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活動紹介

メルマガ色鉛筆第341号「30代を迎えて思うこと」

タイトル 30代を迎えて思うこと
ペンネーム イエローマンダリン(30代 女性 全盲)
★レポートの要旨です。
 誕生日は何歳になってもちょっぴり嬉しいですね。
何人もの友達が「誕生日おめでとう」というメールやLINEをくれます。
中にはひさしぶりに連絡をくれる友達もいて、
そこから連絡を取り合うようになり、再会することもあります。
 思えば20代後半は、自分と周囲の友達を比べては悩んでいました。
友達はもう立派に働いているのに、私は目の前の仕事をこなすのでせいいっぱい

相次ぐ同級生からの結婚報告。
「よかったね、おめでとう」という気持ちと同時に、心に浮かぶもの。
それは、少しの焦り。
「私って何してるんだろう…」なんて、ため息も。
でも「私は私!」と30代を迎えて、いい意味で開き直れるようになりました。
だって私には夢があるから…
そんな私の今をお話します。
★ここから本文です。
 悩むこともたくさんあった20代。
でも20代はやりたい勉強をじっくり行うことができました。
大学では幼児教育の勉強をし、保育士の資格を取得しました。
社会人になってからは自分の体調不良がきっかけで、
アロマセラピーについて学びたくなりました。
 サピエ図書館でアロマ関係の本を探して、ひたすら読んで、
アロマオイルの効果・効能を勉強しました。
私は、ささいなことで精神的なストレスを感じやすいのです。
気持ちが不安定だなと感じた時に好きなアロマを天然塩と混ぜて
入浴剤を作ってリフレッシュをしています。
また、オリジナルのアロマスプレーを作って気分を上げることもあります。
アロマを生活に取り入れるようになってからは、必要以上に落ち込んだり
不安になるということが少なくなりました。
 私は「いろいろなことに挑戦していてすごいね」と言われることがあります。
きっとその言葉の裏には「目が見えないのに…」という思いがあるのでしょう。
でも私は常にチャレンジしているという意識はなく、
ただやりたいことを楽しくやっているだけです。
目が見えないからこその大変さもありますが、
それ以上に知識や経験が増えていくことにわくわくしています。
極端なことを言うなら、目が見えなくても車の運転をする以外なら
「大抵のことはどうにかなる!」、私はこのマインドで生きています。
それは、盲学校での経験が大きく影響しています。
私は小学校から高校までを盲学校で過ごしました。
視覚障害者として生きるための基礎を先生方から叩き込まれました。
盲学校には全盲の先生もおられました。
ですから「見えなくても社会に出てやっていけるだろう」という確信を
小さい頃からもつことができたんです。
もちろん目が見えなくて壁に直面することもたくさんありますよ。
でも一つの事実に対してどこに目を向けるかが大切だと思っています。
何もせずあきらめて後悔するのは一番もったいないことです。
目が見えている人と同じようにはできないかもしれない。
でも工夫したらできること、
ほんの少しのサポートがあればできることは意外とたくさんあるものです。
 私は保育士の資格を取得しましたが、
実のところ最初は、大学の先生や実習先の保育園の園長先生からも
保育士になることに反対されていました。
でも、私なりの工夫や必要な場面でのサポートをお願いしながら、
一つずつ挑戦してきました。
例えば、YouTubeの弾き語り動画を聴いて耳コピをしていました。
そうすれば楽譜は読めなくてもピアノを弾くことができるので、
事前に必要な準備はできます。
保育園の子どもたちと歌う時のピアノ伴奏を担当していました。
また、一般の絵本を点訳してもらい、
お昼寝の前やおやつの準備の時間に読み聞かせを行っていました。
このように点訳ボランティアさんのサポートを得られたことで、
「やりたいこと」が「できること」へと進んでいきました。
 今私には夢があります。
自宅の一部をオープンスペースにして、学校に行けない子どもさんや
子育てに悩む親御さんなどの居場所を提供できるような活動をしていきたいです

私はもともと内気な性格で学校のクラスに馴染めずにいました。
教室にいることが辛くて不登校になった時期もありました。
そんな時、学校の保健室の存在に助けられました。
 教室にいることが辛くなったらよく保健室に駆け込みました。
私はこの安全な場所で養護教諭の先生に話を聞いてもらっていました。
保健室には他にも、クラスに居づらい先輩も集まっていました。
時折昔の卒業生が赤ちゃんを連れてくることもありました。
保健室でのいろいろな人との関わりから、
すこしずつ私は自信をつけていきました。
保健室は私にとっての居場所でした。
この経験から、学校や家庭以外にも
「いてもいいんだよ」って言ってもらえる場所が必要だと考えるようになりまし
た。
最近はサードプレイスの重要性が提唱されています。
学校や職場、家庭以外にほっとできる居場所があると心が救われる人は
多いはずです。
今はその夢に向かってお金を貯めるべく仕事を頑張っています。
これからも自分の可能性を信じて、夢に向かって着実に進んでいきたいです。
編集後記
 やりたいことをできることにするために、どうすればいいかな、
この気持ちがすべてのはじまりなんですね。
考えてみて、やってみて、うまくいかなかったら、また考えてみて、
それがとても自然なこととして、自分の中にあったんですね。
そんな自分でいられるのは、周りの先輩の姿だったり、
支えてくれる誰かだったり、安心できる場所があったからなんですね。
イエローマンダリンさんは伝えてくれました。
「だって私には夢があるから」と。
とても力強い、同時に自分で自分の胸を叩くような言葉です。
そして、夢を実現させるためにがんばって働く、この言葉に勇気をいただきまし
た。
「やりたいことをできることにその2」、色鉛筆でまたいつか。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2024年7月5日
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