活動紹介
メルマガ色鉛筆第353号「立体パズル」
メルマガ色鉛筆読者の皆様
あけましておめでとうございます。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
一つ一つがつながって形になる、そんなコツコツを2025年も重ねていきます
。
どうかよろしくお願いします。
タイトル 立体パズル
ペンネーム:パープルサイダー(40代 女性 全盲)
レポートの要旨です。
私の趣味の一つにパズルがあります。
私の好きなパズルは「クリスタルパズル」や「3Dパズル」と呼ばれるもので、
透明なプラスチックのピースを組み立ててフィギュアを作る立体ジグソーパズル
です。
このパズルの魅力は、それぞれのピースの形の違いを手で触ってイメージできる
こと
です。
平面パズルも触って形は確認できますが、「見て考える」要素が大きいですよね
。
私とパズル、こんなふうにつきあってますというお話、よければどうぞ。
ここから本文です。
私と立体パズルの出会いは、20年ほど前になります。
子どものころから、知恵の輪やからくりが大好きだった私。
よく両親に知恵の輪を買ってもらい、一人で遊んでいました。
何も考えず、無心に一つのことに集中する。自分の世界にどっぷりと浸かれるこ
と。
それが私のストレス発散になっていました。
「ストレス」と言うよりは「現実逃避」でしょうか。
学校の宿題、テスト、習い事の練習などを忘れ、
無心になって知恵の輪などに取り組んでいました。
やらなければならないことを忘れられる、とても不思議な楽しい感覚でした。
あるとき、父がからくりの宝箱を買ってきてくれました。
それは六角形の箱で、からくりを解かないと箱のふたは開きません。
ふたをするときも、からくり通りに手順を踏まないときちんと閉まりません。
初級編、中級編、上級編と3種類売られていたようでしたが、
上級編はものすごく高かったようです。
私の手元にやってきたのは中級編でした。
木でできており、とても立派な箱でした。
うれしくて、うれしくて、さっそくからくりに挑戦すると、
なんとものの30分ほどでからくりを解いてしまいました。
喜んで父にからくりが解けたことを伝えると、
「おい~!めちゃめちゃ高かったのに、もっと時間かけて解いてくれや」
と怒られたものです。
結局、誰もこの箱のからくりが解けなかったので、私は宝箱を愛用していました
。
さて、話を立体パズルに戻しましょう。
そんな知恵の輪やからくりが好きだった私に、あるとき「やすかったから」と
母がリンゴの立体パズルを買ってきてくれました。
出来上がるとかわいらしい赤いリンゴができるとのことです。
立体パズルを手にしたのは、これが初めてでした。
この小さなプラスチックのピースから本当にリンゴができるのか、
どれくらいの大きさのものができるのか。
見通しもつかないまま挑戦しました。
一つ一つのピースの形を触り、
どのピースとどのピースを組み合わせるとカチッときれいに合うのか。
無心に時間を忘れて取り組みました。
平面のパズルとは異なり、上へ上へとドンドン大きくなり、
出来上がりに近づくと形や大きさも手で触ってはっきりわかるようになりました
。
ちょっとずつ形がわかる、これがとっても不思議な感覚でした。
そして何とか出来上がったのは赤いリンゴ。
それはスーパーで売られている小ぶりのリンゴくらいの大きさで、
とってもかわいらしい形でした。
パズルは赤い透明のプラスチックのピースでできており、
完成品は透明感があってきれいだそうです。
恥ずかしながら、それまでは平面のパズルしか目にしたことがなく、
一人でパズルを完成させることができませんでした。
単純ですが、初めて一人でパズルを組み立てられたことに
大いなる喜びと満足感を得たのです。
これが私が立体パズルにほれ込んだきっかけです。
以来、自分でインターネットでパズルを買い、楽しんでいます。
四葉のクローバー、テディベア、太陽、シンデレラの靴、バラの花などなど。
私の部屋には出来上がった立体パズルがいくつもあります。
あくまでも私はパズルを組み立てるのが好きなわけで、
完成品のパズルには興味がなくなります。
これはいささか問題です。
もらい手がいればプレゼントしますが、
そうでなければ、部屋の隅に転がる運命にあります。
気の毒な私のパズルたち、ごめんなさい。
立体パズルを作ることで、初めて形を知ったものがあります。
それは東京スカイツリーです。
形を知らないものを組み立てることは、大変でしたが、
出来上がるとなかなかの大作でした。
そして、東京スカイツリーは建物が三角形であること、展望台が二つあること。
展望台の上には細い棒があることを知りました。
ちなみに、私が作った東京スカイツリーは、やはりすでに私の興味から外れ、
私の部屋のどこかで行方不明中です。
私がパズルをする時は、まず、ジャンルごとにピースを分けます。
本体の底になりそうなもの、付属品ぽいもの、
最後にはめるものなど。
この段階で、ちょっと頭が整理されますね。
その後は、作るものによって手順が異なります。
底の部分から作るのか、上から作るのか、それとも真ん中から作るのか。
パズルは好きですが、得意ではないので時間がかかるのです。
そのため、まとまった時間が取れる時にしか取り組めません。
さらに、パズルが立体なので、せっかく作っても途中でバランスを崩し、
倒れてバラバラになることもあります。
私が手を伸ばす方向を間違ってしまい、完成直前にパズルを倒してしまうことも
あります。
そんな時は、少し心が折れますが、これも立体パズルの醍醐味です。
最後の1ピースをはめ、パズルが崩れないように固定した時、
大きな達成感と満足感があります。
出来上がったフィギュアを上から、下から、横から触って、
手の中で転がして、一人出来上がった喜びをかみしめます。
なんだか孤独な感じもしますが、仕事や日々の出来事を忘れ、
「ただ組み立てる」ことに集中できるのがパズルのいいところです。
集中しないとできない、つまり他のことは考えない、
パズルは気持ちの切り替えに最適です。
そして出来上がったものを触ることで、そのものの形を知り、再認識することが
できます。
触ったことのないもの、触ることができないもの、
触れても大きすぎて形がわからないものもありますよね。
立体パズルを作り、出来上がったものを触ることで新たな発見があります。
日々仕事でたくさんの人と出会い、いろいろなお話を聞き、
頭がいっぱいになります。
そんな時は、パズルと向き合い、無心に一つのことに集中し、達成感を味わいま
す。
私にとっては最高のひと時です。
パズルでリフレッシュ、さて、今度は何を作ろうかな。
編集後記
立体のパズルときいて、実際に挑戦したくなりました。
私もりんごを作ってみたい、そんな気持ちになりました。
見える見えない関係なくできるもの、教えてもらえてうれしかったです。
そんな発見を色鉛筆でまたいつか。
(お知らせ)
1月15日ごろに、
送信エラーが出て返送されているメールアドレスの登録を解除します。
今、問題なく届いているみなさんには影響ありませんが、
もしも今後色鉛筆が急に届かなくなったときは、
お手数をおかけしますが、色鉛筆チームまでご連絡ください。
色鉛筆編集チーム
iroenpitsu-hensyubu★kyosikyo.sakura.ne.jp(メールアドレスは★を半角のアットマークに変更してください)
今年もメルマガ色鉛筆を、どうぞよろしくお願い致します。
-- このメールの内容は以上です。
発行: 京都府視覚障害者協会
発行日: 2025年1月10日
☆どうもありがとうございました。