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活動紹介

メルマガ色鉛筆第291号「私の工夫3 食事編」

タイトル 「私の工夫3 食事編」
メルマガ色鉛筆編集チーム
こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
 見えない見えにくい状態になって、食べることが楽しくない、味がわからない

緊張するなどの声が聞かれます。
一方、見えなくても食いしん坊だよ、食べる意欲は減らないよという声もありま
す。
今回は皆様からいただいたアンケート回答をもとに、
自宅と外食、シーン別の工夫やアイデアを共有します。
まずは自宅での工夫から。
★配膳の工夫は。
定食風にお盆の中に食器をセット。
家族にもお客さんにもお盆を活用。
湯呑みやコップの位置は、10時や2時のクロックポジションを固定。
平らな皿は使わず深い皿を使用。
なるべく器の数を少なくする。
プレート内に食器や箸、コップなど必要なものを全て載せる。
調理台でプレートに載せ、そのプレートを食卓に運ぶ。
コップ、マグカップなどはなるたけテーブルの端を避けて置く。
コップは円柱の形など安定感があるものを使用。
なるほど、見えなくてもわかりやすいものを選ぶ、わかりやすく置くということ
ですね。
★クロックポジションとは、どこに何があるのかを時計の短針にたとえて
ものの位置を伝える手段。
食事を載せるお盆などの大きさ、食器の間隔等を手で触れながら、
時計の文字盤にそって説明をうける。
アツアツの器もあるので、手で触らず位置を頭でイメージしながら説明を受ける
のも良い。
鉄板などもあるので、やけどに注意。
手前が6時、向こう側が12時、右手が3時、左手が9時。
例えば、洋食で一皿に盛り付けてある場合、
丸いお皿の上半分がサラダ、一番下にレタスがしいてあり、
その上に千切りキャベツがもられている。
3時にトマト、その左横にブロッコリー、9時にポテトサラダ。
お皿の下半分にハンバーグ、6時あたりにトマト煮込みのお野菜、
5時にマスタードがそえられている。
また、横長の長方形のお盆にのった和食の御膳の場合、
左手前角がごはん、6時が突き出し、右手前角が汁物
12時に天ぷら、9時に炊き合わせ、3時に焼き魚、
焼き魚と突き出しの間に天つゆがある。
まず、それぞれの器の位置を伝えてもらい、
必要に応じてそれぞれの器の中のものを教えてもらう。
★お箸選びは。
箸やスプーン、フォークなど料理に応じて使い分け。
箸は手触りで分かる特徴のあるもの、または、見つけやすいように赤や黒を選ぶ

箸が転がらないよう、箸置きを使う。
私が愛用するらくらく箸はV字型の薄い金属板が左右の箸の間にねじ止めされて
おり、
常に開いているので、箸先がずれない。
なるほど、お箸選びは大事なんですね。
★もりつけにも一工夫。
おかずごとに器を変える。
なるべく深い皿や椀を使う。
ワンプレートは避ける。
ごはん(白米)が見やすいように黒いお茶碗を使用。
白っぽいおかずは色濃い食器に。緑・豆など色濃いおかずは白の食器に。
大皿盛りはせず、家族それぞれの食べる分を、お皿などに取り分ける。
平皿は、つまんですくいにくいので使用しない。
献立の容量より、一回り大きい皿を使用。
自分で作っているので、基本どのお皿に何が入っているか把握できる。
仕切りのあるプラスチックトレーに盛り付け、お惣菜が混ざらないようにする。
おかずは1回分ずつをタッパーに保存。
 お弁当では、きゅうりなど食べられるものを使って仕切るようにし、
紙製のおかずカップやプラスチック製のバランなどは使用しない。
なるほど、もしかして、私たちの工夫は誰にとっても親切なのかも。
★いよいよ、いただきまーす。
全盲夫婦だけの生活なので、少々お椀からみそ汁の具がたれていても「あっ ご
めん!」
ですませている。
目の見えるお客様が来てくれた時はその人にお給仕をお願いする。
お客様にはお取り寄せで食べてもらう。
食べ残しを防ぐため、器が空になるまで1種類ずつ食べる、自然にそうなった。
手で直に食べることもある。
刺身を食べる時は山葵を醤油で溶いてかけるか小皿に入れて付けながら食べる。
汁物の麺類は、丼に移しにくいので鍋のまま食べる。
お箸ではさんで落っことすことがないように、小鉢は持って食べる。
お箸で安定してつかんでいるか、左手で確認することもある。
 丼物はスプーンで食べる。
全部食べられたかがわからないので、箸で確認しまくり。
たまにシンクで残っていたの捨てちゃったなんてこともある。
 ケーキは持って食べる。
 醤油などはかけなくなったが、おかげで素材の味がわかるという特典があった

