[報告] インクルージブ・サイクリング体験会に参加して
タンデムを楽しむ会
会長 神田 昌胤(かんだ まさつぐ)
去る10月16日に、京都市内の大宮交通公園で開催された標記体験会に参加してきました。京視協本部からのメール配信で案内をいただき、西舞鶴駅発朝6時47分発の特急列車にガイドヘルパーと一緒に乗り込みました。当日は、ちょっと歩いても汗ばむような快晴で、2人乗り自転車のタンデムをはじめ、ハンドサイクルなど6~7台が大阪市から運ばれていたようです。「インクルーシブ」というのは、「すべてを含んだ」という意味があるそうで、なるほどいろいろな自転車があるものだと思いました。
新型コロナ感染防止のためのチェックと消毒を終え、開会式が行われました。京都ライトハウスの山本障害支援部長が、10月から始まったテレビドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」を紹介しながら、視覚障害者がおかれた様々な困難さや周りの人たちの支えなどを話されました。そして、大阪市にある「市民自転車学校プロジェクト」の藤江(ふじえ)さんが、走行に際しての注意点などを話され、体験会全体の進行もされました。
午前中の部には、京都ライトハウスの「あいあい教室」の子供さんたちが多く参加されており、ご家族や支援される方々からの励ましを受けながら、生まれて初めて自転車に乗ることができた方もいらっしゃったようです。
タンデムには、パイロットと呼ばれる人が前に乗りますが、この日は、大学のサイクリング部などの若い方々が来てくれていました。そのほとんどの方は、タンデムはもちろん、視覚障害者と乗るのは初めての様子でした。
走るコースでは、信号機もあり本格的な体験ができ、数回走って慣れたところで、次に、後ろの席の人が「自転車の古タイヤ」を片手で持ちながら、輪投げをするという「タンデム流鏑馬(やぶさめ)」で楽しみました。うまく入ったり入らなかったりでしたが、子供たちの「入った!入った!」という歓声が何度も聞こえてきました。パイロットと呼吸を合わせてタイミングよく「タイヤ」を離すのですが、今後、私たちの会でもやってみたいと思いました。
ハンドサイクルは、両手でペダルを回します。一方、後ろがパイロットで前が「車椅子」になっている自転車は、足も手も動かさなくていい自転車です。このようにいろいろと体験することができ、若い人との交流もできて、朝早く起きた甲斐がありました。次は、もっと多くの人が参加できればと思いながら、帰りのバスに乗り込みました。