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活動紹介

メルマガ色鉛筆第362号「万博見聞録」

特別企画 万博レポート第1弾
メルマガ色鉛筆編集チーム
 「こんにちは こんにちは」と歌いだしたくなる万博。
色鉛筆では実際に万博に参加された方のリアルな声をお届けします。
見えない見えにくいならではの情報だけでなく、
その場で感じた思いとともに万博を感じていただけたらと企画しました。
何名かの方の体験をコンパクトにまとめてレポートします。
今回は4月に参加された方のお声です。
万博は課題に対して随時対応するスタイルで、
参加する方の声とともに進化していくそうです。
というわけでレポートの内容は4月時点の情報となります。
タイトル 万博見聞録
 ペンネーム トリカラーベリー(50代 男性 弱視)
 私の実家の古い本棚にはカラーで刷られたパンフレットと古い新聞紙が収めら
れている。
新聞の発行日は昭和45年3月であったと思う。
そう、あの55年前の大阪万博の記録だ。
私の姉は今年55歳を迎えるので、私の両親にとっては、第1子が生まれること
に加えて、
万博が開幕することの二重の喜びの記録であったのだろう。
 そして、55年の年月が刻まれた今日、私は関西大阪万博に行ってきた。
興奮冷め止まない今、体験録として色鉛筆読者の皆様にお届けする。
 私は、パビリオン巡りの他に2つの特別な体験をした。
1つが、Let'sEXPOというご高齢の方や障害者が少しお金をお支払いし

会場内をアテンドしていただく制度だ。
6月から本格始動する。
4月、5月はスタッフの方々のトレーニング期間となっているもので、
そのモニターとしての参加だった。
1つが、AIスーツケースの体験。
AIが搭載されたスーツケース型のものが自動走行する。
このスーツケースのような形状をしたものにつかまり、
指定した場所に連れて行ってもらう体験会だった。
いずれも視覚障害者ならではの体験だった。
Let'sEXPOのスタッフの方々は、開幕間もないこともあり、
不慣れなところもあるのだろうが、
何とか視覚障害者にも会場の雰囲気を楽しんでもらおうと
工夫を凝らしながら行動されていた。
おかげでとても充実した1日となった。
AIスーツケースは、開発途上のものではあるとのことだが、
改良に改良を重ねられたAIスーツケース、さらに進化していく、
その過程を体験できたことがうれしく、満足感を覚えた。
 パビリオン巡りに話を変えよう。
事前予約できるパビリオンは1つではあるが、
予約なしで入ることができるパビリオンはたくさんあった。
人気のあるパビリオンは晴眼者にとっては魅了するものであるのかもしれないけ
ど、
視覚に障害がある私にとっては館内での映像にインスピレーションを感じること

あまりできなかった。
少し来場者が少ないパビリオンで、各国のスタッフから説明を受けた。
直接話せたことで万博を満喫できた。
バルト館でのラトビアの方から聞いた湖上でするアイスホッケーの話、
グアテマラの方から聞いたマヤ文明の話、
イスラエルの方から聞いた祈りの石の話。
すべてが今まで知らなかったことばかり。
新たな知見を得られた。
 一部に於いてネガティブキャンペーンを敷かれてしまった大阪・関西万博では
あるけど、
現地に行って体験してわかったことがある。
万博はネガティブ、そんなことはなかった。
万博は10月まで開催している。
閉幕が近づいた頃にもう一度万博に行きたい。
興奮冷め止まない体験をもう一度したい。
今日よりももう少し時間を掛けて、パビリオンを巡るつもりだ。
今度は妻を連れて行きたい。
そして、もうこの世にいない父と今日のことも分からなくなった母に、伝えたい

「あなたたちの人生においてかけがえのない貴重な体験がこれだったんだ、
本棚にあった百科事典や世界文学集は整理してしまったのに
パンフレットと新聞をどうして55年間保管していたのか、その理由がわかった
よ」と。
★ちょこっと万博体験レポート
「万博ID」の取得について
音声のPCでは難しかったです。
iPhoneなら、面倒ですが、できました。
画面のスクロール(2本指で下スワイプをし続ける)をしないと、
「同意する」の画面が出てきません。
その後、仮ログインをし、正式なログインを12時間以内にしないと最初からの
やり直し。
ログインのための本人確認方法は三つほどありますが、
「メールによるワンタイムパスワード」が、一番ハードルが低いと感じています

ログインのたびにIDとパスワードが必要になるので、自分自身にIDやパスワ
ードを
メールしておき、それをコピーして使います。
iPhoneのローターで編集を出し、「全てを選択」→「コピー」→「ペース
ト」です。
入場について
入場ゲートでチケットのQRコードを出さないといけないのですが、QRコード
を事前にスクリーンショットしておくとスムーズです。
手荷物検査があり、缶・瓶の持ち込みはできません。
ポケットの中のものはカバンに入れるなどしないといけません。
財布・カメラ・スマホ・ペットボトルはゲート前でトレイに入れます。
マイボトルはカバンの中に入れたままでOK。
アプリなど
一緒に行く晴眼者に「EXPO2025 Personal Agent-AI
ナビ」を使用してもらうと、
「目的地まで何分で行ける」など、通常のナビ感覚で利用できます。
これから万博へ行かれる方へ
たくさん歩きます。
12時から20時半まで会場にいると、2万歩を超えました。
寒暖差が大きいです。日の当たるところは熱いですが、日陰は寒く、
海に近いところは冷たい風も吹きますし、夜は寒くなります。
はおれるものがあると安心です。
会場には冷たい飲み物の自動販売機はあるのですが、
暖かいものは見かけませんでした。
会場内はキャッシュレス、私はICOCA(交通系ICカード)を使いました。
事前にチャージをしておきました。
コモンズA~Fは、それぞれ10カ国ほどの国の展示が1カ所で見ることができ
ます。
触れるもの・楽器などもあり、視覚障害者にも楽しめますし、
長蛇の列で順番待ちということもあまりありません。
トイレは、バリアフリーの個室やオールジェンダーの個室があります。
異性の人と行く場合は、そうした個室を使うのも一つの方法です。
私は入り口の点字案内図を頭に入れ、だだっ広いトイレにドキドキしながら一人
で潜入し、無事帰還しました。
編集後記
 トリカラーベリーさんが語られた思い、万博yearは人生の1ページ、
心がじんわり熱くなりました。
 万博開催中、特別企画として万博レポートをお届けします。
視覚障害に関わるテクノロジーがさまざまなサポートとして設置されているよう
です。
見えない見えにくい私たちにやさしい技術や考え方は、みんなにあったかい、
この発想を体験できるチャンスなのかもしれません。
編集チームも万博を探険し「みんなにあったかいってどんなこと」を感じ考えて
いきます。
引き続き、2025年ならではの企画にご一緒ください。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2025年5月2日
☆どうもありがとうございました。

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