メルマガ色鉛筆第325号「英検への道」

タイトル 英検への道
ペンネーム 青空色の日記帳(50代 男性 弱視)
 「英検の障害者配慮受験制度を知る」
 若い頃より英検1級へのあこがれがありましたが、
視力の問題で受験は諦めていました。 
そんな折、ライトハウスの職員さんより
「視覚障害者はマークシートが免除され文字記入式になります。
さらに通常の1.5倍の試験時間が与えられるのですよ」
という情報を得ました。
もしかしたら可能性があるかもと思い、英検1級の問題を解いてみたところ、
なんと 正解率が30%。 単語問題は1問も分からないというありさまでした。
とりあえずは数年間単語をひたすら覚え、別団体主催の単語検定1級を取ったのち英検1級を受験すると、正解率が63%ぐらいになりました。
50歳からの挑戦でした。
2回目の受験では 68%、 3回目の受験では 66%と
合格ラインの約70%まであと数点というところまでいきました。
しかし3回目の受験の頃には
単語の積み木がグラグラと壊れ始めた状態に戻ってしまいました。
 「マイクロ色鉛筆との出会い」
 ちょうどそのころ、京視協より配られていたマイクロ色鉛筆の中に、
なんと「毎日、少しずつ単語を覚え、今は1万語を超えました。」
という自分の言葉が採用されていたのを見つけました。
本当に驚きました。
そして身が引き締まりました。
このまま単語を忘れてしまってはいけない、
読者のみなさんに嘘をついてはいけないと思い、英検の勉強はひとまず中断し、
半年間必死になって単語暗記に専念しました。
そして再度単語検定を受けました。
このときの踏ん張りがなかったら、英検からは脱落していました。
マイクロ色鉛筆のカード、1枚の小さな紙が僕を救ってくれたのです。
 「それから数年後」
 その後の数年間、英検1級は67点あたりをうろうろしていたのですが、
2023年の6月、信じられないことに1次試験の合格通知が届きました。
それからの4ヶ月間は、ずっとスピーチ練習をしていました。
そして11月、ありがたいことに英検1級の合格証を受け取ることができました。初受験から9年かかりました。
あまりの嬉しさに何度も何度も頬をつねりました。
ここで英語小論文を書く際にひとつだけ大切なアドバイスがあります。
筆記体で英文を書くと、「iの点」「tの横線」を
眼を酷使して書かねばなりません。 
しかしブロック体で書くと、この、「iの点」や「tの横線」は
手の感覚だけで書くことができます。
これで眼の疲労を軽減できるでしょう。
 この10年間で単語集は1000周以上反復暗記をしたかもしれません。
そして眼への負担を減らすため、毎日1度だけ新しい記事に目を通し、
その後は同じ記事を100回以上CDで繰り返して聞き込みました。
それでも心が折れなかったのは、いつも心優しいひとたちに囲まれていたからです。各福祉団体の職員さんやお仲間、医療関係のみなさま、
家族もみんな優しかったです。 
こころから感謝しています。
ありがとうございました。
編集後記
 
 2024年あけましておめでとうございます。
新年最初のレポートを、色鉛筆から生まれたご縁とともに
お届けすることができました。
 一つ一つ、停滞しても一つ一つ、
するといつの間にか前に進んでいる自分がいます。
心折れそうな時、どこかで誰かが自分を見ていてくれて、
そのご縁が何かを語りだす。
青空色さんにとってはマイクロ色鉛筆の小さなカード、その1枚だったようです。
マイクロ色鉛筆とは、小さな名刺カードサイズのカードに、
見えない見えにくい人のあれこれを記したカードです。
どこかで誰かに支えられたとき、声かけをもらった時などに
「ありがとうカード」として活用してもらえるよう配布してきたものです。
このマイクロ色鉛筆、さまざまな場面で活用されました。
このアイデアを真似たいと連絡をいただいた方もあります。
今回のレポートにふれ、編集チームはまた大きな力をいただきました。
この小さなカードが持つ力の意味を知りました。
そして、このカードを大切に思ってくださるハートに勇気をいただきました。
いただいた勇気で、そのおかげで、
またいつか新しいマイクロ色鉛筆を作りたい、
「一つ一つのその先を描きたい」、
そんな新たな勇気が生まれそうです。
熱い思いを持って2024年のスタートです。
今年もメルマガ色鉛筆をどうかよろしくお願いします。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2024年1月5日
☆どうもありがとうございました。


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