メルマガ色鉛筆第327号「こんなことやってみた、すると 声レクリエーション編」
タイトル こんなことやってみた、すると
声レクリエーション編
こんにちは。メルマガ色鉛筆編集チームです。
昨年11月、色鉛筆ライターさんが集まってレクリエーションをやりました。
今回は、声レクリエーションのリーダー、
カラフルキャッツさんからのレポートをお届けします。
声レクを担当したカラフルキャッツです。
自分を表現する方法っていろいろあると思いますが、
私にとってそれは声を出すこと、歌を歌うこと。
今の私の最高のレクです。
そんな私にとって、石川さんから「やってみる?」と言われたら、
もうやってみるしかありません。
勢いで「とにかくやることになった声レク」ですが、
だんだん正気に戻るにつれて、
「こんなに大きなイベントでレクを担当する」ということが怖くなってきました。
自分がどうして声レクをやりたいのか、声レクを通して何を伝えたいのか、
どうすれば楽しんでもらえるのか。私なりに真剣に考えました。
私がこのレクで伝えたいこと、
それは大きな口を開け大きな声を出すことの気持ちよさと開放感です。
仕事や日々の生活の中でたまったストレスや発散しきれていないエネルギーを、
大きな声を出すことで発散し、すっきりしてもらえたらと。
「自分を開放する」というテーマで、
大きな声で自分が今やりたいことや思っていることを宣言するのもいいのではと。
しかし、日頃大きい声をだしなれていない人たちに、
しかも自分が考えた言葉を宣言してもらうというのは、
ハードルが高いのではないだろうか、そんな思いも浮かんできました。
確かに「開放」にはなるかもしれないけど、
恥ずかしさのほうが先に立って、楽しさにはつながらないのではないだろうかと。
やっぱり、声を出して楽しむと言えば、
親しみのある歌をみんなで歌うことではないだろうか。
でもせっかくの声レクなので、一人一人の声をちゃんと感じられるようにしたい、どうすればいいだろうか。
20人以上の人に一人ずつ声を出してもらい、
しかも短時間で発表できると言えば輪唱しかない!という具合に、
目指す具体的なゴールが決まりました。
歌は何にしよう。秋の歌で輪唱と言えば「紅葉」だけど、
輪唱するのはなかなか難しいのではないだろうか。
「静かな湖畔」これなら曲も短いし、同じメロディの繰り返しだからいいかも。
歌い方を教えられるわけでもないのに歌ってもらっていいのだろうか。
でも、これは「声レク」であって「歌レク」ではないのだから大丈夫!
そう、自分に言い聞かせました。
「気持ちよく大きな声を出せる方法」
「喉を傷めずに大きな声を出す方法」だけ伝えようと決めました。
シンプルに「声を出す」ことに焦点を置きました。
レク当日はまずみんなで音楽室に移動しました。
いつもは広く感じる音楽室ですが20人以上が入ると狭いのです。
想定外の事態に一瞬頭が真っ白になりました。
そんな私をよそに、みなさん壁に沿ってまるく並んでくださいました。
皆さんのこのアクション、とてもありがたかったです。
気を取り直して声レクスタート。
レクの目的とゴールを伝えて声の出し方を伝えます。
「まずおなかを膨らませるように息を吸って、
声を出すときにおなかをへこませるのではなく上から押さえるように、
へこませないように…」
「膨らんだ風船を上から押さえるようなイメージで…」と伝えました。
「難しいなぁ」という声もありつつ、皆さんチャレンジしてくださいました。
少しだけ発声練習をした後、秋にちなんで「紅葉」をみんなで合唱しました。
季節感のある曲をみんなで歌いたかったんです。
いきなり輪唱で一人で歌うのは抵抗があるかもしれない、まずはみんなでと。
「あと5分なので輪唱の練習を」と、サポートスタッフさんから声がかかり
びっくりしました。
予定では10分くらい残っている計画でした。
まず歌詞と音のおさらいで一度聞いてもらってから、歌いだしの位置を説明して
いきなり輪唱をやってみました。
皆さんがリアルに輪になっているので文字通りの輪唱になりました。
リズムを取るための手拍子が早くなってしまったり、
音やリズムをつかみづらい人がいたり。
もっと丁寧に練習したいけれど、もうタイムアウトです。
十分な時間を残せなかったのは私です。もう、どうしようもありません。
発表の際の並び方や途中から入る人の出だしのタイミングの伝え方を決めなければと焦っている私に、
「順番は決めずに並んで、
自分が歌い出したら次の人の肩を叩いて伝えたらいいんじゃない?」と
声レクメンバーさんが提案してくださいました。
心強いチームワークのおかげで、発表の段取りが決まりました。
参加者からすれば、いきなり「『静かな湖畔』を輪唱します」と言われて、
練習もほとんどしないまま、みんなの前で歌うことになるわけですよね。
アウトラインだけ考えて細かいところはあたふたする私に代わって
参加者さんが咄嗟の判断で柔軟に対応してくださり、ご提案いただき
感謝の気持ちでいっぱいです。
今回、レクを担当するという機会をいただけたことは、計画の段階から
ワクワクする楽しい時間でした。
同時にいい勉強と刺激をいただく機会にもなりました。
企画を初めて聞く人の視点に立つこと、
自分が得意なことをする時は、それが苦手な人の立場に立ちにくいこと。
今回は「静かな湖畔」の輪唱を発表するというゴールがあったのだから、
それだけを丁寧にすれば、もっと余裕を持って取り組めたはず。
音程のこととかリズムとか、不安だけど、
時間がないから聞けなかった人がいたと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
だって、せっかく発表するのだから自信をもってやりたいですもんね。
発表では、ろくに練習もできなかったのに、会場からの手拍子に乗って
22名が堂々と輪唱しました。
指示も時間配分もめちゃくちゃだったのにみんなすごい。ありがとうございます!
嬉しさと感謝と安堵感で呆然と聞き惚れていました。
当日の私はほんまに頼りなかったけれど、
声レクの企画自体は「ちょっとおもろかったんちゃう」と
小さくもガッツポーズです。
また、やりたい!ぜひレク企画にトライしたいです。
編集後記
こんなことやってみたらどうかな、そのスタート地点からのわくわくは
とても楽しいもの。
とまらないうれしさや高揚する気持ちって、もうそこからレクなんですよね。
いざとなるとうんうんと頭をひねる、現場での想定外、
レクにはいろんなドラマがありますね。
しかもチームワークが生まれて、
自然にどうにかしようという力がフツフツと生まれます。
たくさんの気付きや、もっとこうしたい、こうすればよかったという思いは、
反省のように見えて実はプラスをイメージするパワーです。
楽しみたい、その気持ちから生まれる力。
レクはその渦中だけでなくその前後にも力がありますね。
誰かの隣で、大きな声で、輪になって、横一列で、みんなで歌う、
書いているだけでワクワクしてきました。
また、いつか、皆さんのもとで声レクを。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2024年1月19日
☆どうもありがとうございました。