メルマガ色鉛筆第321号「僕らの主張シリーズ2」

タイトル 僕らの主張シリーズ2
色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
今回は社会福祉士を目指す20代の学生さんに率直な思いを語っていただきました。
僕らの主張シリーズ2は、
自分を見つめながら、自分の強味って何だろうと問いかけながらのレポートです。
タイトル 私とおしゃべり 福祉への道
ペンネーム コスモス(20代 女性 全盲)
皆さんこんにちは、コスモスです。
私は、大学3回生で社会福祉学を専攻しています。
社会福祉士の資格取得を目指していて、現在実習に励んでいます。
3回生なので、そろそろ卒業論文や就職活動に向けた準備に取り掛からなくてはなりません。
そんな今、自分を見つめる時間が大切になります。
今思うこと、インタビュー形式でお話しします。
 社会福祉士を目指したきっかけは?
私は高校時代にたまたま社会福祉士の方と出会いました。
その方から仕事内容についてお話を伺う機会がありました。
これまで支援を受けてきた私にとって、福祉の支援者はとても身近な存在でした。
なのに、私は支援者側の世界を全く知らないのだということに、その方とのお話を通して気づきました。
そして、自身の生活の支えとなっている社会福祉について学びたいと考えるようになりました。それが今の自分につながっています。
 今実習の中で難しいと感じていること、これはできると感じたことは何?
 利用者さんと私が関係を築いていく上で、
職員さんを介してではなく私から利用者さんに直接挨拶やお声掛けをすることで、
より早くお互いを知ることに繋がるのではないかと感じています。
しかし、視覚障害があるために、利用者さんが声や音を発していらっしゃらない限り、自分から利用者さんのもとへ向かい、挨拶やお声掛けができないという点が難しいと感じています。
また、利用者さんへの直接の介助には携わることができないため、
自身がどのような場面で役割を持ち、活躍することができるのだろうかと考えていました。
そんな中、実習中にレクリエーション活動を企画し、企画したプログラムの進行を担
ったことがありました。私はピアノを趣味としているので、企画ではピアノでどのよ
うな曲を演奏するのか、プログラムの進行の中で利用者さんにどのように参加してい
ただくのか考えました。レクリエーション中、自身が弾いている曲に合わせて体を動
かすなどしながら楽しんでくださっている利用者さんを見て、自身が得意とすること
を活かすことができた嬉しさを感じると同時に、実践の面において劣る部分はあっても、企画・立案の面については自身でも活躍できるのではないかと考え、自信に繋がりました。
 あなたにとって福祉とは何?
 私にとって福祉とは、自身が果たすことができるであろう役割に気付くきっかけを与えてくれる存在です。
今でも、社会福祉士を目指し始めたときの気持ちを持ち続けています。
それが大学での学業に励む原動力になっています。
 趣味や特技を教えてください。
 私は小さいころからピアノを習っていました。
初めは練習曲ばかりで、ピアノを弾く楽しさをあまり感じませんでしたが、自身が弾きたい曲を思うように演奏できるぐらいまでになりました。
今ではピアノを楽しく弾いています。
また、中学時代は地元の中学校の吹奏楽部に所属し、ホルンを担当していました。
ホルンのやわらかくて明るい音色が好きで、演奏しなくなった今もホルンが活躍する曲をよく聞いています。
いつかマイホルンを持って演奏することが今の私の夢かな。
もしかしたら、好きなことから夢も生まれていくのかな。
 同じ世代 見えない 見えにくい 先天 中途 いろんな仲間 その中で思うことを教えてください。
 人それぞれ置かれている状況は異なります。
人それぞれの状況は異なるけれど誰にとっても共通していることがあるとしたら、
生きがいがなければ生きる気力を失ってしまうという点ではないでしょうか。
まず、自身が打ち込めることや好きなことを見つけることで、
自身の強みに気付くことに繋がるのではないでしょうか。
今は実習奮闘中、いろんな場面で自分にできること、強みは何か、困ることも含めて自分を見つめる毎日です。
ーー
コスモスさんへ情熱お姉さんよりエールコメントが届きました。
ペンネーム どんな色が好き?
 私は見えにくい子どもたちの支援の仕事をして30年になります。
気持ちは若いので、お姉さんで大丈夫です。
コスモスさん、社会福祉士を目指して頑張っておられるのですね。すごいです!
実習の利用者さんとのエピソード、場面が目に浮かぶようです。
見えにくい中で、利用者さんに声を掛けるのは難しいし勇気もいりますよね。
でも挨拶は元気に大きい声で言ってみましょう。
誰か返事を返してくれるかもしれません。
「どなたかいらっしゃいますか?」
職員さんの声掛けと同じ言葉を言ってみるのもよいかもしれません。
誰か声を返してくれたら、ここからがキャッチボールの始まりです。
「ありがとうございます。私はお顔が見えないので、
お名前を教えていただいてもいいでしょうか?声で覚えますね」
「○○です」
「○○さんですね。いいお名前ですね。声を覚えました。
今度は○○さんの方から声を掛けてくださると嬉しいです!」
こんな感じでしょうか。
 また、得意なピアノを活かしたレクリエーションもされたのですね。
皆さん、楽しんでくださったようでよかったです。
このような場で、自己紹介ができるといいですね。
自分が視覚障害があること、夢を持って大学に通っていること、
近くにおられる方のお顔も見えないので声を掛けてもらうと分かりやすいことなどが
アピールできるとよいかもしれません。
おそらく施設の利用者さんの方が年上なので、失礼にはあたらないと思いますよ。
難しいし、勇気もいると思います。
でもせっかくの機会なのでチャレンジできるといいですね!
また、ご報告お知らせくださいね。
編集後記
 今がんばっていること、夢があること、その夢を応援する人、
どちらもあったかいレポートでした。
ちょっとお姉さんにアドバイスがもらえたり、相談できる同世代の仲間がいたり、
そんなことが明日へつながっていくのかもしれません。
声を出すこと、語ること、とってもとっても勇気がいるけれど、
もしかしたら、それが何かの扉へつながるかもしれません。
色鉛筆はそんなとってもとっても勇気のいることを応援していきたいです。
 そして、うれしいお知らせです。
今年5月に発行しましたメルマガ色鉛筆から生まれた2冊目の本
『「見えない地球の暮らし方2』の音声デイジー図書が完成しました。
サピエ図書館にあります。
ロバの会の方が製作して下さいました。
どうもありがとうございました。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2023年11月24日
☆どうもありがとうございました。


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