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[報告] 第67回 全国盲人福祉大会参加報告記
副会長 田尻 彰
標記大会は、5月29日から三日間、大分県のホルトホール大分およびレンブラントホテル大分で開かれ、京都からは内野会長をはじめ、33名が参加しました。
大会初日は、理事会・評議員会および三療・スポーツの各協議会の代表者会議が行われました。二日目の午前中には、今年から新たに盛り込まれた企画として「日盲連の将来について考える」意見交換会が催されました。 日盲連竹下会長が、「これまでの伝統を踏まえつつも時代に即した取り組みを行うことの重要性、会員以外の視覚障害者にも還元される活動の充実」などについて提言され、その後、各地から様々な発言がありました。
本会からは、相談や情報入手などのニーズを持つ人たちの支援を行う中から、南部サテライト事業の充実につなげたことを報告しました。また、日盲連が行う省庁等への陳情内容をホームページなどにも掲載し、より多くの視覚障害者が共有することで更に実りある要望活動につなげていくことを提案しました。
午後には、全国の代表者が三つの分科会(生活・バリアフリー・職業)に分かれての熱心な討議が行われました。
生活分科会では、災害支援や障害者福祉制度・同行援護をはじめ、補装具や日常生活用具・年金・手当等の福祉施策について話し合われました。特に、自立支援給付に位置づけられている同行援護については、市町村による格差が大きい中で、国からの指導を強めてほしいとの声が相次ぎました。本会としても各地の事例を参考にしながら、京都府内のどこに住んでいても充実した生活が送れるよう、取り組みを強めていきたいと思います。
バリアフリー分科会では、安全な移動環境の確保や情報に関するバリアフリーについて話し合われました。点字ブロックや音響信号の設置、自転車の交通ルールの明確化とマナー向上など、毎年出されている課題が多かった中で、信号や踏切を全盲の視覚障害者が安全に横断できるような対策の必要性が複数の地域から提案されました。特に、最近各地で進んでいるエスコートゾーンの設置を推進することが大変効果的であるとの発言が多くありました。エスコートゾーンとは、視覚障害者が安全に横断歩道を渡れるように、横断歩道の中央付近に敷設した点字ブロックに似た突起体の列のことです。京都ではまだほとんど設置されていませんが、全国的にも好評を得ているエスコートゾーンについては、生活環境改善部を中心に取り組みを進め、視覚障害者が多く利用する場所から設置が進むよう要望活動を展開していきたいと考えています。
職業分科会では、三療家の就労割合の改善に向けて、無資格者取り締まりの強化、機能訓練指導員やヘルスキーパーの雇用拡大などが確認されました。中でも、無資格者による治療を防止する観点から、携帯免許証の所持を義務化するという提案については、期待が示されていました。また、自営業者への職場介助者配置を求める要望をはじめ、三療業以外の就労課題が広く論議され始めたのも特徴だと言えます。
三日目は、大会式典が開催され、大会議事では運動方針と決議案・大会宣言を提案通り採択して閉会しました。竹下日盲連会長は、運動方針の中で、「障害者権利条約の批准を踏まえた取組の促進、外出時の安全保障、弱視者(ロービジョン)対策」等を取り上げ、一つでも多くの課題が解決するように取組む決意を述べられました。
大会終了後は、会議に参加していたメンバーもツアーに合流し、湯布院で一泊し温泉を堪能しました。夜の宴会ではカラオケで大いに盛り上がり、翌日、下関・門司を観光し帰京しました。参加された皆さん、本当にありがとうございました。
なお、次回、第68回全国盲人福祉大会は、 来年5月29日(金)から31日(日)にかけて岐阜県で開催される予定です。多くの方にご参加いただきたいと思います。
最後に、今回、大分大会に本会から提出した3議案は次の通りです。
1.日常生活用具の給付品目を拡大するとともに、安定して性能が発揮できる商品の供給体制の確立を要望する。
2.中途視覚障害者の日常生活訓練を地域で継続して受けられるよう、各都道府県に歩行訓練士等視覚障害生活訓練等の指導者を必ず配置し、視覚障害者のリハビリテーションを構築することを要望する。
3.インクジェット用はがきをはじめ、郵便局で購入可能なすべての種類のはがきに切り込みを入れ、何時でも購入でき、誰もが気軽に使用できるよう要望する。
※1.・2.は生活分科会に、3.がバリアフリー分科会に付託され、いずれも採択されました。
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