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活動紹介

メルマガ色鉛筆第247号「小さい点字キューブ、みーつけた」

タイトル 「小さい点字キューブ、みーつけた」
ペンネーム 山猫と山吹(70代 女性 弱視)
レポートの要旨です。
 2021年の秋、小さい何をみーつけたか、そう聞かれたら私は迷わずこのお出か
けの相棒を紹介したい。
ご存じの方もおられるだろう、点字キューブ。
日本の点字の歴史は130年余、11月1日は日本の点字記念日だと知った。
緑内障でまだ文字は読めるが、視野が欠けてきた。
文字を失うのは悲しい、ならば今から点字をやろう、そんな私の点字道中記、先人の
後をヨチヨチゆく一コマです。
ここから本文です。
 点字を習い始めて半年が過ぎた。
あいうえお50音から、濁音・拗音・記号、短文へとどんどんすすんでいく。
自慢じゃないが70歳になった誕生日からの手習いだから、新しいことを覚えるとい
うのは大変である。
 数年前のこと、20年来お世話になっている眼科の先生に「点字を習うのはどうで
しょう?加齢で脳も指先の感覚も衰えているし難しいでしょうね」と話してみた。
「そりゃ、大変やで。」と先生は言われた。
そうだろうなとは思いつつ挑戦してみたものの、やはり現実は厳しい。
なかなか感覚がつかめないのと、字そのものの形がすっと出てこない。
一度はちゃんと覚えたのに、なぜかふと消えてしまう。
頭でこの形と思い出しても、なぜだか発語すると違う音が出るなんてことは日常茶飯
時で、ほんまに困ったものだ。
 8月のある金曜日、一緒にパソコンを習っている方が10回コースの講習会で点字
を習い始められた。
この講習会は京都府視覚障害者協会が長年実施されているものだ。
講習の初回日に、「これは点字練習器。貸してくれはった」と2文字の点字が木枠に
並んでいるものを私に見せてくださった。
それは、点が下から押せば飛び出し、上から押せばへこむ仕組みで、自由に点字を作
ることができるものだった。
これを見た瞬間、「これだ!私も欲しい!」と思った。
すごくほしくなった。
最近の私にとって物欲なんて珍しいことだ。
どうしてもほしい、どこに売っているんだろう?
若い先生に「点字練習器は売ってないかな?」と聞くと「日本ライトハウス情報文化
センターにキューブならあったよ」と教えてくださった。
早速電話し、届いたときはとてもうれしかった。
 この点字キューブはキーホルダーになっており、先に縦3㎝横1.8㎝奥行1.8㎝の
直方体で側面4面に点字ができる。
3段にくりくりと回せるようになっており、64文字がつくれる。
黒字に黄色の点だ。
ライトハウスへ通う私のお供である。
地下鉄や市バスに乗った時は、いつもカバンから出してくりくり回し、点字の点の並
び方を覚えている。
小さくてかわいい点字キーホルダーは、白杖と共に私のお出かけの相棒になった。
小さい秋、みーつけた。
うれしいこと、みーつけた。
点字キューブ、みーつけた。
 京都より 2021年の点字記念日の取り組みのご案内です。
京都ライトハウスのホームページに点字への思いがつまった動画と文集がアップされ
ています。
★動画 「点字とともに点字と仲良し」
動画撮影、編集を担当したのは視覚リハビリテーションの職員と立命館大学映像学部
の学生さんです。
点字ってどんなところで活用できるの?
どんなふうに学ぶの?など現在点字習得の訓練中の皆さんの様子やメッセージを通し
て紹介されています。
難しいけど楽しい訓練の様子、そのリアルをどうぞ。
★文集『点字と私』
訓練中の皆さんとそれを支えるボランティアさんの声が寄せられています。
編集後記
 触って読む文字、触読という特色ある文字が点字です。
点字を使えるようになるには、学び練習し感覚をつかみ慣れる、という時間をかけて
努力をする道を進まねばなりません。
そこに飛び込まれた山猫と山吹さん、楽しむのがおじょうずと言うか、何だか楽しそ
うですね。
 木製の点字練習器と点字キューブのキーホルダー、そのような物があるのですね。
きっと触っていてこれ自体が楽しいものなのでしょうね。
触ることを豊かにしていく。
豊かになっていく。
豊であることを知っていく。
山猫と山吹さんのように70代にそんなことがあるってよいですね。
少しの前向きな発想で、誰もがそうできるとよいだろうと思います。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2021年11月12日
☆どうもありがとうございました。

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