[地域団体より報告] 「ふれあいのつどい~福知山~」を終えて

福知山市視覚障害者協会
 去る2月6日、市民交流プラザふくちやまで「ふれあいのつどい~福知山~」を開催しました。日頃、見えない・見えにくいなど、目のことで悩んでおられる方やそのご家族を対象に、一人で悩まず、まずはご相談の機会にしていただくこと、また、会員にも眼科医療での最新の情報を提供いただくことを大きな目的として企画しました。個人情報保護の観点から、障害者手帳保持者230余名の方には、日程と内容を記した当会からの案内状とロービジョンネットワーク「さくら」のリーフレットを、市役所から送付していただきました。
 当日の参加者は70名。地元はもとより、綾部、舞鶴、京丹後、兵庫県丹波市からも遠路ご参加いただき、また、福知山市内に住んでおられる方で本会会員以外では14名の参加がありました。
 第1部は、稲葉眼科クリニック院長 稲葉純子(いなば じゅんこ)先生に、「目の病気と見えにくい時の工夫、ロービジョンケア、最新のお役立ち情報」と題してご講演をいただきました。眼科医会の統計による病名別患者数に変動があり、1位は緑内障、2位は網膜色素変性症が順位を上げ、糖尿病網膜症が3位に後退したとのことでした。
 高齢社会の現実として、予防の可能性の多少がこの変化に起因する気がしました。十数年前、病院での苛酷な宣告を受けた患者は、福祉に届くまで悶々とした、筆舌に尽くせぬ闇の時間を体験したものでした。近年、医療と福祉の谷間は、病院内でのロービジョンケアが可能になったこと、更に、眼科医、視能訓練士、各相談機関がネットワーク化されたことで、かなり埋まってきていると感じます。しかし今も、福祉は決して向こうからは来てくれません。当事者、またご家族の「相談してみよう」との勇気の1歩が福祉の扉を開け、援助につながることを、一人でも多くの方に感じていただきたいと心底願いました。
 第2部は、市役所障害者福祉課職員が今年度から取り組んでいる「あいサポート運動」の紹介とサポーター養成講座を行いました。鳥取県で始められたこの運動が、福知山市でも「手話言語及び障害のある人の多様なコミュニケーション促進条例」の施行と前後して市民に啓発されていくことを大変頼もしく思います。条例だけでは理解が困難なあらゆる障害者の特性を、より多くの方に知っていただき、少しのお手助けで社会参加の促進、ひいては就労の可能性を広げるところまで引き出せることをご理解いただきたいと願いながら受講しました。
 「独りぼっちの視覚障害者をなくそう」、京都府視覚障害者協会の大黒柱であるスローガンにも、また今、私たちが熱い希望と情熱で準備を進めている北部の拠点づくりにおいても、この2つの講演がご本人やご家族にとって分かりやすく、丁寧な相談の窓口役をも担ってくれた気がします。案内状を片手に勇気をふるってご参加くださり、早速、涙ながらにご相談されていた数名の方々のお心に、少しでも拠り所となる安心が持ち帰っていただけていますことを祈っております。
 時間を惜しまずご相談に応じていただきました稲葉先生、市役所担当職員、堤(つつみ)相談員に、厚く感謝申し上げます。
 北部拠点開所まであと1年。重い気持ちと足を一歩先に出してもらうための後押しと、話しやすい相談窓口を目指し、一人ひとりを大切に仲間の輪にいざなえるよう、気持ちを新たにしつつ会を終えました。

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当日の様子。稲葉先生の講演です。

多くの方が参加されました。


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