メルマガ色鉛筆第21号(「長い」)

タイトル 「長い」
ペンネーム 銅でもいい男(40代 男性 弱視)
 レポートの要旨です。
 どうにでも取れるタイトルにした理由は、読まないと何が書いてあるかわからない。
つまり、タイトルだけではわからない中、想像を巡らせ、その想定内なのか外なのかを確かめながら読んでほしいからです。
そう、現在放送中のテレビ小説『花子とアン』の主人公・安東はなと同じように、想像の翼を広げてみてはどうでしょうか。
 ここから本文です。
 私は、40代の弱視の男性です。
左眼は見えてません。
右眼は2年前に白内障の手術をして眼内レンズを入れスッキリしたんですが、現在、後発性白内障が出てきて非常に見えにくいです。
困ったもんだ。
 振り返れば、私が隻眼になってからは今年の9月5日で29年になります。
片眼生活が長くなったな。
 そういえば、「長い」という言葉をいつから知ったのだろうと思い返すと、
私と同じ年代の半数前後の方はおそらく『ザ・ベストテン』での松山千春の『長い夜』ではないでしょうか。
サビの部分の所ですね。
正確には「長ーーーーーーーーい」って歌ってましたかね。
 さて、「長い」を時間でみたとき、今の自分の年齢でみると、わが国の男性の平均寿命を折り返してます。
お気に入りの歌手のファン歴は26年になります。
その歌手のコンサートに初めて行ったのは、1991年6月18日の福岡国際センターで行われたときなので、23年になります。
そういえば、この年の1月17日は、多国籍軍がイラクを空爆した湾岸戦争がありましたね。
故郷を離れてトータルで20年になります。
今、勤めている職場は18年になります。
そういえば、この年の4月から消費税が上がりましたね。
今年の4月からはさらに上がりましたね。
ちなみに、今住んでいるマイホームは1年半です。
 今度は、「長い」を距離(高さ)でみていくと、19年前の夏に2932mの白馬岳に登りました。
17年前、夏の暑い日に約2万歩、歩きました。
歩幅が約70cmとすれば、約14kmの歩行になりますね。
そういえば、中学生のとき、12月の寒い朝5時からスタートする「強歩会(きょうほかい)」というのがありました。
約20kmをひたすら歩くんです。
走る人もいましたが、速い人で8時には学校に帰ってくる強者がいました。
私は11時ぐらいに帰ってきました。
 最後に、「長い」を文字数でみてみましょう。
ここまでで約700文字です。
ちょうどいいでしょう、読むにも音声で聞くのにも。
おそらく、色鉛筆執筆者の中で3番目に短い文章ではないでしょうか。
だって、「銅」ですから。
 ねっ、銅でもいい男の話でしたでしょう。
編集後記
 今までとはまったくカラーの違う今回の銅でもいい男さんからのメッセージです。
想像の翼を広げて、みなさんはどんなことを読み取られましたか?
 これまでのメルマガ色鉛筆は、自分にとっての視覚障害について考えた内容のものが主流でした。
そして、そこには経験を通してたどり着いた思いや答えがありました。
ですが、視覚障害者はいつもそのようなことを考えているわけではないし、
ペンネームが暗に示すように視覚に障害があることは「どうでもいい」ということだってある。
そんな想像もできます。
あっ、これは想像です、あくまで。
 あくまで想像でしたが、視覚障害についてもそれくらい幅広い感じ方や考え方があり得るのは本当のように思います。
当事者の声から幅広い感じ方や考え方を知ることができます。
 「長い」にまつわる銅でもいい男さん自身の思い出の数々には、大切さを感じさせてもらいました。
読者のみなさんも、同じように思い出の数々をお持ちのことと思います。
どうぞ大切にしてください。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
助成協力: 京都オムロン地域協力基金
発行日:  2014年8月1日
☆どうもありがとうございました。


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