「第57回白杖安全デー府内南部集会」の報告

地域団体支援部 府内南部担当
 去る2月18日の午後、南部アイセンターのある建物「京都府情報コミュニケーションプラザ」3階 研修室において、標記事業を開催しました。当日は、府内南部地域から会員やガイドヘルパーをはじめ、行政や社会福祉協議会・ボランティアの方等78名のご参加をいただきました。
 新年早々に令和6年能登半島地震が発生するなど、近年は地震や豪雨による災害も非常に増えてきています。これらのことを踏まえ、府内南部地域に在住する視覚障害者や、視覚障害者を支援する関係者が、視覚障害者にとっての防災の重要性について学び、共有することによって今後の災害対策を考える一助とする目的で実施しました。
当日は13時30分の開会に先立って、八幡市で作成した立体ハザードマップを展示し、参加された皆さまに触れていただく時間を設けました。このハザードマップは手作りで、なかなかの力作です。どのような工夫を重ねて改良していったのか、視覚障害者にとってどのような触覚表現がわかりやすいかなどを直接感じていただけたことと思います。地形や道路などが立体的に表現され、触っただけで街の様子や浸水の可能性のある地域がわかるようになっており、多くの方が熱心に触れ、説明を聞いておられました。
 集会は、朗読ボランティア 陽声(ようせい)の澤江里惠子(さわえ りえこ)さんの司会で進行しました。最初に、八幡市における立体ハザードマップ作成の取り組みについて、作成の経緯や意義について八幡市視覚障がい者協会の山崎(やまさき)会長と八幡市危機管理課の松浦悠爾(まつうら ゆうじ) 氏からの講演を聞きました。その後、西日本豪雨の際に被災した山崎会長から、視覚障害者としての体験が語られました。当時、山崎会長は、大きな被害を被った岡山県真備町(まびちょう)に住んでいて、雨が強まり、避難に至った経過や、1か月にわたる避難所生活で困ったことなどが語られました。特に、トイレが視覚障害者にとって使いづらかったことや、視覚障害者だとわかるためにゼッケンをつけていたがなかなか援助してもらえなかったことなど、視覚障害者自らの経験が、参加者の皆さんにも印象に残ったことと思います。
 その後、南部各地域団体からも、代表の方から災害についての取り組みや体験等の報告をいただきました。避難所までが遠いことなど、市町村に検討していただかなければならない課題もありましたが、それぞれ地域団体が工夫して取り組まれている内容も多く報告されました。市役所からの出前講座を活用したり、各家庭に配布されている防災のしおりの音声CD化を要望したりなど、活動の様子を共有することができました。
 また、「命のカプセル」と名付けた「緊急時情報カード」キットを、一人暮らしや高齢者世帯などに配布されている地域の報告もあり、「どんなものなの?」と会場で話題になりました。このキットは、容器に緊急時の連絡先やかかりつけの医療機関名を記入した用紙を入れ冷蔵庫に保管するとともに、カプセルがあることを玄関や冷蔵庫のドアに貼るステッカーで知らせることで効果があります。万一の際に訪問した救急隊員等がこの情報を知ることにより、適切な処置へつなげるという目的があるそうです。全ての市町村で実施されている取り組みではないようですが、府内南部では、八幡市、長岡京市、向日市などで積極的に取り組まれているそうです。
 最後に次回開催地である視覚障害者協会相楽会の松本(まつもと)会長の挨拶をもって、集会は閉会しました。
 開催にあたり、ご支援・ご協力いただきました皆さまに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


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