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活動紹介

メルマガ色鉛筆第249号「オンラインでの顔出し」

タイトル 「オンラインでの顔出し」
ペンネーム 黒つやダックスフント(40代 女性 弱視)
レポートの要旨です。
 私は遺伝による先天性白内障で弱視です。
私を含めて4世代に渡って弱視がいる家系に生まれて40年以上が経ちました。
顔にぴったりと近づければ、短時間なら細かい文字でも読むことが可能です。
ここ数年、遠くも近くも見えづらいものはiPhoneの拡大鏡で確認することが多くなり
ました。
 この1年は、コロナ禍の影響でZoomなどのオンライン会議システムでの会議や発表
をする機会が増えました。
マスク生活が続く中でのオンラインでの顔出しは、ドキドキヒヤヒヤします。
マスクなしでのお顔スタンバイについて、私のちょっとした工夫を共有します。
ここから本文です。
 オンラインで行われるイベントに参加するとき、誰かの話を聞いているだけなら良
いのですが、自分が話さないといけないときは、ちょっと丁寧に化粧をし、画面や灯
りに対する自分の位置を調整します。
なぜなら、顔出しをしないといけないからです。
Zoomなどを介して私と繋がっているみなさんの画面に、私の顔がドーンと映ってしま
うことを想像すると、恐ろしくてたまりません。
マスク生活を始めてからは、家族以外に顔全体を見せる機会が激減したため、顔出し
に対する恥ずかしさが増しました。
どんな顔をしていれば良いのかを忘れてしまったという感覚もあります。
 オンラインでのイベントの際、大多数のみなさんは、その画面の真正面に陣取り、
見やすい距離から画面の移り変わりを真剣に見ていらっしゃいますよね。
見ることが可能な方々が見ようという意思を持って対象と向かい合うとき、その観察
力は驚くべき力を発揮するようです。
テレビの画面に映る人の肌の状況がわかるなんて言われると、本当にびっくりします

 私には証明写真の撮影時のように画角にはまるちょうど良い距離に身を置いたり、
ニュースキャスターのように無駄な動きをせず見苦しくない表情を保つこともできま
せん。
それどころか、時には画面上の資料を見るために顔をしかめたり、画面に近づいて顔
のパーツや前髪のアップを披露したり、そばに置いた資料を見るために画面から消え
てしまったりすることもあります。
ひどいときは、髪の毛の本数が数えられるぐらい画面に近づくので、ところどころに
ある白髪をくっきりと見せてしまっているかもしれません。
 そして、最近気になってきたことの1つにほうれい線の問題があります。
マスク生活の影響でほうれい線が深くなるという事象は多いそうです。
加齢によりほうれい線が深くなるというだけでなく、マスクで隠された部分の緊張感
が失われ、顔がだらけたからなのかなと思っていました。
でも、顔はだらけているのではなく、マスクによりしんどい思いをしていたようです

マスクで肌は押えられたり引っ張られたりしています。
これがほうれい線の原因だとか。
何はともあれほうれい線、うれしくはないのですが、この説明をしてくださった方と
の出会いからラッキーな展開がありました。
この方、なんと整体でほうれい線対策ができる方だったんです。
早速、ほうれいせん対策の施術をしていただきました。
効果のほどを私の目で確認することは難しいのですが、
血流が良くなって顔が引き締まった感覚があるので、効果を感じています。
本当にありがたいことです。
 一方、お顔出し対策としてのお化粧ですが、少し丁寧にするくらいです。
特にオンライン用のものを用意しているわけではないんです。
でも、マスク生活でつけていない口紅は、忘れずにつけるようにしています。
眉は、はっきり見えたほうが良いでしょうから、あまり細くならないように気を付け
て描いています。
頬紅はほんのりと血色がよく見えるように、ベビーピンクを使っています。
口紅は、主張はしすぎないけれど存在感とツヤ感があるほうが良いかと思い、パール
がかかった薄紅色を使っています。
ピンクや赤という主張が強いものにすると、唇だけ浮いてしまいそうなので。
本来の唇の色に近い色を選んでいます。
ちなみに、アイシャドウはくすみをカバーするため、少しラメが入ったベージュ色と
ピンク色を使っています。
ファンデーションは、粒子が細かいパウダータイプのものを刷毛で乗せています。小
鼻や瞼など、凹凸がある場所は、小指ぐらいの細い刷毛を使っています。
以前はクリームタイプのファンデーションとパフを使っていましたが、
そのほうが口元や目元に塗りムラが出ることがわかりました。
見える人に指摘してもらえたので、パウダーに変えました。
ファンデーションの色については、数年に一度、化粧品売り場の店員さんに確認して
調整できるようにしています。
自分の顔に合う色かどうかだけでなく、首と顔の色に目立つほどの差が出ない色を選
ぶようにしています。
 洋服は、顔色が暗くならないように明るい色の服を選んでいます。
バーチャル背景を暗めの色にしてコントラストを出しています。
照明は、改めてライトをつけると眩しくてかなわないので、部屋の灯りや窓からの明
かりを利用して、自分の顔が明るく映り、影が入り込まない場所に座るようにしてい
ます。
また、空箱などを利用して、パソコンの高さを調整し、正面を向けば顔が画面の真ん
中あたりに映るようにしています。
 私的な集まりを除けば、オンラインで繋がって話している時には、相手のぬくもり
も気配も感じないので、いつどんなタイミングで、どんな空気感でどれだけの人がこ
ちらを見ているかも、見ていないのかもわかりません。
この状況は何度体験しても慣れることができませんし、緊張もします。
ですが、整体でいただいた安心感を土台に、これからも身だしなみや振る舞いに気を
付けつつ、何よりも不安な顔をしないことを心掛けて、オンラインでのイベントに立
ち向かいたいと思います。
編集後記
 オンラインでのカメラごしの関わりが、社会の一部になりましたね。
そんな中のあれこれに、1つ1つていねいに対応する黒つやダックスフントさん、自
分を大切にすると同時に、相手も大切にしてられるように感じました。
 こうして新しいことにも、見えない・見えにくいことを克服しながら飛び込んで行
けるとよいですね。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2021年12月3日
☆どうもありがとうございました。

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