メルマガ色鉛筆第128号「ひとひら」リレーエッセイ2

タイトル 「ひとひら」リレーエッセイ2
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
 125号につづき、しりとりスタイルのタイトルでリレーエッセイをお届けし
ます。
暮らしの中の体験ひとひら、記憶ひとひらをつなぎます。
「競馬」、「バンク」のバトンを受けて、「車」、「祭」というタイトルでのエッセイです。
タイトル 「車」
ペンネーム 黄色い手帳(50代 女性 全盲)
 夜の高速道路をスピードを上げて走る。
道路を照らすオレンジ色の光が、連なって目に飛び込んでくる。
大ボリュームでかけた音楽とネオンの光が作る刺激的な夜景。
脳が揺さぶられたせいか、テンションMAXでまたアクセルを踏む。
 視力のせいで運転免許が取れなかった私は、こんな夢をよく見る。
自分で車の運転をしてみたかった。
 特に子どもたちが幼かった頃は、子ども2人を荷台と補助イスに乗せてママチャリをこいでいた。
幼児用の自転車に乗る長女を見守りながら出かけた。
車に乗れたらもっとスマートに育児ができただろう。
幼稚園の送迎の時に車で乗りつけ、短いスカートをはいてさっそうと現れるGALママがうらやましかった。
 しかし、雨の中、カッパを着せた子どもと手をつないで相合傘で歩いたこと。
夏の暑い日、途中にあるコンビニで買ったジュースを飲みながら帰ったこと。
今、そんな小さな出来事が私と子どもたちをつなぐ絆になっている。
 そうはいっても車は便利だ。
たくさん荷物を積んでキャンプに行けた。
ミニバスケットやサッカーの試合では、よその子も乗せてにぎやかな小旅行ができた。
 4代目になった今の我が家の車は、訓練施設への私の送迎車である。
息子が運転してくれた3か月間は、デート気分で楽しかったなあ。
 私が運転する夢の続きは、決まって警察車両に止められ、無免許運転で捕まることになる。
今、話題の自動運転も、開発が進めば私でも運転できるのだろうか。
これもまた夢のような話である。
覚めないでほしいものだ。
タイトル 「祭」
ペンネーム ファイアーマン(60代 男性 弱視)
 私は、語尾に「祭」がつくイベントが大好きだ。
ライトハウスまつりしかり、寮祭しかり、福祉祭しかり、お宮さんの例大祭しかり。
上記の祭では、涙腺がもろくなっているせいか、涙があふれ出る。
 これらの祭は、すべてボランティアで成り立っている。
ボランティア活動は、人を大きく大きく成長させる要素がある。
 お宮さんに奉納する山車(だし)は、地元集落の宝物でもある。
参加者の協力が不可欠だ。
 ボランティアは、参加するたびに人を大きく大きくする。
ボランティアは、心の修業の場だと思う。
私は、参加の目的をそう位置づけてきた。
いつもそうだった。
またボランティアに参加したい。
 人生、死ぬまで勉強である。
きっと、目の悪い私でもできるところがあるはずだ。
きっと、できることがあるだろう。
そのためには健康でなければならない。
そのためには健康でありたい。
--
 バンクからバトンを引き継いだ黄色い手帳さん、アクセル全開の滑り出しから
おだやかな記憶と今、未来へと広がっていきました。
車から祭へ、ファイアーマンさんは大きく大きく今の思いを語られました。
 いつも、きっと、この願いの先につながる世界とは・・・。
それぞれの人生のひとひら、ほんのりと思いをつなぎながら次回のリレーエッセイへとつづきます。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2018年8月3日
☆どうもありがとうございました。


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