刺身やバラチラシには家でも外でも醤油をバーッとかけてもらったり、
家では適当に自分でやる時も。
直接刺身に醤油をかけてもらう。
どこに何があるか説明してもらう。
なるほど、おいしく食べるため、残さず食べるための工夫がありますね。
★お料理の工夫も。
お米を洗うときはザルとボールを使う。
油や醤油などの液体物は100均などにある容器に移し替えて
プッシュの回数などで使用量を確認。
熱い食べ物を運ぶとき、テーブルに近いキッチンカウンターを中継する。
揚げ物はしないが、パン粉焼きにしたり、揚げ焼きにする。
なるほど、失敗しないための対策、緊張せずできる方法ということですね。
★経験から得た結果、ここが大事ということも生まれます。
手近にティッシュを設置。
椅子の背もたれに常にフェイスタオルを常備。
正しい姿勢、箸の持ち方をするように心がけている。
それにより、こぼしたり、なかなかおかずをつかめないという事態を少なくでき
る。
もしものハプニングに備え、食べることは食卓以外ではしない。
なるほど、自宅でも外でも使えそうな工夫ですね。
次は外食での工夫やアイデアです。
★外食の場合、まず自分がすることは。
視覚障害を伝えて入店する。
視覚障害者の対応に慣れた店を選ぶ。
個室があれば事前に予約しておく。
できるだけ出入口近くの座席を予約している。
ウエットティッシュとマイ箸を準備しておく。
 食事の時に、左指を使うことが多いので、必ず濡れティッシュを持参。
よく食べ物を落として服を汚すのでハンカチなどを膝に敷く。
きれいな柄や色の手ぬぐいか、タオルを首から下げ膝まで覆い、
食べこぼしや飲み物などで服を汚すことを防ぐ。
使い捨てのペーパーエプロンを持参、シミ防止に。
チェーン店のメニュー表はインターネットのメニューを活用。
きけるおしながきユーメニュー
https://itunes.apple.com/jp/app/id1184156311
汁が垂れる物、スプーンやフォーク・ナイフなどを利用しなければならない物は
さける。
できるだけ一品物を選ぶ。
飲み物は右手が触れないように左に置く。
自分の前に置かれたものを触って確認した後、
自分がわかりやすいように物の配置を変える。
おかずやごはんはできるだけ手前に置く。
汁ものは遠くに置く。
うっかりおはしを床に落とさないように、手前に横置きでなく縦置きにする。
縦置きは行儀がよくないかもしれないけど横置き、器の上よりも安心。
ガムシロップなどをコップに入れる際はコップの縁を確認してから
できるだけこぼさないように気を付ける。
大きな皿以外は、器は必ず手に持って口元にあてている。
こぼしたり食べ方がきたなくないか心配になるので、再々に確認。
ざる蕎麦を食べる時は、左指を添えて蕎麦をそばちょこに入れるようにしたり、
そばちょこではなく、お椀などの大きな入れ物を頼む。
残りが少なくなるとスプーンやフォークに指を添えて
できるだけ残さないように気を付ける。
なるほど、食べるための工夫はたくさん、ファイト!
★外食の場合、周りの方のサポートは。
セルフサービスのお店では座席まで配膳をお願いする。
フードコートやビュッフェは家族かガイドヘルパーさんに任せる。 
おしぼりを追加でもらう。
左手におしぼりをもらう。
一緒に行った人にメニュー写真を見てもらって盛り付けを事前にチェック、
食べにくくないか考える。
お箸の方がつんつんできるので、お皿のどこに食べ物があるか、どれくらいの大
きさか、
どのくらい掴めているのかがわかりやすいから、コンビニやお店でも
可能な限り割り箸をもらう。
丼ものを食べるときは、スプーンをもらう。
フレンチやイタリアンはお皿に描かれたソースの位置を確認する。
友人・知人との食事は、食事をしながら自然な流れを意識して、
どんな食事なのか、食材は何かを聞く。
それぞれの器の位置、どのように盛り付けられているかなどの情報を教えてもら
う。
お造りのわさびは別でもらう。
直接刺身に醤油をかけてもらう。
食べられないものやわさびなどの薬味は最初に排除してもらう。
中華料理は、お皿に取り分けてもらう。
よく行く洋食のお店では、ライスは平たいお皿ではなく、
少し深みのあるお皿に入れてもらう。
ステーキやハンバーグは切って出してもらう。
定食の場合、おかずの量があと一口、二口程度になったら、付き添い者に頼んで

のっけご飯にしてもらう。
お皿の中の物は一緒にいる人に「これなくなった?」と尋ねる。
なるほど、食べる準備をしていざパクリ、最後まできれいに食べたいですよね。
★外食シーン、いろんな気持ちがあります。
薄暗い店や窓際のまぶしい席などは苦手、それだけで緊張度アップ。
食べたいかどうかより、食べやすいかどうかで選ぶようになった。
食べるのが遅いし下手なので、あまり外では食べないようにしているが、
外食の時はそれらを割り切って食べている。
食べやすさから外食はラーメンが多くなった。
ショートケーキやパフェのようなフォークやスプーンを利用しなければならない
物は
遠慮するようになった。
マナーを守らなければならないようなお店へは行けない。
ビュッフェなどはサポートしてもらわないと難しいので、わざと小食のフリをし
てしまう。
最近はステーキ屋さんでもお肉をカットしてくれたり、
お箸を準備してもらえるお店が多いのでうれしい。
スプーンだけで食べられるカレーライス・オムライス・ハヤシライスなどを選ぶ
と楽。
白杖に気付いた店員さんがものの位置を伝えようとがんばって説明してくれたり

また来てくださいねと声をかけてくれると笑顔になる。
なるほど、難しいこと、遠慮があること、そしてうれしいこと、
おいしいかどうかだけじゃない気持ちがありますね。
編集後記
 食べることは生きる行為そのものです。
見えない見えにくい中でも私たちは生きるために食べます。
病気や生活環境によって食べるものに制約があることもあります。
見えないと味がわからないということもあるようです。
読者の皆様から寄せられた食事の工夫やアイデアは、
さまざまな状況の中で生まれた声です。
自分と同じような工夫、想像すらしてなかったアイデアなどがありました。
私の工夫シリーズ第4弾では外出編をお届けします。
 -- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2023年2月3日
☆どうもありがとうございました。

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