講座開催の報告
京都市山科視覚障害児者協会
会長 中村 健(なかむら けん)
1.京都市山科身体障害者福祉会館主催「視覚障害者ボランティア入門講座」に参加しました。
6月24日と7月1日、4年ぶりの開催となった山科身体障害者福祉会館主催の「視覚障害者ボランティア入門講座」に協力、参加しました。視覚障害者の生活を知っていただき、視覚障害者の手引きや点字を体験していただくなど、盛りだくさんの内容でした。開催にあたり、地域の回覧板やボランティア協会、地域の公式サイトなどで呼びかけ、京都市山科区社会福祉協議会の職員2名を含む、20歳から70歳代の幅広い年齢層の9名の方が参加されました。参加者の中には、ご家族に視覚障害者や視力が悪くなっている方がおられる方もいました。
6月24日の1回目は、京視協の広報啓発部部長で、京都ライトハウス鳥居寮でも視覚障害者に接しておられる石川佳子(いしかわ よしこ)さんに講師をお願いしました。まず、広報啓発部が発行しているメールマガジン色鉛筆をまとめた「見えない地球の暮らし方」という書籍を参加者全員にお配りし、視覚障害者の見え方などを説明しました。その後、石川さんご自身の体験を話していただきました。視力が悪くなっていく様子や、その後のお仕事のこと、生活のこと、親族の介護のこと、日々工夫をされていることが理解できました。その後、昨年の第56回白杖安全デーで作成された動画を視聴し、視覚障害者の誘導方法を説明した上で、手引き体験として、福祉会館内で、参加者がお互いにアイマスクをつけて誘導したり誘導されたりをしました。その後、石川さんの指導で点字を書く体験をしました。さすが、普段点字を教えておられることもあって、大変わかりやすかったです。私たちも学ぶことがたくさんありました。この日はここで時間切れとなりました。終了後も参加者の方が石川さんに熱心に質問されていました。
7月1日の2回目は、点字器を使って参加者が書いた点字を確認するところから始まりました。その後、会員の黒住康晴(くろすみ やすはる)さんご自身の体験をお聞きしました。見えなくなることがわかった時、今できることに挑戦しようと思われたこと、見えなくなってからもライトハウスの活動などでいろいろなことを楽しんでおられることがわかりました。白杖を持つことのためらいについても話していただき、私のような先天的に目が悪くなった者にはわからないことがあるのだなと感じました。その後、点字の名刺作りをし、私たち当事者を交えて懇談の時間を持った後、修了証書をお渡しし、2回にわたる講座は終了となりました。
参加者が残された感想を紹介します。
「当事者の方のお話を聞く機会がなかったのですごく貴重な経験になりました。」
「当たり前のことですが、みなさんたくさん趣味があって、人生を楽しんでおられることが伝わって、素敵だなと思いました。」
「今回学ばせていただいたのが2回だったので、もう少し学ぶ機会がほしい。今後も続けて学ばせていただける場があればいいなと思います。」
私自身も今回、石川さん、黒住さんのお話を伺えて良かったです。日常生活の困りごとや工夫など、私にはわからないようなことをたくさん知れました。「障害は個性やと言われるのは、違うと思う」とおっしゃったのが心に残りました。
2.成人講座を開催しました。
8月27日、成人講座としまして、発起塾(ほっきじゅく)様をお招きし、演劇のお話やショートミュージカルを鑑賞しました。
前半は、発起塾・塾長の秋山(あきやま)シュン太郎(たろう)氏のお話をお聞きしました。
後半が大変。参加者全員で「早口言葉」の練習。いきなりのこと。なかなかうまくいきません。でもさすが、女性は上手にこなされていたようです。さらに「ちょっとしたダンス」も挑戦することに。参加者もお芝居の中で参加することになっていたようです。
その後、ショートミュージカル「シンデレラ」等の演技を鑑賞しました。目の前で繰り広げられた演技は圧巻で、45分ほどの時間でしたが、あっという間に時間がたちました。フィナーレで、シンデレラとして女性の参加者お一人が美しい衣装をまとい、お芝居に参加されました。その参加者は「一生の記念になる」と非常に喜ばれていました。
久しぶりに体を動かすことができた人もおられたようです。やはり、生で見る演劇は迫力たっぷりでいいものです。
なお、暑い中、各地域からご参加していただいた皆さまにお礼申し上げます。次の企画が決まりましたら本誌にてご案内しますので、ご都合よろしければ、山一つ越しますが、ぜひご参加ください。