メルマガ色鉛筆59号「こんな○○があったらいいな」
タイトル こんな○○があったらいいな
ペンネーム マリンブルー&水中花(60代 女性 光覚)
レポートの要旨です。
今回は、こんな○○があったらいいなという希望的観点から書いてみました。
見えない私が日頃感じていることを皆様と共有できればと思います。
ここから本文です。
あったらいいな!視覚障害者専用の病院
ちょうど1年前、腰部の手術で入院したときのこと。
視覚に障害を持っていると、病院では自由に行動できない。
3日間ほどは寝たきり状態だったので、まだ不自由は感じなかった。
しかし、リハビリが始まると、
動かないといけないのに自分で行動するのが大変になる。
洗面、トイレ、シャワーと、戸惑いながらの毎日。
忙しいことが有名な病院で、看護師さんもかなりバタバタ。
視覚に障害があるということで、親切に対応はしていただいた。
しかし、限度はある。
私1人についていただくわけにはいかない。
だからといって、勝手に出歩き他の患者さんにぶつかるわけにはいかない。
皆さん、腰の手術をしているのだから…。
この病院が決して悪いわけではないが、
1か月の入院生活でもう二度と入院はこりごりと感じた。
それまでも何度か入院しているが、
やはり勝手に動けないのがとても不自由で、悲しい。
病院では見えない自分は好きに動いてはいけない、そのことを思い知らされた。
視覚障害者専用の病院があれば、精神的にもう少し楽に治療に専念できたと思う。
これではおちおち病気もできない(笑)。
もっとあったらいいのに!障害者専用のスポーツセンター
京都市には障害者スポーツセンターがあるが、我が家から通うのは1日がかりだ。
一般のスポーツセンターはあちらこちらにあるが、当然利用しにくい。
視覚障害者は一人歩き{散歩}がなかなかできないため、
私の周りにも運動不足に陥っている友達がたくさんいる。
ウオーキングマシンをたくさん備えて、指導員もたくさんいる、
そんなスポーツセンターがほしい。
それも、各地域に一つあればと思う。
そして、予約制にすればそんなに混雑しないだろう。
プールがあればよけいにうれしい。
コース取りがもう少し狭くてもよいから、1人ずつで泳げるコースがよい。
それだと泳力が違ってもぶつかる心配はない。
これも予約制だと安全に楽しめると思う。
ほんまにほしい!障害者専用のスーパー
私は白杖を使い、慣れたところには単独で出かけている。
出かけた帰りに、ちょっとしたものがほしいときがある。
例えば、肉類がわからない。
牛、豚、鶏はパックに入っていて、
弱視の人でもわからない。
顔を近づけて見るのも他の人に嫌がられる。
店員さんに頼めばすむことだが、少しのものなら自分で対処したい。
すべての商品に点字シールが付いていたら、
自分であれこれ品定めだってできる。
1人でも気楽に買い物ができる、そんな障害者専用のスーパーがあったらなと思う。
あったら幸せ!白杖を持っている人を見かけたら誰もが声かけ
人から聞いた話だが、
ヨーロッパでは、白杖を持って家を出たときから誰かれとなくサポートの声がかかるそうだ。
そして、行き帰りの目的地まで送ってもらうなんてこともしばしばだという。
ある空港では、視覚障害者の付き添いが少し席を外しただけで、
いったい誰が障害者を1人置き去りにしてるのか!と叱責されたそうだ。
京都では、京都府視覚障害者協会の熱心な運動のおかげで声をかけていただくことも多い。
しかし、人口の多い他の地域では、
白杖を持っていても平気でぶつかってくるという話を耳にする。
日本もヨーロッパを見習ってみてはどうだろう。
「白杖を見たら声かけよう」の精神が社会全体の共通認識になればと思う。
もちろん、視覚障害だけでなく、
障害者全体に対しての心厚い手助けについてテレビ、ラジオ、新聞等でもっと呼びかけてほしい。
そして、誰もが安心して歩けるような愛にあふれた世の中であってほしい。
以上、私の勝手な願い事です。
日頃「ちょっと不便かも」と感じるたびに頭に浮かぶ「あったらいいな」について書かせていただきました。
いつか近い将来、このような日が来ればいいなぁと思います。
編集後記
あったらいいな、ほんの少し○○だったらいいな・・・なんてことを感じることはよくありますよね。
現実的にどうかではなくて、
素直に思うことを声にして伝えることで共感したり、ときには元気が出たりすることもあります。
子供の頃に見た未来の世界が今少しずつ現実になりつつあるように、
思いを言葉にしてそれをつないでいくことで新たなアイデアが生まれたり、さらなる広がりができたりします。
大人の私が描いた未来が次世代の当たり前になることもあるのでは・・・?!
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2016年1月22日
☆どうもありがとうございました。