メルマガ色鉛筆第319号「僕らの主張シリーズ1」

タイトル 僕らの主張シリーズ1
色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
今回は、10代、20代の皆さんに、
率直な思いを語っていただく「僕らの主張シリーズ」を企画しました。
とにかくやってみる、挑戦してみたい、やってみなきゃわからない、
そんな思いの中、アルバイトに挑戦したお二人のレポートをお届けします。
タイトル 行きたいところ
ペンネーム スカイブルー(10代 女性 弱視)
 私には夢があります。
それは日本全ての遊園地を巡ることです。
夢を叶えるには、人、時間、お金が必要です。
時間とお金は自分一人の努力次第でどうとでもなります。
私は誰かと遊園地に行きたいというわけではありません。
ただ一人では行きたくても行けないのです。
お買い物なら店員さんに頼めば手伝ってくれるお店がほとんど。
でも遊園地は従業員に手伝ってもらえるのでしょうか?
たくさん人がいる中で乗りたいアトラクションまで連れて行ってもらい、
アトラクションによっては階段があるため一緒に並んでもらい、
乗るのをサポートしてもらい、降りてからまた別のところへ。
それはいくら従業員の多い遊園地であっても難しいと思います。
もし、遊園地専用のアプリがあってそのアプリが誘導してくれても思わぬハプニ
ングには対応できないでしょう。
だから誰かと行くしかないのです。
 そんな私にぴったりな福祉サービスがあると聞きました。
それは「同行援護」というサービスです。
一度しか使ったことのない私は知りませんでしたが、全国の事業所で契約ができ

いっしょに遊園地に行けるとのこと。サービスをうまく使えば人の問題も解決し
ます。
しかし、初めて合う人と何時間も共に並び楽しく過ごせるのかとても不安です。
乗り物に乗れるだけでなく遊園地が好きという同行援護の方に巡り合えたら嬉し
いです。ただし、同行援護は無料ではありません。やはり、お金とそして時間が
必要です。
 私の夢は叶えることができる。それと同時にやはり努力が必要だとわかりまし
た。
 努力が必要と言ってはいますが、視覚障害者のお仕事は限られたものです。
努力だけで絶対叶うこともありません。
それでもやってみるということは大切です。
この秋私は初めてバイトをしました。
イルミネーションの飾りつけのバイトです。
短期ではあったもののバイトをしたことによって自信がつきました。
自分にできることできないことを伝える大切さを知りました。
支えてくれる仲間とともに、やり終えた達成感はいいものです。
努力ですべて叶うわけではないけど、
できることを見つければ、働けるということがわかりました。
バイト、楽しかったです。
夢への大きな第一歩になりました。
ーー
 努力すること、それは楽しいこと、可能性をひろげること、
心に描いていたものを体験できた素敵なエピソードでした。
 できること、できないことを伝えることが大事、これってよく周りから言われ
るけれど、
それを実際に痛感するのって、なかなかできないものです。
なぜなら、学校や福祉の中では寄り添いがありますから。
 見える人の中に混じって働き「痛感」できたことがいつか力になるかもしれま
せん。
これからの「楽しい努力」の時間が光の粒に見守られているといいなあ。
お二人目は、あきらめかけたけれどやっぱりあきらめられない、だからがんばる

そんなもがきの中で生まれたエピソードです。
タイトル 不安、でもやらなきゃ後悔するから
ペンネーム ぷりん(20代 女性 弱視)
 私は、大学に通いたいです。
そのために飲食店でバイトをしています。
バイトはランチタイムに入っていて、いつも忙しいです。
私の担当はサラダの盛り込みや、料理にソースをかけるなどです。
サラダにドレッシングをかけたり、
メニューによってレモンやタルタルソースの用意もします。
テイクアウトの注文が入ると、お弁当の容器にサラダをセットします。
手が空いたら、食器の片づけをしています。
 大体の作業は問題なくこなせますが、
店内が混みあってくると伝票の確認に時間がかかってしまいます。
この時に一番自分が視覚障害であるということを感じます。
バイトは楽しいけれど、目が見えていたらもっと完璧に仕事ができたのかなあと
思います。
そうは言っても、目が見えるようにはならないので最善を尽くして頑張っていま
す。
 来年からは、科目履修生として大学に通い、栄養学を学ぶ予定です。
私が栄養士を目指したきっかけは、
人の健康を食事面でサポートしたいという思いがあったからです。
でも、大学在学中に病気になり、実習に参加することができませんでした。
元気になった今、もう一度大学で勉強をしたいと考えています。
私は病気になり短期間で10kg以上痩せてしまいました。
この時、口からごはんを食べることの大切さを実感しました。
入院中は、点滴や経管栄養で栄養を摂取していました。
それでもなかなか良くならず、そうした状態が1ヶ月続きました。
少し元気になってからは、ミキサー食やきざみ食を食べました。
常食にもどってからの食事は、今までよりも美味しく感じました。
ごはんが食べられることがとても嬉しかったです。
患者によって食べやすいように食事を工夫して提供してくれる栄養士さんって、
すごいなと思いました。
 入院中に視力が低下したため、大学に通いたいとか、栄養士の資格を取りたい
とか、
そういうことはあきらめるしかないと思っていました。
でも、やりたいことができるのは今だけだって大人に言われて、
今動かないと一生後悔するかもしれないって思いました。
なので、大学の先生や福祉の人にも相談したりしています。
実験や実習など周りと同じように授業についていけるのか不安だけど、
がんばりたいです。
今、やらなきゃ、後悔するから。
ーー
 自分がやりたいことがあって、その道をまっすぐに歩いていた、
けれど、途中で難しい状況になってしまった。
その難しい状況の中でさらに描いた夢への思いは強くなっていった。
どれだけ自分が考えていたことが人が生きる上で大切なことなのか、
病床の内で痛感したこと、命の意味を知るからこそ生まれた思いだったのでしょ
う。
学びたいという思いを大切に、一歩一歩なんですね。
見えるようにはならないから最善を尽くす、とてもとても力強い言葉だと感じま
した。
 お二人のレポートはいずれも「痛感」から生まれた力強いエピソードでした。
「僕らの主張」シリーズ2でも若い世代の思いをお届けします。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2023年11月10日
☆どうもありがとうございました。


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