メルマガ色鉛筆第13号(色々なボランティア活動に参加して)

タイトル 「色々なボランティア活動に参加して」
ペンネーム 青空色の日記帳(40代 男性 弱視)
レポートの要旨です。
 はじめまして、青空色の日記帳です。
僕は今、各種ボランティア活動に参加させていただき、青空に包まれた穏やかな毎日を過ごしています。
ボランティアをする中で感じたこと、気付いたことをレポートします。
ここから本文です。
 僕は今、いろいろなボランティアに参加しています。
活動を通して出会う人からいつも元気をもらっています。
 僕は見えにくさはあったものの、学校も普通科に通っていたので、努力をすることで色々な問題をカバーしてきました。
例えば試験では、眼を休める時間を稼ぐために、普通の人よりも文章を速く読む練習をしました。
そんな僕も、視力に問題を抱えながら就職活動をした時には、努力では越えられない壁を感じました。
集団面接で、面接官から自分だけが話しかけてもらえないなんていう事もあり、悲しくなることもありました。
しかし、京都ライトハウス生活訓練部の鳥居寮や、京都府視覚障害者協会の活動で同じような経験をされたお仲間や先輩に出会い、多くの勇気をもらいました。
例えば、人生で初めて白杖を持ち、歩行訓練をされた方のお話です。
ライトハウスから数十メートル先のコンビニまでの訓練で、その道のりを行き来することが出来るようになったことを、話して下さいました。
その方の喜びの涙は、とても感動的なものでした。
僕も小さな幸せにしっかり感動し、感謝できる人になりたいと思うようになりました。
 現在僕は、鳥居寮のパソコン訓練で、アシスタントボランティアをさせていただいています。
訓練生さんがインターネットを閲覧しながら、そこに載っている自分の趣味や得意分野の事を活き活きと話して下さることがあります。
そんな時、僕はいつも大きな元気を訓練生さんから与えて頂いています。
また、メールをマスターされると、お仲間との交流を拡げていかれることが多いです。
そんなふうに皆さんがメールを活用して、訓練終了後も仲良く交流を継続されるだろうと思うと、うれしい気持ちになります。
「僕以上に苦労されてきた方々が、もっともっと明るい未来を迎えられたら素晴らしい」って心から思います。
夢は若者の特権、なんて言っていた時代はとうに過ぎ去り、今は高齢者も、元気に活躍する時代になりました。
ゴールボールというかなり激しいスポーツでも、60代70代の先輩さん達が笑顔で飛び回っておられているのを見ると、つくづくそう感じます。
20代の方も80代の方も、訓練修了後の人生が、豊かなものであっていただきたいと願っています。
 そんなボランティア活動も2年が過ぎようとしたとき、神様が面白い課題を与えて下さいました。
高校2年生になる甥が、英語検定の3級の筆記試験に受からない状態で、僕の家に連れられて来ました。
そこで僕は毎日、自宅のパソコンでプリントを作りながら、彼に少しずつ教えることになりました。
僕はそんな英検対策の中で、鳥居寮の職員さん達の「忘れたら、何回でも繰り返せばいいのですよ」という教え方を参考にしました。
それが大きな力になり、わずか8か月後には、英検準2級の合格証が送られてきました。
視覚に障害があっても、パソコンの画面を黒板代わりに利用すれば、数名程度の生徒さんを自宅に招いて、色々な教室が開けるかもしれません。
 また、数年前より町屋カフェ「さわさわ」でボランティアをしています。
今は利用者として週数回、午前中にお手伝いをしています。
僕はここでも心暖かな方々に囲まれています。
例えば、帰り際には、毎回真心を込めて挨拶を交わします。
そんな日は一日、うれしい気分になります。
もう少し時間に余裕が出来たら、午後まで働けるようになりたいです。
 今から50年前、僕は未熟児で生まれました。
「生きてくれているだけでいい」と両親や祖父母は僕を温かく育ててくれました。
僕が白杖安全デーのお手伝いをさせて頂いた時、こっそり父がその活動に参加していました。
父親は、「こんな立派なことをやっていたんやな」と褒めてくれました。
母親も白杖安全デー関連の新聞記事を読み、とても喜んでくれました。
僕は、よく周りの方から「おだやかな正確だね」と言われます。
この性格の御蔭で、僕は僕らしくボランティアに参加できています。
そんなふうに育ててくれた両親に、ボランティア活動を通して、僕は小さな親孝行ができているのかもしれません。
これらのボランティア活動以外にも、色々な会の役員に入れて頂いています。
それは、とても幸せなことだと感じています。
これからもたくさんの仲間との出会いの中で、苦労話や失敗談を一緒に笑いながら、自分なりのペースでがんばっていきたいです。
編集後記
 ボランティアを通して、自分の心が晴れやかになる。
そんな毎日を重ねる中で、自分が必要とされる場所を見出していける、まさに青空色を感じる毎日なのですね。
きっと、その爽やかな感動は、小さな言葉のやりとりの中にも生きていて、
日記帳の一コマに書き留られていくことでしょう。
ご両親から頂いた大切な命を、自分がきちんと尊ぶことができるってことは、当たり前のようで実は難しいことです。
青空色の日記帳さんがおだやかに毎日を感謝の思いで生きる姿を、誰よりも支えて見守っておられるご両親。
そんなご家族の姿は、青空の下吹く5月の風のように、さわやかでやわらかいことでしょう。
ーー このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会 
発行日: 2014年5月9日
☆どうもありがとうございました。


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