メルマガ色鉛筆第364号「淡路島タンデムツーリング」
タイトル 淡路島タンデムツーリング
ペンネーム ブルーチャリダー(60代 男性 全盲)
レポートの要旨です。
2年前ぐらいからタンデム自転車を楽しむようになりました。
目が見えている頃はオートバイに乗ることも趣味の一つだったので、
風を切って走るということでは似ているのではと思ったのがきっかけでした。
風を切るということではオートバイよりは物足りないところもありますが、
タンデムバイクの魅力はパイロットと力を合わせてペダルをこぐということです。
これまでに長距離としては、島根県のサイクリングロードや浜名湖の周回、
琵琶湖の周回、奈良県の明日香道やタイ王国などを走りました。
今回は兵庫県淡路島でのタンデムツーリングのエピソードにご一緒ください。
ここから本文です。
今回のタンデム走行は昨年の11月、行先は兵庫県の淡路島。
私の担当は、タンデムバイク4台を前日から運搬するというお役目です。
といっても、私は見えないので車の運転はできませんし、タンデム自転車の運搬もできませんので、全面的に見えるスタッフさんにご協力いただきました。
18時積み込みを終了して出発、一路淡路島へ。
高速道路の渋滞もなく1時間ぐらいで翌日の出発点となる岩谷港に到着。
ネット検索で最寄りの地域の情報収集。
まず、地元の岩屋商店街にある岩屋食堂というところで夕食をとりました。
そこではすじコン焼きそばなるものをいただきました。
その後、丸吉湯というレトロな銭湯で入浴。
コンビニで晩酌の飲み物とおつまみを調達して、
公園にある展望台の駐車場にてテントを設営して野宿。
当日は風が強くテントのホロがバタバタと少しうるさかったのですが、
中学生以来のテントでの野宿ということもあり、意外と新鮮な気分で就寝できました。
ところでここってテント設営禁止の区域ではないかとなり、
7時に起床し、さっさとテントを片付けコンビニで朝食を調達、
ぽかぽかの日差しを浴びながら海釣り公園のベンチで海を感じながら朝食をいただきました。
その後集合場所の岩屋港へ。
すでに合流組の6人も全員集合しており、皆さん走る気満々。
一日目は岩屋から東側海岸線を北上して明石大橋の下をくぐり、
西側に入って南下するというコース。
五色町の宿泊場所までの約47キロを私の乗車するバイクが先頭を走り、
全体を引っ張るという役を担当しました。
途中、震災記念公園の野島断層保存館を見学して、
ランチには「幸せのパンケーキ」なるものを食べる予定でしたが、
さすが連休、行楽客で長蛇の列、パンケーキは素通りして先に進みました。
二つ目の立ち寄り場所となる「薫寿堂」でお香づくりを体験。
その後にコンビニで軽めの昼食を取り、宿まで直行。
一日目の走行は無事終了となりました。
到着後はサンライズ淡路という入浴施設で汗を流し、
夕食は地元のお店で淡路牛と海鮮の網焼き、千年一という地酒で舌鼓。
部屋に帰って二次会と大盛り上がりとなりました。
二日目も日差しが当たると暑さを感じるぐらいの良い天気。
本日の走行距離は約62キロ、私は最後尾を走る担当となりました。
この最後尾の担当、前をゆっくりと走る自転車のペースに合わせて見守りながら走るということもあり、意外と体力が必要なポジションとなります。
午前中おのころ島神社に参拝して、淡路島牧場で濃厚ソフトクリームをいただき、
その後洲本市に入りこれまた地元の食堂で昼食。
サバの味噌煮と切り干し大根、ウズラたまごとこんにゃくの煮物にご飯とお味噌汁というメニューをチョイス。
一人暮らしではあまり食べないメニューをとてもおいしくいただきました。
お昼ご飯で皆さんエネルギーの充電もできただろうということで、
あとは一気に岩屋港を目指してペダルを踏み続けることとなりました。
右手に海、左手にいろいろな野菜が植えられている農耕地を見ながらひたすら北上、
途中コンビニで一回休憩をはさみましたが、
緩やかに続く上り坂、少し急な上り坂など、
海岸線とはいえそれなりのアップダウンと海からの向かい風など、
意外と脚力も耐力も消耗されるコースでした。
当初の到着予定時刻から30分遅れ、16時に岩屋港のフェリーターミナルに到着、
二日間で約110キロのコースを全員無事に走りきることができました。
到着後にターミナルの待ち合わせ室でコーヒーブレイクした後に解散。
帰りは軽トラックでの自転車の運搬担当から外れて、
乗用車に同乗させていただき阪神甲子園の駅までの車移動でしたが
連休による混雑に加えて、事故、故障車などもあり、
普段でしたら1時間程度のところが3時間以上もかかることとなり、阪神電車の甲子園駅に到着したのが20時でした。
そこから難波線経由で近鉄上本町駅まで約1時間。
家にたどり着いたのが21時過ぎとなりました。
今まで宿泊を伴うツーリングは何度も経験してきましたが、
テントを張っての野宿という経験は初めてでした。
最初はどうなるかと少し不安でしたが、案ずるより行うが易しでした。
やってみると何とかなるもので、
新しい経験が次の行動につながるのではと感じたツーリングでした。
これからも、足腰を鍛えて、長くタンデム自転車と付き合っていきたいです。
★お近くのタンデム自転車の情報は「タンデムネットワーク」でインターネット検索してみてください。
編集後記
すごい、めっちゃすごい、タンデムツーリング。
淡路島をぐるっとまわるコースですね。
風を感じながらのツーリング、バイクは無理でもタンデム自転車ならできる。
テントでの野宿も相まって、
やりたいことをやるための一歩は世界をひろげる鍵ですね。
この鍵の感覚って、やらなきゃわかんない、やったらわかる、
その気持ちが次もやりたいという気持ちにつながっていくんですね。
タンデムヒーローのブルーチャリダーさんはこれからも颯爽とどこかの街に現れて、
さわやかにきらり笑顔を投げてくれるかもです。
最近増えてきたタンデムイベント、皆さまの地域ではどうでしょうか。
世界が広がる鍵探し、色鉛筆でまたいつか。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2025年5月16日
☆どうもありがとうございました。