メルマガ色鉛筆第354号「人間ってそんなものね」
タイトル 人間ってそんなものね
ペンネーム アクリル絵の具(30代 女性 弱視)
★レポートの要旨です。
走って転んで寝込んでまた立ち上がる毎日を送っています。
なんだかなあ・・・、うーん、もう、うーん、
そんな感じで、もがいている時間があります。
勇気を出して歩きだして、
なのに・・・、なんで、なんでということがあって。
でも、とまらないでいたいって、そう思って、
また、もがいて。
そんな時に、色鉛筆さんから声がかかりました。
私にとって、久しぶりの色鉛筆です。
★ここから本文です。
人間みんないい人じゃない、って、分かってはいるつもりだった。
罵られたこともあるし、存在を邪魔者扱いされたこともあるし。
私と同じように目が見えにくい人たちを同じだと思ったこともあった。
志を共に歩んでいけるものだと思ってた。
でもそう言う人は極々わずかで、
言い方は悪いけど、そんなんだからみんなに嫌われて差別されるんだよって人も
いた。
見えづらくなった私の世界は、物理的にも、それ以外にも、
すっかり狭くなっていたんだ。
だから勝手に期待して、勝手に傷ついた。
とてもとても努力して達成したことを、他の人の手柄にされた日。
見えにくいもの同士であんなに頑張ったのに、私はいないことにされた。
久々にものすごく泣いて、お酒に逃げて、
深夜に飲屋街をフラフラ、自暴自棄。
酔っ払って電柱にぶつかって、しゃがみ込んで泣いた。
道ゆく人は誰も彼も知らんぷり。
だって、飲屋街にそんな人いくらでもいるから。
そう、みんなそんなもの。
それが妙にスッキリした。
誰だってそう、いい人じゃないけど、ちょっといい人なところがあって、
そのちょっとがたくさんあるかどうかの違いで。
あの人もその人もみんなそんなもの。
私だってそんなもの。
毎日はこんなにもしんどくて辛いことばっかり。
でも、歩き出そうと決めた日のことを思えば、
ずいぶん遠くまで来たと思う。
人生ってそんなものね。
人間ってそんなものね。
編集後記
たまたまアクリル絵の具さんに色鉛筆から声をかけました。
なんとなく、声をかけてみました。
すると、なんだかきついんだけどどうにか歩いているんだよ、歩きたいんだよ、
そんな声が届きました。
そんなもんだよね、このことをそのまま共感してくれる場所、
それが居場所なのだとしたら、
今回のレポートも、ある意味居場所にちょこんと座れたようです。
声をかけた色鉛筆さんは、アクリル絵の具さんの手を握りたくなりました。
アクリル絵の具さんも背伸びした笑顔で何度も相槌をくれました。
そして、あいみょんの「リズム64」が心に流れていきました。
「大丈夫」という言葉の弱さも強さもちゃんとある素敵な1曲です。
そんなもんだよね、そんなあるがままを色鉛筆でまたいつか。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2025年1月24日
☆どうもありがとうございました。