今回は優秀作を一つに絞ることができず、どうしましょうということで、久しぶりに二つの優秀作を掲載することになりました。お題は「3月・ひなまつり」です。
〇久御山町 長澤静代(ながさわ しずよ)さん
 ぼんぼりに 灯《あか》りをともし 口《くち》ずさむ
〇南山城村 新山太美子(あらやま たみこ)さん
 梅満開《うめまんかい》 受験生《じゅけんせい》には 桜《さくら》咲《さ》け
 長澤さんの句、ひな飾りの準備をしながら思わず口ずさんでしまう。それはやはり「あかりをつけましょ ぼんぼりに~」ですよね。ひなまつりの歌、ほかに何かありましたっけ。
 そして新山さんの願いには反しますが、昔流行った入学試験の合否電報を思い出しました。不合格を知らせる電文は、「サクラ チル」が一般的でした。その中にあって、「リラノハナ チル」とか「シナノジハ ユキ フカシ」なんていうのもありました。どのあたりの大学か、容易に想像がつくと思います。
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