メルマガ色鉛筆第80号「はくたんとお出かけ」
タイトル 「はくたんとお出かけ」
メルマガ色鉛筆編集チーム
メルマガ色鉛筆編集チームです。
以前、本メルマガに登場した白杖の天使 はくたんというキャラクターが、スト
ラップになりました。
見えない、見えにくい仲間のバックや白杖にぶらさがりながら、白杖とともにあ
ちこちお出かけしています。
すでに読者の皆さんの中にも、はくたんとお出かけの日々をお過ごしの方もおら
れることでしょう。
はくたんストラップってどんなもの
はくたんストラップと一緒にお出かけされている方のエピソード
どこで買えるの?
など、今回ははくたんストラップ丸ごとレポをお届けします。
以下、はくたんストラップ制作委員会よりストラップの説明文です。
皆さんは、視覚に障害のある方が使用している白い杖の事をご存知ですか?
あの白い杖は「白杖(はくじょう)」と言います。
目の代わりに障害物などを探し当てたりする以外にも、目が不自由な事を周りに
知らせる役目も果たします。
また、全く目が見えない全盲の人の他に「ロービジョン」や「弱視」と言われる
「
見えにくい人」も白杖を使用します。
そう言った正しい知識や白杖への理解を深める為に、視覚に障害を持つ当事者が
デザインをした
「白杖の天使はくたん」というキャラクターが誕生しました。
そして、「はくたん」のメッセージが沢山の人達に届きますようにとの願いを込
めて
「はくたんストラップ」を製作しチャリティー販売をしています。
売り上げの一部は、視覚障害者を支援する団体や施設などに寄付され、多くの視
覚障害者の為に役立てます。
「はくたんストラップ」はカバンなどに気軽に付けられるように、金具を付け、
カラフルなストラップ部分は、視覚障害当事者の手によって、1つ1つ手作業で
作られており、
メッセージプレートには、可愛らしい「はくたん」の絵柄と共に、皆さんへのメ
ッセージが刻まれています。
「はくたんストラップ」を身につけて頂く事で、
「視覚障害者」や「白杖」への理解がより一層深まれば幸いです。
以上が説明文です
はくたんストラップってどんなもの?
はくたんのイラストとメッセージが入った四角い白いプレート
小さな鈴、
手作りで編み上げられたストラップがセットされ、
バックなどの持ち物に装着しやすいように引き和タイプの金具がついています。
ストラップ部分は、カラフルで、
2色使いで編み上げられています。
人気の色は完売し、随時新色が登場しています。
プレート表面のメッセージは
「危険な時は教えてください」
裏面のメッセージは2パターンあります。
「白杖=全盲とは限りません」
と
「見守り、声かけ ありがとう」
ここからは、はくたんストラップエピソードです。
実際にはくたんとお出かけされている方の声をお届けします。
★バックに合う色にしようか、それとも目立つ色にしようか、迷いに迷って僕は
濃いピンクのストラップを選びました。
白杖を持って1か月、まだ見える部分と見えないしんどさがありますが、最近明
るくなったと言われています。
★ときどき杖を突いて歩く練習をしていますが、私が目が不自由なことは周囲に
はほとんどわかりません。
なのでアピールのために、ポシェットかどこかにストラップを付けようと画策し
ています(笑)。
(車いすユーザー 全盲)
★白杖訓練を始めたばかりの私、
早速ストラップのはくたんと訓練に今日行きました。
バックの小さな味方に大きな勇気と元気のパワーをもらい、不安な気持ちが軽く
なった感じです。
★ホントに思いはみんな同じなんですね。
白杖を使うことも、障害者の集まりに参加するということも、
最初の一歩にはすごく勇気が要る…
でもふみだしてしまえば、たくさんのまわりの方のやさしさに出会えて、
今までよりずっと生きるのが楽になる。
白杖を持つまでは、私はしばしば挙動不審な動きをしていたと思います。
知らない人に体当たりしてしまうたび、気持ち悪いと想われていただろうし、
出歩くのがつらかったです。
白杖を持ったことで、ちゃんと自分は目がわるいと周囲につたえることができ、
りかいしてもらえるようになりました。
今では、この白杖をとおして、たくさんのやさしさにであえることにかんしゃし
ています。
天使の杖と呼んでいたので、白杖の天使はくたんストラップは、まさに私のおま
もりみたいなかんじです。
★早速妹に送ったところ、「これで白杖が使える」と喜んでました。
全盲ではない妹は、今まではなかなか使えなかったんだそうです。
私も白杖ユーザーですがすっかり私の一部みたいになってます。
★私のストラップを友人に見せたら、今度の集まりに持ってきてほしいと22個
注文がありました。
盲導犬ユーザーの会のレクレーションに持参します。
★はくたん、欲しいんだけどなかなか実物を見に行く機会がなくて。通販しよう
かな、と考えていたところです。マイクロ色鉛筆のサンキューカードもとてもい
いアイデアですよね!
関西熱いですね。
★組みひもの色をかえれば、いろんな気分になれますね。
また、素敵な色の組み合わせができたら買ってしまいそうです。
私もはくたんに囲まれるかも。
★私はリュックにつけています。
これのおかげで後ろから声かけして頂けるようになり、すごく助かっています。
電車や駅など混雑した場所でサポートの声掛けを頂いて、手引きしてもらったり
しています。
★私はショルダーバックにつけているので、横から視線を感じることが増えまし
た。
点字ブロックをたどりながら、慣れた通勤経路を歩いていると、
少し離れた位置から、私を見守りながら歩いて下さる方もいます。
白杖とメッセージプレートの両方に気付いて頂けたのかもしれませんね。
★混雑した地下鉄の車内で高校生の男の子が空いている席を教えてくれました。
一緒にいたお友達が、その男の子に
「お前やさしいやんけ」と少し冷やかすように話しかけると
「危険な時は教えてくださいって書いてあるんやから、当たり前やんけ」とテレ
た口調で言い返していました。
いろんなことがテレくさい年頃なのに、勇気のある声かけをくれた男の子、ほん
まカッコイイです!
はくたんとお出かけすることで、実際に声をかけてもらえたり、黙って見守りの
視線をもらえたりすることもあれば、
特に何も変化がないってこともあると思います。
他人に対して無関心な時代と言われますが、
そうでもないことを感じられたり、
声をかけてもらえたら助かりますという声を自分から発信することが、
周りに無関心な社会へのアプローチそのものになるのかもしれません。
そして、何より自分の心に勇気をもたらすきっかけとしてこのストラップを手に
されている方もおられるようですね。
皆さんの一歩一歩に安全を祈ります。
はくたんストラップの取り扱い先は以下の通りです。
はくたんストラップ制作委員会
ツイッターアカウント hakutan_strap
日本点字図書館
TEL 03-3209-0751
京都ライトハウス
TEL 075-462-4400
町家カフェさわさわ
TEL 075-744-1417
編集後記
「私にとっては当たり前のこと」が、周囲の他の人たちにはそうではなく、
「よくわからないこと」だったりします。
はくたんストラップが、「危険な時は教えてください」などと周囲の人達に伝え
てくれているのは、
そういうところのように思いました。
じょうずに伝えてくれるはくたん、やるなぁ、頼もしい、ありがとう。
制作、配布にたずさわるみなさん、ありがとうございます。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2016年10月28日
☆どうもありがとうございました。