会長就任に当たって

会長 久保 弘司(くぼ こうじ)
 この度、田尻彰前会長の後を受け、新会長に就任いたしました久保弘司です。どうぞよろしくお願いいたします。私自身、田尻前会長のように、スピーディーな行動力と、豊かな経験に基づく判断力があるというわけではありませんが、岡田(おかだ)、藤原(ふじわら)、そして今期から新たに就任した清本(きよもと)、中島(なかじま)の計4名の副会長と共に、京都における視覚障害者福祉が少しでも前進していくように、頑張ってまいりたいと思っております。私は広島生まれの50歳。生まれつきの弱視でしたが、大学に通っていた22歳の時、緑内障が悪化し全盲となりました。それから京都ライトハウス鳥居寮でのリハビリ訓練を経て、大学に復学し卒業、三療の免許取得、ライトハウスへの就職と、多くの方々の支えのもとでこれまでの人生を歩んでくることができました。今、全盲になってからの二十数年をふり返ってみた時、多くの方と出会えたこと、その時々の自分にとって有益な情報にたどり着けたことなどが、自分にとってとても大きなことだったのだと改めて感じています。そして、これまでの出会いや経験から得てきたパワーや思いを、今後の京視協での活動に生かしていきたいという気持ちを新たにしているところです。
 会長就任にあたって、多くの課題の中でも、特に取り組む必要を感じていることを二つ上げたいと思います。
まず、本会が掲げる「独りぼっちの視覚障害者をなくそう」というスローガンの具現化についてです。ずっと前から多くの先輩方が取り組んでこられた課題であり、いつの時代にも常に意識して取り組んでいかなければならないことだと感じています。特に、コロナ禍における「新しい生活様式」の実践が求められる中にあって、どのように取り組んでいくか、多くの会員の皆さんからの意見を吸い上げながら、時代に即した取り組みの形につなげていければと思っています。
次に、これからの運動団体としての在り方についてです。当然、当事者の思いをしっかり伝えていくということには変わりはありませんが、一方で公益法人としてふさわしい形での運動の進め方を模索していくことも必要となってまいります。多様な価値観を持つ、多くの市民が生活している現代社会にあって、私たち視覚障害者の願いが市民に受け入れられ、そして社会全体の利益につながるような活動につなげていく必要があると思っています。
 他にも考えていくべき課題は多々あるのですが、これらの課題を乗り越えていくための一番の原動力になるのは、会員の皆さんお一人おひとりが「京視協に入ってよかった!」と思えることではないかと感じています。そのために、地域や世代を超えた対話を大切にし、その中で生まれてくるつながりをより強固なものにしたいと考えております。皆様方と手を携えながら前進していきたいと思っておりますので、ご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


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