メルマガ色鉛筆第152号「ひとひら」リレーエッセイ10

タイトル 「ひとひら」リレーエッセイ10
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは、メルマガ色鉛筆編集チームです。
 今号は、しりとりスタイルのタイトルでリレーエッセイをお届けします。
暮らしの中の体験ひとひら、記憶ひとひらをつなぎます。
 149号の「チョコレート」、「とりあえずやってみる→トモニー」のバトン
を受けて、
「人間万事塞翁が犬」、「ぬくもり~娘からのメッセージ~」というタイトルで
のエッセイです。
タイトル 「人間万事塞翁が犬(にんげん ばんじ さいおうが いぬ)」
ペンネーム ソメイヨシノ(60代 女性 弱視)
 我が家の愛犬、タイソンとの暮らしについて書いてみました。
大げさでふざけたタイトルですが、ラフに読んでいただければ何よりです。
 掃き出し窓から足を投げ出して座り、
ひざの上のぶ厚い座布団に愛犬タイソンを寝そべらせます。
雨や雪が降らない限り、
北風吹き抜ける寒い日でも、そんなふうに座って日向ぼっこをします。
それが、私の最近の日課です。
なぜって、私が1人で散歩に連れていけなくなったから。
 タイソンはブランケットから顔だけ出して、フーフーと大きな鼻息をあげます

きっと、人間の私にはわからないような音やにおいから、世間のいろいろな情報
を得ているのでしょうね。
私はというと、ただ座って、移ろいゆく季節を感じながらぼうっと物思いにふけ
ってます。
 タイソンは9歳のミニチュアダックスで、4本足では歩けないんです。
 昨年の5月、朝起きたら、タイソンはお尻を床に下ろしたまま前足だけで動い
ていました。
急いでかかりつけの獣医さんに診てもらうと、椎間板ヘルニアということでした
が、
あいにく連休で動物用のMRIやCTを撮ってくれる病院が休みでした。
獣医さんにせかされて、仕方なく手術に踏み切りました。
リハビリは現在でも続けています。
 1年近く経った今のタイソンは、
筋肉隆々の上半身とやせ細ってオムツをした下半身というアンバランスな体形で
す。
力強い機関車が後ろの車両を牽引するように、
前足だけで室内を自在に動き回っています。
 地面に下ろしてやってもいいのですが、私1人では後始末がたいへんになるの
で、
夫が車イスに乗せて散歩に行ってくれます。
 窓際にじっと座っていると、あの時こうしていればとか、
選ばなかったあまたの選択肢が、望んでもいないのに勝手に脳裡をよぎっていき
ます。
「たら・れば」を考えるのは所詮むだなこと。
いくら願ったところで、過ぎた時間は戻りはしない。
これからのことを考えたほうが建設的だとはわかっている。
けれど…。
 タイソンは、ブランケットにうずめた顔をなかなか上げられないでいる日もあ
ります。
術後のタイソンをどうやって介護していったらいいのか、途方にくれることもあ
りました。
私が泣いてしまうと、上半身をグッと持ち上げて私の涙をなめようとしてくれま
す。
 人生というのは、何がいいことなのか、悪いことなのか、最後までわからない

幸福や不幸は予想のしようがないということでしょう。
 目が不自由になってからというもの、
いくたびも後ろを振り返りながら、後ずさりで未来に歩を進めているような気が
します。
でも、まあ、未来なんていくら考えたってわからない。
考えたって意味がない。
何が起ころうと、流れに任せてやるしかないと思っています。
人間万事塞翁が犬、フーフーと。
--
 「たら・れば」、そんなこと思ってもどうにもならない。
わかっていても、押し寄せる思いに涙することがあります。
また、言葉なく寄り添うしぐさに心ふるえることがあります。
馬でも犬でも人でも、それを伝える役割を持つことがあります。
 そんなミッションが託されたリレーです。
タイトル 「ぬくもり~娘からのメッセージ~」
ペンネーム もみじ(70代 女性 弱視)
 私は何冊かのデイジーを準備して、切れ目なく読書をしています。
私が今はまっている本は、自分の身に迫っている医学関係の本です。
読み進める中で、私が読むよりも若い人たちに読んでいただきたいと思いました

 ここにいくつかの本を紹介します。
著者名:船瀬俊介
書名:未来を救う「波動医学」
書名:病院で殺される 長生きしたければ、行ってはいけない
著者名:森下敬一
書名:血液をきれいにして病気を防ぐ、治す
書名:自然医学の基礎 永遠なる「健康の原理」
著者名:安保徹
書名:最強の免疫学 病気は自分で治せる!
著者名:福田稔
書名:人間は、治るようにできている
著者名:石原結實
書名:ガンを防ぐ! 再発させない! 食べ物、食べ方
書名:体の中の悪いものを出せば必ず病気は治る、やせられる クスリに頼らな
い完全健康法!
 まだまだあります。
若い人たちに読んでいただき、頭の片隅にでも入れていただけたら、
元気で長生きできるのではないかと思います。
 娘は、ガンになったことはうれしいことではないけれど、
ガンになったから生活を見直すことができたと言っています。
 生きること、そのぬくもりを見つめて。
 2019年 春
--
 命と向き合う今、母としての思いと娘さんの信念が一つになって届きました。
若い人にこそ読んでほしい、この思いを届けたい。
命のぬくもりを尊ぶ今だからこそのメッセージです。
 人生、何が起きるかなんて誰にもわからない。
何か起きるたびに戸惑い困り果てる。
そのたびに立ち止まり、そこに今あるものの意味を問う。
この繰り返しかと推察します。
「たら・れば」と「からこそ」、それぞれの思いが基点となって、まっすぐにミ
ッションは果たされたようです。
 それぞれの人生のひとひら、ほんのりと思いをつなぎながら、
次回のリレーエッセイへと続きます。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2019年4月5日
☆どうもありがとうございました。


現在、シンプルな表示の白黒反転画面になっています。上部の配色変更 ボタンで一般的な表示に切り換えることができます。


サイトポリシー | 個人情報保護方針 | サイトマップ | お問合せ | アクセシビリティ方針 | 管理者ログイン