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活動紹介

メルマガ色鉛筆第226号「あなたもエジソンになろう!」

タイトル 「あなたもエジソンになろう!」
ペンネーム アメーラ(50代 女性 弱視)
レポートの要旨です。
皆様こんにちは、
私は今お料理教室に通っています。
えーっ!視覚障害者じゃないの?とびっくりされた方。その通りです。
網膜色素変性症で、私の見え方は濃霧警報が出ている中に、数カ所霧の薄いところが
ある感じです。
そんな私がお料理を習っているんですよ。
「ほんの少しご試食はいかがかしら」と、お教室でのワクワクをお届けします。
ここから本文です。
 見えない・見えにくい人のお料理教室って、あぁ、材料を切ったり炒めたりしない
、レンジでチンとかの簡単な料理か。
と思われたそこのあなた、とんでもありません。
みんな包丁を使い、料理に合った様々な切り方で材料を切ったり、フライパンを持っ
て炒めたり焼いたりしています。
巻き寿司や餃子を作ったこともありました。
 食材を切る時、切っている幅がよく見えなくて3㎝幅に切ろうと四苦八苦している
と、「左から切るといいですよ。」と先生が教えてくださったのです。
やってみると、あら不思議!
左手で幅を確認しながら切れたのです。
(注)右利きの場合
何これ新発見!発想の転換。
これが工夫するという事なのね。
何だかエジソンになった気分でした。
あっ 私が発見したのではなかった。
 もちろん見えないので切った野菜の形が不揃いになったりしますが、そこがまた味
わい深いのです。
上手くいかなくても誰も文句なんかいいません。
少し見えている方が全盲の方に声がけしたり、お互いがみんなで助け合って作るので
す。
しかし盛り付けはさすがに人数分を等分に分けることなど出来ませんので、先生方に
お任せです。
出来ない事は人に頼るという素直な私たち♪
それもこれも素晴らしい講師の先生がお二人で手取り足取り優しく指導してくださる
お陰です。(ヨイショ)
 こちらの料理教室では、普段家ではあまり使わない食材を毎回用意してくださいま
す。
私のペンネームの「アメーラ」もこちらで初めて食べた食材の一つです。
トマトの仲間でフルーツのように甘くて、とても気に入ったので名前を拝借しました

今日はどんな食材に出会えるかなと毎回ワクワクです。
 とはいえ前年度の教室はコロナのため、緊急事態宣言中はお休み。
解除されてからは、徹底したコロナ対策をとりました。
その中でアルコール消毒についてもお勉強。
食品にかけても大丈夫な、料理人が使う「パストリーゼ」というものを教えて頂き、
用意して頂きました。
品切れが多いためみんなで手分けして捜したりもしました。
今でこそフェイスガードも見慣れましたが、最初に、マスクにエプロン、手袋にフェ
イスガードを着けた先生の姿を見た時は、「宇宙に行くのか?」なんてビックリしま
した。
 そんなこんなで前年度は時間を短縮して、メニューも簡単なものにし、試食中は今
までのおしゃべりを控えて、食後マスクをしてから小声で話すという形になっていま
す。
ここだけの話ですが、以前は食後に先生方がとっておきのコーヒーをいれてくださっ
て、試食会兼ティータイムという優雅なひと時を過ごしていたのです。
あゝ懐かしい。早くコロナが終息してほしいものです。
 前年度からこの楽しい料理教室の様子を京視協のHPにご紹介しております。
同じ京視協女性部の生け花教室さんが載せておられたの見て、素敵だなぁと思いウチ
もチャレンジすることにしたのです。
もちろんみんなHPなんて初めてです。
毎月交代で書いています。
「文章なんてよう書かんわ」とおっしゃっていた方がとても気持ちの伝わって来る文
章を書かれています。
これを読まれた方は、視覚に障害があってもこんなに生き生きと楽しく過ごしている
んだとビックリされているでしょう。
目のことで不安に思っている方が読まれて、少しでも力になれたらいいなと思ってい
ます。
 私も以前は何もできないと泣いていた時期もありました。
そんな私がふと顔を上げるとたくさんの温かい手が差し伸べられていることに気が付
いたのです。
その手を取ってどうすれば出来るだろう?あっこうやれば出来るんだ!というエジソ
ンのような発見、工夫、発明を体験しました。
そうして誰かと一緒ならもっとたくさんのことができることも知りました。
今までやったことのない事にもチャレンジしていく楽しさを知りました。
 それから料理教室を始めて、もう一つの楽しみを見つけました。
行き帰りの道中での出会いです。
先日、バスに乗った時に、コロナ禍にもかかわらずお婆さんがこっちが空いてるよと
そっと手を引いて、座席の位置を教えてくださいました。
そんな日は一日中温かな気持ちですごせますね。
外出って怖くて嫌な事ばかりじゃないですよ。
もし周りの人への不安で外出をためらっている方がいらっしゃったら、これから気候
もよくなるので、勇気を出して外へ飛び出してみてはいかがでしょう。
もちろんコロナ対策をしてですが。
きっと目から鱗の、新しい優しく素敵な発見や出会いがあると思います。
 と、ここで終われば美談ですが。
世の中そんなに甘くない。現実は素敵なことばかりじゃありませんよねー。
もちろん解っています。
ただ勇気を出して一歩踏み出した私には今、嫌な事があったら、文句や愚痴を聞いて
くれるステキな仲間達ができました。
だから、今日もワクワクキャッチ、目からうろこのエジソン目指して行ってきまーす

お料理教室の様子は京都府視覚障害者協会のHP内「輝く女性のページ」に掲載して
おります。
編集後記
 なんだかとっても楽しそう、へえ、そうなんだ、なるほど。
お教室の雰囲気から思わず笑顔になりました。
「エジソンになろう」という発想も、それだけで小気味よい軽やかな一歩のようです
ね。
「勇気を出して踏み出せば」、優しく肩にポンと届きました。
春の風に乗ってきたアメーラさんのワクワク、目からうろこの話、またいつか。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2021年4月9日
☆どうもありがとうございました。 

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