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活動紹介

メルマガ色鉛筆第338号「生きていると色々とあるんですね」

タイトル 生きていると色々とあるんですね
ペンネーム ネイビーブルー(50代 女性 全盲)
レポートの要旨です。
 視覚障害となり、少しずつ、見えない中で一歩一歩踏み出して。
そして、どうにか仕事にも就いて。
そこにもう一つ、見えない以外の困りごとが起きて。
想定外、なんで、どうしたらいいの、さまざまな思いを持ちながらも、
また一歩一歩の今です。
そんな私のあるがままをお話します。
★ここから本文です。
 私は、30歳代で始まった原因不明のぶどう膜炎で、現在は全盲です。
 結婚10年目に、主婦と事務職での仕事をしていた頃でした。
まず運転が危なくなり、できる仕事を転々としながら、事務職が難しい視力になり、
専業主婦になりました。
その数年後、ようやく手帳を取得しました。
 それから、見えなくても生活できるように家事や、
パソコンの音声操作や、単独歩行ができるように教えてもらいました。
そうやって見えない生活に慣れていきました。
 手帳取得から9年くらい経った頃、地元に障害者に関して
全般に相談できるところができました。
そして、障害者雇用枠での再就職が叶いました。
 仕事はパソコンでの業務で在宅で行っています。
在宅勤務は、当時は今ほどまだメジャーではありませんでした。
現在9年目になります。
 再就職をして6年目に、視覚障害以外の病気が発症しました。
 柔軟剤を使って洗濯をしていたのですが、洗濯場に干しきれずに
リビングにも干していました。
 皆さんは香害という言葉をご存知でしょうか?
これ自体が病気の名前ではありません。
人工的な香りで体調が悪くなる人がいるという意味での香害です。
 私は在宅勤務で更にコロナ禍で休日も家にいる時間が増えていました。
こうした状況もあり、香害で体調が悪くなるという症状になりました。
そこから派生して、化学物質過敏症という病気になってしまいました。
 この病気は症状も反応する物質も人によって違います。
体のあちこちに色んな症状が出る病気です。
 私の場合、一番大変な時には言葉が出てこなくなったり、
息が苦しくなって喘いだりしていました。
これは周囲の人にもわかる症状でした。
柔軟剤を使うのをやめて、症状は少し軽くなりました。
その代わり、見た目では症状がないように見えてしまいます。
 洗剤も歯磨き粉も、普通の物は使えなくなり、
ネットで調べて同じ病気の人が使える物を参考にしながら
自分が大丈夫な物を探す旅が始まりました。
 現段階では治療法はなく、症状が出るものを遠ざけるしかありません。
他の原因としては、シックハウス症候群から発症する方もおられるようです。
これは本当に大変な病気だと感じています。
 発症から約2年、診断を受けてから1年、
この病気との付き合いは浅く、私自身まだまだわかっていないことが多いです。
 視覚障害になって、手帳取得後には、思っていたよりもたくさんの仲間がいるとわかり、
それまでの数年の孤独が解消されました。
化学物質過敏症は病気の性質上、同じ病気の方に会う機会は今のところありません。
ネットでの先輩の皆さんの情報を頼りにしています。
この病気では孤独を感じています。
同じ病気でも反応するものや症状が様々なのでなおさらです。
 私は、この病気の第一人者のお医者様に診てもらう事ができましたが、
ご高齢だったこともあり、既に引退されています。
 長年研究された内容をまとめられた本
『化学物質過敏症対策: 専門医・スタッフからのアドバイス (プロブレムQ&A)』が、
デイジー図書になっています。
 もし同じ病気の方がいらしたら、役に立つかも知れないので、
いくつかの症状改善に繋がることを書きます。
 
 まず症状が出る物は遠ざける事。
全部は難しいのでなるべく減らすこと。
ビタミンCを積極的に摂る事。
自然に触れたり、汗をかいたり、ヨガも有効です。
お酒も少しなら大丈夫。
そばとひじきは避けた方が良いです。
オーガニックの食品なら食べられる人が多いですが、
とりあえず調味料を変更する事をお勧めします。
 近年、柔軟剤で発症する人が増えているそうです。
これ以上、同じ病気で苦しむ人が増えないようにと願っています。
編集後記
 中途失明、そしてご病気と、大きな出来事があり、その中で何度も
打ちひしがれ負けそうになられたんじゃないか。
そう思いながら読み進めたレポートでした。
 ですがネイビーブルーさんの取り組み、再就職を果たし、
ご病気とじょうずにつき合いながらの日々に、
人には信じられないほどの生きる力があるとも思わせてもらえます。
 孤独を感じることもおありのようです。
私自身も感じることはあります。
お互いに、私達にできることは、どんなことがあるのでしょうね。
できることをちょっとずつ、やって行きたいですね。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:  京都府視覚障害者協会
発行日:  2024年5月24日
☆どうもありがとうございました。

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