自粛生活の解除を受けて

福知山市視覚障害者協会
 誰にも予測がつかない緊張の多い自粛生活が解除され、4か月ぶりに定例会を開催しました。そこで会員の方が「もし視覚障害をもった私たちが新型コロナウイルスに罹患して、入院しなければならなくなったら」と不安を口にされました。それは皆、心に抱いている思いでもありました。自粛生活が解除され、感染状態が落ち着いている瞬間を選び即刻に、新型コロナウイルスの正しい情報を求め、隔離指定病院と保健所を訪ねました。3密を避けるため、予め障害の特性と質問事項を書状にし、お返事をいただくかたちで、両機関を訪ねました。
 その隔離指定病院は府内初の感染者である患者に対応された病院です。情報が少ない中で、病院全体で拡散防止に取り組まれた貴重な体験をもとに、もし視覚障害者が入院となった場合、慣れない場所での単独行動の困難にどの様にご援助願えるのか、隔離病棟ではどう配慮願えるのかをお尋ねしました。
 感染拡大阻止にご尽力下さった管内保健所では、会話を最小限に留めるため、①症状が出た場合の確実な連絡手順について、②軽症者の隔離施設について、③搬送車や隔離施設での障害者への援助について、書面に記載しお尋ねしました。
 両機関とも早急に関係部署で検討し、返事をするとご返答いただき、数日後、丁寧に、今の段階で配慮できること等のお返事をいただきました。
 福知山市視覚障害者協会では、両機関からのアドバイスを踏まえ、「障害の症状」「持病」「服用薬」「必要とする援助」「出先で体調を崩した場合一番に知らせてほしい人の電話番号」などを1枚の紙に書き、障害者手帳に挟んで常に携帯することを提言しています。それは病院、保健所への個々の情報伝達にも役に立ち、いつどこで何が起こっても、自己の生命を守る手立てとなると思います。
少しでも早く、会員の方々の不安を軽減するため、コロナウイルス特集として病院、保健所からの返事と点字毎日新聞の読者の方の体験文を、朗読サークルの方の協力を得てCDに入れ、会員に周知させていただきました。
 コロナ禍での物に触るなという風潮の中、6月の定例市議会では、議員の方が一般質問で、障害の特性の理解をした上で、更なる支援の充実と理解啓発の推進を訴えてくださいました。
 ここに、あらゆる機関の皆様の心にしみるお力添えに、衷心より感謝申し上げます。
 皆様のお気持ちに、お応えできる団体でありたい!との思いを新たにしました。


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