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活動紹介

メルマガ増刊第4号(初春に心豊かなひと時を!)

タイトル 「初春に心豊かなひと時を!」
ペンネーム ブルーサファイア(50代 女性 視野障害弱視)
レポートの要旨です。
 サファイアの深い美しい青色のように凛とした女性でありたいと願うブルーサファイアです。
1月のとある日曜日、私が所属している日本網膜色素変性症協会(JRPS)京都支部の新年交流会が開催されました。
人気のレストランでのフランス料理とフルートのミニコンサートの新年会。
新しい出会いと笑顔に満ちた交流会の様子と私の行事に対する想いをレポートします。
ここから本文です。
 会場のお店は「フレンチキュイジーヌ ティアレ」。麩屋町通押小路上ルにあるレストランです。
当日の参加者は25名と1頭(盲導犬)と満員御礼です。
京都府内はもちろん、大阪からも参加してくださいました。
京都市役所前駅から皆で北へ向かって歩きます。
盲導犬の○○○君はこれから何があるのかわかっているかのようにご主人をぐいぐい引っ張って歩いています。
 お店に着いて、コートを預け、テーブルセッティングされた食器に気をつけながら着席します。
お店の方がテーブルごとに食器の場所を説明してくださいます。
大きなお皿が目の前に、右手にナイフ、フォーク、そしてお箸と手で確認していきます。
乾杯の後、いよいよフレンチのフルコースの始まりです。
オードブルはスプーンですくっていただける「ニューカレドニアの天使のエビ」を使ったフランです。
濃厚なエビの風味に思わず「美味しい!」と声が出ます。
こだわりのかわいい器に入ったスープは牛蒡の香りが口の中にふわっと拡がります。
お魚は皮目がパリッとしていてベルガモットのソースとベストマッチです。
美味しいソースはパンにつけていただきました。
ナイフとフォークの種類が代わって今度はお肉です。
牛のブリスケという部位を煮込んであって、お箸で切れるくらい柔らかかったです。
目の不自由な私たちがお箸やスプーンで食べやすいお料理を選んでくださったシェフのお心遣いが伝わってきます。
そして、いつも気忙しい生活をしている私はお店の方にお料理をひとつひとつ説明していただき、とても優雅な気分になりました。
 食事の合間に皆さんに自己紹介をしていただきます。
毎年新年交流会に来てくださる方、初めて来てくださった方、皆さん同じ病気と闘う仲間です。
病気のこと、仕事のことなど話がはずみます。
 お待ちかねのデザートは3種類の盛り合わせと女性にはうれしいことこの上ありません。
デザートタイムからはこの日のもうひとつのお楽しみ、「ナラノフエ」のミニコンサートです。
この日はご夫婦で来てくださいました。
奥様は鮮やかな水色のドレスで登場です。
音楽の楽しさを広めようと奈良県内や京都でボランティア活動をされています。
普通のフルートを奥様が、バスフルートをご主人が演奏されました。
バスフルートは普通のフルートよりかなり大きくて、低い音が出ます。
なかなかお目にかかれない珍しい楽器です。
「なごり雪」「きらきら星変奏曲」「花」「世界にひとつだけの花」などクラシックからポップスまでお店の中にフルートの調べが響きます。
演奏と一緒に歌ったり、手拍子したりと私たちのためだけの贅沢なコンサートを思う存分楽しみました。
 約3時間、私たちは本当に心豊かになる時間を過ごさせていただきました。
参加された方から「目が悪くなって長らくフランス料理を食べることがなかったが、今日は貸切りなので周りに気兼ねしないで済む。ナイフとフォークを使うことに挑戦してみようという気持ちになった。」
「お料理がおいしいのはもちろんだがお店が目の不自由な私たちにいろいろな配慮をしてくださったことが嬉しかった。」
「フルートの音色が心地よく、懐かしい歌で感動した。」
「(ご夫婦で参加されて)家族ぐるみで交流できるのも良かった。」などたくさんのお声をいただきました。
今回飲食店での交流会に初めて盲導犬を連れた方が参加してくださいました。
盲導犬に対してご理解のあるお店だったおかげであたらしい出会いをさせていただきました。
帰り道で冷たいものが時々顔にあたる寒い一日でしたが、私たちは美味しいお料理と素敵な音楽を楽しみ、仲間に元気をもらえた心温まる一日でした。
 私は今回企画ということで関わらせていただきましたが、10月のお店探しから当日まで大変楽しく準備を進めさせていただきました。
私たちに理解を示してくださり、ご協力くださった「ティアレ」と「ナラノフエ」のみなさんに感謝します。
 日本網膜色素変性症協会(JRPS)に限らず、私は行事を企画する時いつも思うことがあります。
それは「この小さな出会いが私たちに前向きに生きるきっかけと元気を与えてくれますように。」ということです。
以前の私は家事以外することも無く、毎日ぼーっと過ごしていました。
 一人でウジウジして時々被害妄想に陥りながら、家族に八つ当たりしていた自分から抜け出せたのはある行事での出会いがあったからです。
同じ病気と闘っている仲間から私はたくさんのことを教えてもらいました。
病気や治療法に関する情報、目が不自由でも楽しめることなど。
これらは私の不安を和らげ、前向きに生きる力となってくれました。
そして何より、仲間とつながりお話しすることで元気をもらうことができました。
私はこれからも楽しい行事を企画して同じ悩みを持つ仲間をお誘いします。
「一緒に元気になりましょう。」と。
※日本網膜色素変性症協会の活動につきましては、以下のページからご覧ください。
http://jrps.org
編集後記
 見えない・見えにくい人生が自分に与えられたとしたら、
すぐに前向きに行動することは容易ではないでしょう。
そんな「どうしたらいいのかわからない」時間の中では
同じような立場の仲間と交流してみることすら、とても勇気のいることかもしれません。
おそらくはじめの一歩には少しエネルギーが必要でしょう。
でも、 ある一つの出会いから、自分の中に何かが生まれて、
いつしか仲間との温かなひとときを、心から楽しむことができる自分と出会えたなら、
そこには笑顔の花が咲くことでしょう。
そして、見えない・見えにくい・・・だからこそ、
仲間と一緒・・・だからこそ、
そんな「だからこその力」が
明日の笑顔を支えるのかもしれません。
ーー このメールの内容は以上です。 
発行: 京都府視覚障害者協会 
発行日:2014年2月14日
☆どうもありがとうございました。

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