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第69回 全国盲人福祉大会(青森大会)参加報告記
第69回 全国盲人福祉大会(青森大会)参加報告記
会長 田尻 彰
標記大会は、5月20日から三日間、青森県のリンクステーションホール青森で開かれ、京都からは22名が参加しました。
大会初日は、理事会・評議員会及び三療・スポーツの各協議会の代表者会議等が行われました。二日目の午前中の研修会は、「障害者差別解消法をどう活かすか ~施行後の課題~ 」のテーマで、名古屋市視覚障害者協会の会長で弁護士の田中伸明(たなか のぶあき)氏が講演され、意見交換が行われました。田中氏は講演の中で、具体的な相談事例を引用しながら、視覚障害者にとっての課題やそれを打破していくための方策について、わかりやすく説明されました。一方で、合理的配慮の提供を求めていく中では、それまでできなかったことが配慮によって可能になるため、配慮を受ける側の私たちが社会的責任を果たすことも必要になります。これらのことを理解した上で、本会の様々な活動にこの法律が活かされるように取り組みたいとの思いを新たにしました。
午後には、全国の代表者が三つの分科会(生活・バリアフリー・職業)に分かれて熱心な討議が行われました。
生活分科会では、合理的配慮や障害者福祉制度、同行援護をはじめ、日常生活用具、医療と福祉の連携等について話し合われました。自立支援給付に位置づけられている同行援護については、市町村による格差を是正し、国による基準作りを求める声が相次ぎ、そのためにも、制度の理念を熟知した担当者の市町村窓口への配置を要望する意見が多く出されました。また、通勤通学や自営業者の出張などへの適用拡大を求めていくことが確認されました。
なお、本会からは次の二つの議題を提出し、採択されました。
1.交通機関の利用を前提とする同行援護は、交通機関が発達していない
地域では利用しにくいため、同行援護従業者が運転する車の利用を認
めるよう要望する。
2.視覚障害者のパスポート取得にあたっては、障害により申請に時間が
かかる、また、サインができないと介助者なしでは取得そのものが不可能な場合があるため、視覚障害者のパスポート取得に対する配慮を要望する。
バリアフリー分科会では、安全な移動環境の確保や情報に関するバリアフリーについて話し合われました。点字ブロックや音響信号の設置、交通運賃の割引など、毎年出されている課題が多かった中で、文字処理、特に自筆での書類提出のバリアについての提案が複数出されていたことが目につきました。本会から生活分科会に提出したパスポート取得時のサインも含め、様々な場面での代筆の要望、また、自宅での代読・代筆の制度確立を求める声が相次ぎました。金融庁が金融機関に働きかける中で視覚障害者に対する代読・代筆の規定が整備された経験に学び、各省庁からの積極的な働きかけが望まれます。
職業分科会では、三療家の就労割合の改善に向けて、無資格者取り締まりの強化、機能訓練指導員やヘルスキーパーの雇用拡大などに取り組むことが確認されました。特に、無資格者対策では「免許保有証」の普及などを中心に、無資格者と有資格者との差別化を一層促進し、広範な国民の理解を得て定着させていく方向が確認されました。
また、教える側の課題として、盲学校等の理療科教員の実技教育の質的向上や免許取得者の初任者実技研修の拡充に向けた取り組みの必要性が強調されました。
なお、本会からは次の議題を提出し、採択されました。
民間企業の従業員、公務員、自営業者など、就労の形態に関わりなく、働く全ての視覚障害者がヒューマンアシスタント(職場介助者)を利用できる制度の実現を要望する。
三日目は、多くの来賓を迎え大会式典が開催され、大会議事では運動方針と決議案・大会宣言を提案通り採択して閉会しました。日盲連の竹下会長は、運動方針の中で、「障害者差別解消法と改正障害者雇用促進法の施行を踏まえた取り組み、障害者総合支援法の改正と制度改革に向けた取り組み、あはき問題への対応、大災害における減災と被災者対策、中途視覚障害者に対する支援」等を取り上げ、一つでも多くの課題が解決するように取り組む決意を述べられました。
この大会開催期間中、晴天に恵まれたこと、多くの点訳、音訳、学生ボランティアなどの配置が行き届き、大会運営を盛り上げていただいたことが印象に残りました。
また、大会当日の運営もほぼ予定通りで、京都が主管した7年前のことが思い出されました。
大会終了後は、会議に参加していたメンバーもツアーに加わり、総勢16名で春爛漫の陸奥、十和田湖、奥入瀬渓谷の旅を満喫しました。
今回、遠路ご参加された方々、それを支えていただきましたボランティアの方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
なお、来年の第70回大会は、四国の徳島市で2017年5月26日(金)から28日(日)まで開催される予定です。京都からは比較的近いところでもありますし、多くの方々と共に参加できますことを楽しみに、今大会の報告を終わります。
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