お知らせ
「みんなと大きな声でいっしょに歌えてよかった」
宮津市視覚障害者協会
会長 小濃 祐輔(おのう ゆうすけ)
点字京都を愛読の皆さんこんにちは。この原稿が記事となり皆様に届くのは地蔵盆の頃かと思いますが、今年はどんな夏になるのでしょうか。
1月に新型コロナウイルスのニュースが飛び出してから、半年以上が経ちました。感染防止や予防のために集会や行事が中止となり、行動も制限され、視覚障害者にとってはより精神的にも抑圧された生活が続いております。会員数は少なくても、毎月の例会で仲間の会員と互いの健康を確認し情報を交換する時間は、視覚障害者にとって何にも替えがたく大切な時間であり、また次回の日程はと心待ちにして暮らすことは身体のリハビリだけではなく、心のリハビリとなっていることは間違いありません。
当協会では例会を再開する時は、参加者の元気が出るもの、元気づけることができる内容をと考えていました。
去る7月13日(月)京都府委託事業として、宮津市社協のボランティア担当職員にも協力いただき、素晴らしい取り組みが出来ましたので皆様にお知らせします。
京丹後市の吉岡光義(よしおか みつよし)さんが代表をされている「久美浜ハーモニカブラザーズと仲間」は、丹後地方で活動をされているグループですが、今回初めて交流をお願いすることが出来ました。例会の日に演奏をお願いしたところ快く引き受けてくださりました。視覚障害者を少しでも理解いただくため当日、「会員が作った昼食を一緒に食べていただけますか」とお願いしたところ、「喜んでいただきます」とおっしゃっていただきました。4人の演奏メンバーの方を含め、参加者で食事をしました。
いつもなら「今日の献立は」とか「味付けが良かった」など、楽しい会話をしながらの会食ですが、このごろは残念ながら食事中の会話はタブーですので、なるべく静かに食事をしました。後片付けの後に「美味しかった」などと話しながら、演奏の時間を待ちました。
演奏は定員40名の会議室で行いました。最前列に演者が並び、演者にはコロナ対策として、ハーモニカを口にくわえた上からフェイスシールドをつけてもらい、一般席と2メートルの間隔を取っていただきました。聞く側も1テーブル2名で横2列、縦4列の教室並びです。
選曲は夏を中心とした唱歌でした。演奏が始まり2曲ほどは昔懐かしいハーモニカの音色を聞いていました。その後、みんなが知っている懐かしい曲が流れるとマスクをしながらですが誰もが歌いだし、終わってみれば15曲、全員で大合唱でした。最後に大きな拍手が起こり、それぞれ感動の1時間でした。吉岡代表には「レパートリーは数十曲あるが、リクエストがあれば練習してまた来ます」とおっしゃっていただきましたので、次回のお願いをして終了しました。
その後の例会で、独居で外出の少なかった会員から「よかったわ。声を出すことで気持ちを発散することが出来た」とのお声をいただきました。4月から入会の新規会員さんも参加され同じ病気の仲間との交流を実感していただくことができ、大変実りの多い府委託事業となりました。
次は何をして皆さんを楽しませようかな?と常に考えながらの役員からの報告でした。
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