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活動紹介

メルマガ色鉛筆第29号(「ダンスと私」)

タイトル ダンスと私
ペンネーム ベリーブルー(20代 男性 全盲)
 レポートの要旨です。
 色鉛筆読者の皆様、こんにちは。
ベリーブルーです。
お久しぶりです。
今回は、私の趣味の一つである「ダンス」についてお話します。
 そもそも私はダンスを見たことがないんです。
例えば、エグザイルの歌は聴いたら分かるんですが、
踊りは私の中で「踊り」という単語でしかありませんでした。
そんな私が「やってみないか」と声をかけられて、ダンスを始めました。
 周りの人が10分ぐらいで習得できるものを、
1時間かけてもできない時はやはり悔しい気持ちになります。
それでも続けられるのは…。
 ここから本文です。
 私は「ポッピン」というジャンルのダンスを楽しんでいます。
実はやっている本人も言葉でうまく説明できないのですが(笑い)、
ロボットダンスというとイメージしやすいかもしれません。
ロボットダンスですから、カクカクとしたシャープな動きはあります。
私はダンスをすること自体が初めてなので、
他のダンスと比べてロボットダンスの特徴についてお伝えすることができません。
 私はこれまでロボットダンスをしている視覚障害者に出会ったことがありません。
私自身、ダンスというものに出会うこともなかったんです。
ダパンプとか、エグザイルとか、安室奈美恵とか、歌って踊れる歌手がいます。
歌は聴いたら分かるんですが、
踊りは私の中で「踊り」という単語でしかありませんでした。
 「ダンスをやってみないか」という先輩からのひょんな一言がきっかけで、
私はロボットダンスと出会いました。
そのころの私は大失恋の真っただ中(笑い)で、かなりネガティブになっていました。
前向きになるために、気分転換に体でも動かそうかなという感じでダンスをやってみることにしました。
 そんな軽い気持ちで始めたのですが、ついに、とうとう、発表会に出ることになりました。
もしかしたらこの記事が掲載されるころには終わっているかもしれませんが、
今は発表会の練習でばたばたしております。
 レッスンは健常者と同じ場所、同じ時間でやっています。
周りの人たちは中学生や高校生で、鏡を見ながらレッスンをしています。
一方、私は先生から言葉で動きを説明してもらったり、
体を触らせてもらったりして動きを覚えています。
簡単なものであればすぐに覚えられますが、
複雑になると一つの動きだけで1時間30分のレッスンが終わることもあります。
 今までに苦労したダンスはウェーブといって、体で波を表現する動きでしょうか。
ステップなんかも足の角度が微妙だったりするので、
なかなか練習が前に進まない時もあります。
ようやく一つの動きが完成しても、
全部を通してみると体が動かなくなることもあります。
周りの人が10分ぐらいで習得できるものを、
1時間かけてもできない時はやはり悔しい気持ちになります。
そんな時は後に引きずらないよう思いっきりへこんで、次のレッスンを迎えます。
それでも続けられるのは、
できないことが少しずつできるようになった時の達成感や充実感があるからです。
その満たされた思いは、言葉にできないくらい大きいです。
 また、レッスンに来ている子供たちの私に対する接し方が少しずつ変わっていくのを見守るのも楽しみの一つです。
ダンススクールの子供たちのほとんどが、視覚障害者に出会うのは初めてです。
最初はどのように接してよいのかお互いに分からず、
ぎくしゃくすることも多かったです。
今では手引きをしてくれたり、ダンスのふりを子供たちが教えてくれることもあります。
 社交ダンス、フォークダンスを楽しんでおられる視覚障害者の方は多くおられます。
インターネットで視覚障害者のダンスのことを検索しても、
やはり前述のようなジャンルのものが目立ちます。
そういった意味では、視覚障害者がロボットダンスをするのはこれからの分野なのかもしれません。
だから、教え方も教えられ方もまさに手探り状態です。
 楽器を演奏したり、歌ったり、音楽の趣味は私自身も今までやってきました。
見えない私が健常者と踊ることなんて全く考えてもいませんでした。
ダンスとの出会いは、視覚障害者の新たな可能性を私に教えてくれています。
見えなくても踊れるということと、
私の中でダンスという概念が少しイメージできるようになったことは大きいです。
私は、ジャンルに関係なくダンスは視覚障害者にとって楽しめるものだと信じています。
 私のダンスの先生は、私のことを視覚障害者としてあまり意識していないようです。
私というダンスを楽しんでいる人間がいる、
その私はたまたま目が見えないだけっていう感覚みたいです。
 私は、これからも積極的にダンスのレッスンを続けていきたいと思います。
クラブで踊りまくる視覚障害者を夢見ながら。
 ここからはちょこっと情報コーナーです。
 ロボットダンス(ROBOT DANCE)とは、
パントマイムやマイケル・ジャクソンのダンスでも有名な、
ポッピング・アニメーションダンスで専門的に扱われているダンススタイルです。
ロボットがギーッ・ガシャッと動くような動きを、
筋肉を緊張させたり弛緩させたりすることで表現するダンスです。
映画「ロボコップ(Robocop)」のロボコップや旧式のロボットのようにぎこちない動きをする伝統的なロボットダンスから、
最新式のホンダのアシモ(Asimo)やヒューマノイドのようにより人間の動きに近い滑らかな動作をするものまで、
様々なスタイルがあります。
ロボットダンスの練習曲に特におすすめの電子音楽CD
クラフトワーク:KRAFTWERK
発売元:EMIミュージック・ジャパン
編集後記
 ダンスは見たことがない…となると、
ベリーブルーさんにとってそれは単なる言葉、平面的な情報だったのかもしれません。
でも、とりあえずやってみたというスタートラインからダンスを体感し、
自分の中で立体的なイメージへとつなげていく中で、
ダンスを楽しむ世界が広がったのですね。
クラブで格好よく踊りたいという夢、
自分にもできるかもしれないという思い、
ロボットダンスが視覚障害者の新たなダンスジャンルになるといいですね。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
助成協力: 京都オムロン地域協力基金
発行日:  2014年11月21日
☆どうもありがとうございました。

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