[地域団体より報告] 福知山市教育委員会主催「成人講座・管外研修」のご報告
福知山市視覚障害者協会
去る7月5日、福知山市教育委員会主催の成人講座・管外研修が行われ、会員14名、介助者14名、教育委員会職員2名が参加し、バスを満席にして池田市、宝塚市を巡ってきました。
NHKの朝の連続テレビ小説で一躍有名になった池田市のカップヌードルミュージアムでは、世界の食文化を変えたと称されているカップヌードルの手作り体験をしました。マイカップに思い思いのデザインを施し、透明ガラスの向こうにいるスタッフの指示に従い、各自の好みの味や具材のトッピングを聞かれるのに応答して包装工程を経ると、マイオリジナルラーメンが完成です。館内は、社会見学の児童の幼い声と共に、観光客の外国語が多く飛び交い、海外旅行の日本ブームそのままの雰囲気に溢れていました。
また宝塚市では、観音霊場の中山寺《なかやまでら》に参詣しました。広い境内には、エスカレーターやエレベーターが完備されており、車イスで参加の方も境内の頂にある本堂までお参りでき、皆でご利益をいただいてきました。明治天皇のご生誕や豊臣秀吉のお世継ぎとの関りが深く、子授け・安産祈願の参詣者にも配慮がなされ、その施設設備にはエレベーターなどと同様に福祉の目線が届いており、感心させられました。
当会では、行事での移動の全てが歩行訓練の実践を兼ねております。今回 池田市では、特に狭い歩道を10分余り歩きました。2人1組で歩くと道幅いっぱいになり、近隣の方々の生活道路を瞬間的に塞ぎます。前列からも後列からも伝令が飛び、何度も何度も介助者に縦列に誘導されながら、観光客とも 地元の方とも道を譲り譲られての貴重な歩行体験となりました。
常々、目的地入り口にバスを横付けしていただくことに慣れ、甘えていますが、今回共生社会に生きている現実をより深く各々が感じたのではないかと思います。それゆえ、同行援護制度により多くの危険を回避し、生命を守っていただいている有難さが身に沁みた旅となりました。
安全に手引きし、車イス誘導をお世話くださった介助者の皆さま、ありがとうございました。話し声の絶えない楽しい1日を計画し同行してくださった教育委員会生涯学習課の担当職員の方にも厚く御礼申し上げます。
この旅の最高のお土産は、車イスの参加者も含め 全員が次の行事にも 参加したいと自信を持てたことです。「出かけられる場所がある」「話し合える仲間がある」、これこそが私たちの宝です。