<南部アイセンターだより>
1.二度と転落事故を起こさないために
1月に引き続き、5月17日に第2回「駅ホームからの転落を考えるつどい」を開催し、市町村職員、点字や朗読サークルの方など68名が来られました。ポスターを見たと城陽市議会議員にも来てもらえました。
今回は、盲導犬ユーザーの前田(まえだ)さんが大津市から駆けつけてくださり、白杖を使っての生活も振り返り、盲導犬とともに朝の散歩で鳥の鳴き声や小川のせせらぎを聞いて楽しんでいることも紹介しつつ、盲導犬とともにホームを歩いていて、二度転落したことや、勘違いした要因などを話してもらいました。関西盲導犬協会も来てくれて、特に駅を利用するときの基本的な歩き方を詳しく説明いただきました。さらに、鳥居寮からは、白杖歩行の基本にあらためて立ち返る必要性を強調されていました。
その後、南部の鉄道会社の最近の動向についての報告と発言がありました。近鉄京都線では、私たちからの要望にも応えて、多くの駅で内方線付きの点字ブロックへの張り替えや「富野荘」駅でのエレーベーター新設など、ハード面の改善がありました。一方で、最近多くの駅で駅員が無人となる時間帯を設けた、あるいは設ける予定であることが分かり、参加者から「それは困る、撤回の働きかけが必要」との声が挙がりました。駅に問い合わせたところ、無人化した時間帯に、万が一緊急事態が起こったら、近隣の管理監督している駅から駅員が駆けつけると説明されたそうですが、それでは間に合いません。
さらに、南部で複線工事が始まっているJR奈良線の現状をウォッチングした様子も報告されました。「桃山」駅から「城陽」駅までの8駅で、内方線設置は3駅にとどまり、3線化の工事中の「桃山」駅も含めて、向かいのホームに行くのに陸橋を利用するしかない駅が3駅あります。私たちも困りますが、例えば、車イス利用者はどうしているのでしょうか。さらに、「六地蔵」駅と「小倉」駅の両駅のホームと車両間の大きな隙間はそのままです。複線工事と合わせてホームや駅舎の改善を早急に求めることが必要ですね。
資料として、近鉄「伊勢田」駅周辺のバリアフリー調査で、宇治の皆さんの多くの意見が掲載されたページを配布しました。
2回の集いを通じて、まず、私たち自身がよく訓練を受けて、白杖を使っての安全歩行に努めよう、そして、駅員や乗り合わせた方を頼ろう、迷ったら声を出して助けてもらおう、さらに、ホーム柵や駅員の複数配置、あるいは内方線設置などの改善を引き続き要望していくことなどが、確認できたと思われます。具体的に、ポスターを作ってこれらを府民に呼びかけたらとの声もお聞きしました。田尻会長は、今後もこのような集いを継続して実施していこうと呼びかけました。「二度と転落事故を起こさない」を合言葉に、各地と本会全体とのつながった取り組み、そして、府民の皆さまのご協力を常に訴えていくことが求められます。
2.南部各地域で総会が行われました
南部には、7地域団体があります。それぞれの今年度の総会が無事に行われ、いくつかの地域で新しい会員を迎え、新しく役員に就いていただける方もありました。
各地域で、これから独自の行事も計画されますし、南部全体としては、10月7日(日)に木津川市での白杖安全デーについて、多くの方の参加や啓発などの準備を進めていくことになります。さらに、当センターは4年目に入ります。今回、宇治市での鍼灸マッサージ助成券制度の全廃や駅の無人化など、私たちを巡る環境は厳しいものもありますが、必要な声を挙げつつ、できれば毎月、役員会や例会実施なども検討して、会員とよく相談して少しずつ前に進んでいきましょう。
3.川柳講座「びっくり箱」の5月の最優秀作
お題は「窓」で、「開かぬ窓 政界の闇 見え隠れ」
5月も京都市内からも来ていただけました。皆さんも、ぜひ、のぞいてくださいね。
関連画像
前田さんがお話をされており、隣には盲導犬がいます。