メルマガ色鉛筆第365号「こんにちは、握手をしよう1」

メルマガ色鉛筆365号は2通に分けてお届けします。
特別企画 万博レポート第2弾
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは、メルマガ色鉛筆編集チームです。
万博会場を闊歩してきた方からの体験レポート第2弾をお届けします。
4月末までに万博に参加された方からのリアルなレポートです。
タイトル こんにちは、握手をしよう
ペンネーム 55年前赤ちゃん(50代 女性 手動弁)
 私は4月27日に「大阪関西万博探検!ナビタグを使って、歩いて、楽しもう!!」に参加してきました。
公益社団法人NEXT VISIONのスタッフやさまざまなテクノロジーに関わる人たちとともにツアーを楽しみました。
 点字ブロックにコードが入っていて、それが目的地までをナビしてくれるシカイ、
トイレや地図、パビリオンに設置されたタグから情報を受け取れるナビレンスの体験など盛りだくさんでした。
点字ブロックと連動するシカイは、もし説明を聞き間違えたり、
言われた方向とはちがう方向に進んだらどうなるかなども試してみました。
概ねナビの説明と実際のイメージとのずれはありませんでした。
道なりといってもカーブが多いから、
方向ではなく道なりというシンプルな表現がわかりやすいことも確認しました。
見事、自力で目的地までゴールできました。
歩く速度が速い私は、時々点字ブロックから離れて歩こうとするから、
お隣を歩くダーリンがいちいちそれを修正してきます。
ほんのり私を微調整しようと押してきます。
点状ブロックを飛ばさないように、ちゃんと賢く歩きなさいという警告です。
そんなにまじめに歩かなくても大丈夫なんだけどなと思いつつ、
ひたすら点字ブロック沿いを歩きました。
それと、周りに人がいるみたいだけど気にせずがんがん歩いていく私は、
見ている人からすると、突撃隊のようです。
90メートル直進とか言われたら早くそこまで行きたくなる性分なので、
フンガフンガと鼻息荒く前進していると、警告ブロックを通り越してしまいそうに。
そんな時もシカイは何か言うので、落ち着いてストップです。
シカイに声かけられたらちゃんと止まるという素直さがあれば大丈夫です。
スマホで地図やナビばかり見ていたらせっかく素敵で芸術的な建造物を堪能できないから、
一緒に歩く晴眼者を私がナビして「ついておいで」という感じがナイスかなと。
ちゃんと見えている眼がスマホ画面じゃない万博を楽しめる、
そうすれば周りの雰囲気とかをおしゃべりしながら歩けて私も楽しいし。
この発想、悩まず移動できて見える人にとっても役立つテクノロジーですよね。
 ナビレンスの地図説明は地図の説明の教科書のようで、
実際にその地図がどのくらいの大きさか触らせてもらって、
イメージしながら何度も聴きました。
大枠 エリアごと、自分の位置からの方向など
地図をイメージするために必要な情報を伝えてくれています。
トイレの中の説明も、「右の壁伝いに」という表現が親切でした。
何がどこにあるという情報だけでなく、壁伝えできることで
今度は出る時のイメージのサポートにもなります。
ナビレンスは設定しなくてもさらに詳しく説明を聴きたい時と、あっさり説明とが選べるのが親切。
入口説明はあっさりで○、展示物説明は詳しく聴くなど使い分けできるのがナイス。
 うれしいのがたくさんのスタッフさんたちの声かけです。
さっと優先入場や移動のサポートをしてくれてありがたいこと満載です。
人のハートとテクノロジーは仲良しだとエネルギーはさらに力強いものになると
再確認しました。
日本初の点字ブロックから点字ブロックにコードを入れてナビする発想は
実際に足や白杖で人が体感して得るものと、テクノロジーから情報を受け取るものという
温故知新の具現化なんですよね。
そして、絶対に外せないのが自分の好奇心とやりたいやりたいやりたいという欲です。
そんなに激しい欲でなくても、ちょっとやってみたいな、できるかなという
ひかえめで上品な欲でもいいいんです。
欲は希望につながるし、時に落胆にもつながるけど、
欲を出した段階で一歩ですよね。
 55年前の万博、1970年生まれの私は
この万博を体験して、心底家族に感謝です。
天国のお父さん、体が不自由なお母さん、55年前、私の家族になってくれてありがとう。
見えないけどこの世界は悪くないよ。
お父さんはもう知ってるよね。いつだって空から見えるもんね。
お父さんが大好きな車も空を飛べるようになってるよ。
お母さん、大丈夫だよ。世界はつながってる。
55年前に歌われた「こんにちは こんにちは 握手をしよう」の思いは今もあるんだよ。
だから、もう「親の責任とか、不憫な」とか言わなくていいから。
 帰り道、何度も心の中でつぶやいた言葉は「やっぱり母を連れて来なきゃ」。
現場でしか感じられないことをお母さんに体験してほしい、
私の分までちゃんと見て、私の分まで美しいものや不思議なものを見て知って、
見えるからこそわかることをお母さんの中に入れてほしい。
私も見えないからこそ感じるものをちゃんとこの魂に入れるから。
 社会は自分がつくるもの、万博に参加することが社会実験、それが、未来につながるから。
お母さん、人生は苦しいことの連続だけど、それでも未来はある、
夢じゃない、その未来と握手をしよう。万博で。
★ちょこっと万博体験レポート
京都からバスで行く場合
京阪高速バス利用。京都駅八条口アバンティ前からexpo西ゲートまで直行 
障害者手帳有の方と付添者一人まで、各1000円。指定席、早めの予約を。
所用時間約1時間半、すいていれば1時間(平日も日曜でもすいていた)
シャトルバス利用
新大阪からエキスポライナーで桜島駅
桜島駅からシャトルバスで万博西ゲートへ
桜島からのシャトルバスは、1時間ごとに予約が取れ、
5分おきくらいにバスがあるが、乗車に30分並んだ。
バスに乗る列の先頭に誘導され、座席に座れるよう配慮をしてくださった。
バスは西ゲート前バスロータリー 着
ロータリーはものすごく広い。シャトルバスはゲートに近い側に着く。
京阪バスは入場ゲートまで徒歩7、8分。
ロータリーを歩いていると、白杖を見かけたスタッフさんから声がかかり、
専用入場ゲートを案内された。
西ゲート付近のショップ
西ゲート入ってすぐのところにお土産関連ショップが数店舗ある。
オフィシャルショップは午後は入店も行列で店内がすし詰め状態になり、
会計も行列になるため午前利用がおすすめ。
JR西日本のお店には壁に触れる路線図があった。
西・東ゲート近くそれぞれに宅配便と郵便局がある。
入場早々にミャクミャクのお守りを白杖につけテンションアップ。
好きな黄色を選んで白杖なのに金運のお守り。
道にお金が落ちていたら…残念残念、万博はキャッシュレス。
2通目につづきます。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2025年5月23日
☆どうもありがとうございました。


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