メルマガ色鉛筆第139号「5歳おめでとう、0歳の私より」
タイトル 「5歳おめでとう、0歳の私より」
ペンネーム 色鉛筆で描いた天使 (0歳? 女性 弱視)
レポートの要旨です。
メルマガ色鉛筆にお手紙になったレポートをもらいました。
色鉛筆愛読者の皆さまへ。
色鉛筆編集チームさまへ。
かつて独りで泣いていた私のように、今もどこかで苦しんでいる誰かさんへ。
そして、「天使の杖でおいでやす」という新しいことが始まっているようです。
ここから本文です。
メルマガ色鉛筆、5周年おめでとうございます。
読者になってから早2年余、今ではときどき届くのが当たり前の友達みたいな感覚です。
そんな色鉛筆にも、続くことが当たり前ではなかったであろう“はじまりのとき”があり、
そこに書く人、読む人、つなぐ人のさまざまな想いを載せて5年間、
歩んでこられたのだろうなあと改めて感じます。
私も今、未来に続く道のスタートラインに立っているのかな・・。
京都に来るまで私は、闇に向かう階段を一歩ずつ下りながら、恐怖に震え、
生きることを諦めかけていました。
視覚障害者の世界を知ろうとも、知りたいとも思えずに、
いつ、どうすれば誰にも迷惑をかけずに・・・ 答えのない問いを自らに問うては独り泣いていました。
何年も、何十年も・・。
今もその苦しみの中にいるかたが大勢いらっしゃると思います。
私にとって視覚障害者の世界への扉を開く鍵となったのは、京都に来て手渡された1本の白杖でした。
白杖を手に歩き始めた私は気づいたのです。
視覚障害者の世界への重い扉・・それは入口ではなく出口につながっていたのだと。
闇に閉ざされていた私は、たくさんの人の優しさと仲間の笑顔に出逢い、
また明るい気持ちで街を、そして人生を歩くことができるようになりました。
そんな言い尽くせぬ感謝を綴ったのが、昨秋のオンキヨー世界点字作文コンクールで受賞させていただいた作文「天使の杖とともに」です。
多くのかたに再びともしていただいた命の灯は、支えられて生きる私だからこそ、
私自身も誰かの支えになりたいという想いを生みました。
そして、そんな想いに重なるように、友人が声をかけてくれたのでした。
「見えなくてもわかりやすいおでかけガイドを作らへん?」と。
それが今年の9月、インターネットに誕生した
「京都視覚障害者おでかけ支援NAVI 天使の杖でおいでやす」です。
このサイトの中には、視覚障害の仲間の綴るおでかけレポート集があります。
京都はまるで宝石箱。いたるところにちりばめられた世界遺産や国宝、重要文化財・・
重厚な歴史と美しい自然の融合を、
見えないとは思えない鮮明なレポートにしてご案内します・・・ といいたいところですが、
実際には手探り・杖探り、レポートしようにもいまいちよくわからなかったということもあります。
けれども、そこには見える人にはない感じ方や発見、感じることへの喜びがあります。
仲間の綴るレポート集は言葉の宝石箱です。
レポートがひとつ増えるたび、キラリ!
そこにたどり着いた仲間と想いを分かち合える場所が京都にひとつずつ増えていき、
京都はみんなの手で、輝きに満ちた愛しい場所になっていくことでしょう。
誰かの支えになりたいと願う私はとても小さくて、小さな一歩ずつしか進んでいけません。
誰かに支えられることのほうがずっと多い道のりになると思います。
でも、それでいいと今は思えます。
支えられることを情けなく思うのでも、支えになりたいと肩肘張るのでもなく、
支え合って進んでいくでこぼこ道がなんだか楽しい・・。
かつて独りで泣いていた私のように、今もどこかで苦しんでいる誰かさんへ。
あなたの手を無理に引くことができないのはわかっています。受け止めるのはとても時間の要ること・・。
でも、あなたにも届きますように。
天岩戸(あまのいわと)のこちら側、なんだかちょっと楽しい世界。
重い扉の向こう側、覗いてみたくなったら大成功。
「声の道案内」もお付けしますので、どうぞ遊びに来てくださいね。
色鉛筆愛読者の皆さまへ。
私も愛読者の一人として、同じ想いを共有し、出逢う前から見えないつながりを持たせていただいていることに、不思議さと深い感謝を感じています。
まだ0歳の小さな「天使の杖でおいでやす」も、よかったらこれから応援してください。
そして、色鉛筆編集チームさまへ。
5歳になった色鉛筆、カラフルになりましたね。
今後も様々な声を届けていただけることを楽しみにしています。
色鉛筆で感じた優しい色・鮮やかな色・深い色・・
色とりどりの想いを心に歩きだした小さな天使、少しでも誰かの笑顔が生まれるようにがんばります。
2018.11
色鉛筆5周年の歩みに感謝を込めて
編集チームより編集後記に代えて
色鉛筆で描いた天使さんに、いつものように原稿をおねがいしたら、
5周年のお祝いのお手紙になったレポートをもらいました。
ちゃんと覚えていてくれたんだ。5周年の話題が前号から続きますが、
こうして発行させてもらいました。
そして、「天使の杖でおいでやす」、当事者の声の輝きを大切にすることを絆に、
色鉛筆にかわいい妹ができたと思ってもよいでしょうか。
「京都視覚障害者おでかけ支援NAVI 天使の杖でおいでやす」
天使の杖 おいでやす で検索して開いてみてください。
第15回オンキヨー世界点字作文コンクール受賞作「天使の杖とともに」
オンキョー 作文 天使の杖とともに で検索して開いてみてください。
ーー このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2018年11月30日
☆どうもありがとうございました。