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活動紹介

メルマガ色鉛筆第216号「まだまだ負けへんよ」

タイトル 「まだまだ負けへんよ」
ペンネーム、白いスニーカー(40代 女性 弱視)
レポートの要旨です。
 子どもの頃、お正月には真っさらの靴を履けるのが楽しみだった。
2021年元旦の朝、玄関に20cmと23.5cmの新しい運動靴を並べながら、子ど
もたちの健やかな成長を願う。
私よりサイズの大きい靴に触れ、安堵と喜びを感じた。
 最近の私は、家事子育て業が8割、外での仕事が2割の生活だ。
コロナ禍もあり、子どもたちと過ごす時間が増えている。
その分、気持ちと体がぶつかることも増えた気がする。
子供の成長とともにうつろう我が家、ふりかえり見つめる今を語ってみることにする

ここから本文です。
 子供の成長過程にはいろいろなことがある。
思春期だけでなく、最近では「9歳の壁」なんて言葉もある。
息子が小学校に入学した頃、この言葉を私は初めて耳にした。
思春期や反抗期は14歳頃をさすが、それ以前のプチ反抗期のようなもので、それは
小学3、4年生あたりにやってくるらしい。
友だち付き合いでなやんだり、男子女子の違いを気にしたり、勉強に差がでてきたり
で、子供がイライラもやもやする時期のことだ。
うちにも9歳の壁なるものが来た。
それは、息子が小学3年生の後半にやってきた。
学校面白くない、習い事のスイミングも行かないと、何をするにもやるきがなかった

学校では、何度も友達とケンカしたそうだ。
私が話かけると、「うるさい、ほっといて」と返ってくる。
そっとしておくと、「僕のことイヤなんか」とかまってほしそうにする。
とにかく、子供がサインを出した時、私はゆっくり話す時間を持つようにした。
「友だちも同じようにイライラもやもやしてるかも。
お母さんだって、あなたが生まれてはじめて親になったんだから、偉そうには言えな
いし間違うこともあるから、一緒に考えよう」と。
4年生になると息子は、ゆるやかに落ち着いていった。
 一般的には子育てに悩みはつきものだというけれど、私自身は悩むことは少ないほ
うだ。
というか、悩んでもしょうがないというスタンスでいる。
本屋で子育てや発達に関する書物を見ることはないし、他の親御さんの関わり方を目
にして比較するようなこともない。
これは、見えにくいことのプラス面かもしれない。
 子供たちは11歳と8歳になった。
子供たちと私は、今も取っ組み合いをするし、勉強も一緒にする。
「まだまだ負けへんよ」と私は心の中でつぶやく。
毎日真剣勝負だ。
分からないという自己申告があれば、一緒に勉強するようにしている。
問題文を子どもに読んでもらい、考え方のヒントを出す。
基本的には「分からないことは先生に聞くように」と声をかけている。
時間割や持ち物は、一年生のうちは、声出し確認をしながら一緒にしていた。
子どもは目で確認、私は触っての確認だった。
現在は、自己責任としている。
来年度から、1人1タブレット授業が始まる。
そうなると、私がついていけなくなるかもしれない。
さて、どうなるか。
 子育てでは四感はフル活用だ。
視覚を使わない分、聴覚で話をよく聞く、声の調子もキャッチする。
触覚でスキンシップ、これは外せない。
相撲だって子供たちの体の様子を感じる大切な時間だ。
遊びだって、できることはなんでも一緒にやる。
鬼滅人気での剣士ごっこに、なわとびや百人一首。
最近はドラえもんの映画の曲、菅田将暉の虹を、よく3人で歌っている。
 味覚嗅覚でおうちご飯を楽しく、見た目より味と量重視、子供たちももりもり食べ
て笑顔に。
 家事子育ては他の仕事とは違い、お給料はないし、評価もないけれど、無くてはな
らない業だ。
幼少期は、夫や友人、ヘルパーさんなどと関わりながらの時間が多かった。
私と子どもだけで過ごす時間は限られていた。
今は、私と子供たちの3人で電車に乗って出かけることもある。
子どもにサポートしてもらい、私は毎日安心した生活ができている。
その反面、子どもたちは私をサポートすることが本当はイヤなのではないだろうか。
実のところ気になっている。
本人たちは、全然気にしてないと言っているけれど。
なんだかんだあるけれど、子育ては面白い。
私が子どもに育ててもらっているようにも思う。
一番近くの応援団として、これからもずっと子どもの成長を見守っていきたい。
そして私も、一緒に成長できればいいな。
今日も白いスニーカーで歩き出す。
いつか、子どもの伴走で走ったり、マラソンに挑戦することを夢見て。
★子供たちのお気に入りレシピ3品
①きんぴらマロニー
いつものきんぴらに調味料と出し汁を適量、マロニーを加えて混ぜるだけ。
副菜のきんぴらがメインおかずに。
②ツナじゃが
肉の代わりにツナを入れるだけ、作り方はいつもの肉じゃがと同じ。
多めに作って、次の日カレーにしたり。
③サバ缶みそ汁
作り方はいつもの味噌汁と同じ、具はお好みで、水煮缶の汁も残さず入れて。
魚が苦手だった娘が魚好きになったミラクルメニュー。
編集後記
 触れるもの、声色、かかわり方、いろんな面の中に、耳を澄ませて我が子の思いを
抱きしめるお母さんレポでした。
クールな語りの中に、真剣勝負の情熱もちらほら。
まだまだ負けへんよ、手はいつもグー、強くにぎられているようです。
心も体も全身でぶつかっておいで、お母さんもぶつかっていくぞ、そんなメッセージ
を受け取りました。
2021年の色鉛筆、はじめの一歩は真っ白から、今年もよろしくお願いします。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2021年1月8日
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