メルマガ色鉛筆第280号「歩いてる」

タイトル 「歩いてる」
ペンネーム ムラサキ アベニュー (40代 男性 全盲)
レポートの要旨です。
 京都ライトハウスの生活訓練を受けたことは、今の私に大きな意味のあること
で、歩行訓練もその1つです。
視覚障害者の私が歩くことで、いろいろな経験をします。
住んでいる町の道路事情はあまりよくありませんが、そこで生活しいろんな所に
歩いて行っています。
他人様からみれば何気ないことかもしれませんが、そんな何気ないことをなんだ
かうれしく思うんですよね。
ここから本文です。
 私は、京都ライトハウスの生活訓練の場、鳥居寮に入所して訓練を受けており
ました。
もちろん、歩行訓練もありました。
歩行訓練…、実は嫌でしょうがなかった。
訓練日を迎える度に憂鬱になって、訓練時間が近づくにつれ胃がキリキリしだす
んですね。
そんな嫌々受けていた訓練なんですが、教わったことはちゃんと身についている
、沁みついているんです。
歩いていて不具合を感じると、杖先で探り、確認、判断するということが自然に
できてるんですね。
なので、しょっちゅうつまずいたりはしますが、おかげ様で、これまで事故や大
けがをすることもなく歩くことができています。
その点は、訓練士さんに大変感謝しております。
 京都ライトハウス周辺は、近所に盲学校もあり、千本通や北大路通の歩道が広
くてきれいです。
各施設やバス停に誘導する点字ブロックがきっちりと敷かれています。
横断歩道にはエスコートゾーンと言って誘導ブロックのようにたどって渡れる線
があり、音声信号もめちゃでかい音で鳴き交わしていてよく聞こえます。
なので、京都ライトハウス周辺は比較的、安全で快適に、安心して歩くことがで
きる所です。
 また、地域の方々、大人の方も高齢の方も学生さんも、ときには小学生の子達
も、「何かお手伝いしましょうか」とか、「横断歩道を一緒にわたりましょうか
」とか優しくお声がけいただき手引きをしていただいたことが何回もありました

その助けてあげよう、サポートしてあげようという気持ちがめちゃうれしいんで
すよね。
正直、横断歩道を渡るぐらいできますけどって思いましたが、せっかく親切心で
お声がけいただいたことなので、感謝の気持ちでそのご好意をいただいておりま
した。
 そして、訓練を無事修了し寮を出て、京丹後の我が町に戻ってきました。
近所のスーパーへ買い物や、銀行・役場などへは歩いて出かけております。
それらに出向くには、町を通る国道・府道、私が生活道路としてるところを通っ
ていくわけなんですが、非常に歩きにくいんですね。
 まず、道幅が狭い。
歩道のない白線が引いてあるだけの道が多いです。
歩道があっても人が1人通れるくらいの幅のためすれちがうこともままならない

おまけに路面もガタガタで、酷いとこはちょっとした穴があいたままです。
交差点を知らせる点字ブロックは敷いてあるんですが、もうすっかり劣化してい
て、さらに、陥没していてまったくあてにもなりません。
そんな道路事情、
これでは、白杖を持って歩行する私、私たち視覚障害者はおろか、老人杖や手押
し車を伴って歩いておられるご年配の方々、車椅子で移動をされておられる方々
にとっても安全で快適に歩行することはままならないです。
こういった言い方は的確でなく、町に対して失礼かもしれませんが、歩いていて
不愉快なんです。
 田舎ですから車社会、何となく、町の雰囲気も車両優先といった感じがします

不本意なことですが、不便、不満だらけで、歩行者に優しくないそんな町の環境
にこちらから合わせていくしか仕方がないかなって思います。
だから私は、安全で快適な歩行を可能にするためにガイドヘルパーさんを伴って
の歩行を選択しました。
地図を覚えて、道順を覚えて訓練したら目的地に出向くことは可能かもしれませ
んが、危険と隣り合わせで、神経をすり減らして、過度の疲労を背負ってまで単
独歩行をしたくはありません。
 なんか町に対してマイナスなことばかり申し上げてますが、素晴らしいところ
もたくさんあり好きな町です。
山や海に囲まれ自然豊かで、空気もきれいでカラッとしてて気持ちよくおいしい
んですよね。
晴天の日なんかに海岸沿いを歩きますと、肌に触れる潮風が爽やかで心地いいん
ですよね。
お出会いする地域の方々も、「こんにちは」ってあいさつしてくださる方もおら
れますし、園児や学生さんも元気よくあいさつしてくれる子もいます。
たまに住まいのあたりを一人で歩いてますと、近所の方が、「そこ車止まってん
で」とか、「そこ危ないで」とか教えてくださったり、中には、「あんた、○○
さんとこのやろ、家まで連れて帰ったるわ」って言ってくれて手引きをしてくだ
さった方もおられました。
そんな自然や人のぬくもりをいただきながら、日々過ごしております。
 でもやっぱり、歩いててたまにふと思います。
京都市内、特に京都ライトハウス周辺は歩きやすい環境やったなあ、恵まれた環
境やったなあ。
それに比べて田舎は…とうらやましく懐古することがあります。
まあ都会と比べても仕方がないことは重々わかってはいるんですがね。
 晴眼者時代、歩くことはあたりまえにできることでした。
そこに何の意識もなかったんですが、目を患ってからふと思うのは、訓練をして
サポートも伴いながらちゃんと歩けている。
他人様からみれば何気ないことかもしれませんが、そんな何気ないことをなんだ
かうれしく思うんですよね。
視覚障害者になって、歩くということは一筋縄ではいかないことですが、二足歩
行ができる限り、白杖やガイドヘルパーさんに手伝っていただきながら、空を感
じて、風を感じて、そして、人のぬくもりを感じて、迎えゆく人生とともにこれ
からも歩き続けていきます。
編集後記
 山や海に囲まれ自然豊かで、空気もきれいでカラッとしてて気持ちよくおいし
い ‐‐ 京都の北部、日本海の近くはやっぱり本当にこんな感じなんだなぁ。
視覚障害者が暮らすには、道路や交通事情には問題があるようですが、そうであ
ってもムラサキ アベニューさんは心豊かに暮らしてられる様子です。
そこには、いったいどんな秘密があるのでしょうか。
 想像するに、ムラサキ アベニューさんの町を、地域を大切に思い、思いやる
気持ちが、人々にも伝わっているからかなぁと思いました。
海の幸、山の幸、おいしいものを食べて元気にけがなく歩いてくださいね。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2022年10月21日
☆どうもありがとうございました。


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