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メルマガ色鉛筆第193号「もともと見えにくかった、さらに見えにくくなった私、どうにかこうにか奮闘中!」

タイトル 「もともと見えにくかった、さらに見えにくくなった私、どうにかこうにか奮闘中!」
メルマガ色鉛筆編集部
こんにちは、メルマガ色鉛筆編集チームです。
今回は見えにくい中で就職し、さらに見えにくくなりながら働いておられる方の環境
や思いを語っていただきました。
見え方とその変化、業務内容と環境整備など、お二人それぞれのこれまでと今を共有
します。
タイトル 少しだけ休職して訓練、拡大でどうにかやってます
ペンネーム お預けフルーツパフェ(30代 男性 弱視)
就職した時の見え方は右眼0.1、左眼は視力0でした。
文字認識はできましたし、小さな文字はルーペで見ていました。
現在も視力の数値には変化はありませんが、眼鏡をかけるようになったため、視野が
狭くなりました。
歩行の時は用心の為、白杖を持つようになりました。
以前は近視気味だったので、小さな文字もある程度見えていましたが、今はルーペを
使わないと見えにくいです。
小さな文字を枠内に書く時にはルーペは必須です。
入社当初は伝票の入力、在庫管理をしていました。
最初からスピード感のいる仕事は難しかったです。
電話応対はパソコン見ながら素早くしないといけないので、私が担当することはあり
ませんでした。
障害者就労で入社しているので、見えにくさへの配慮があり、周りの方より仕事量も
少なかったです。
入社3年を過ぎた頃から、私の見えにくさは増しました。
配慮として大きなディスプレイを会社が用意してくれました。
この状態になって3年ほどは、さらに業務量が減りました。
スタッフも変わり、今は少しずつ以前やっていた伝票入力などもしています。
がんばって見ているので目が疲れますね。
やはりしんどいです。
会社から自分に出来るお仕事をいただいているので、それを誠実に果たしたい、この
思いが自分を支えています。
私は仕事をテーマにしたサロンにたまに参加しています。
ここで他の働いている人の体験などを拝聴しています。
 25年ぐらい手術もせず、見え方も変わらなかったので、そのままいけると思って
いました。
でも網膜剥離を起こし、見え方の状態が変わりました。
ルーペがあっても長く本を読むことが今はしんどいです。
今更ですが、もっと仕事や趣味などの本を読んでおけばよかったなあとも思います。
 見えにくくなった時点で短期間休職し訓練施設に通いました。
歩行、音声と拡大を活用したパソコン操作の訓練をしました。
働き続けるために何ができるか、ちょっとでもできることがあれば、それが視野にフ
ィットするルーペだったり、人とのつながりだったりします。
訓練で出会った方からきららの会を紹介され、多くの同世代の仲間に出会えたことが
大きかったです。
このつながりが自分にとってかけがえのないものとなりました。
OSのアップデートなどの環境変化で、今まで使えていた機能に不具合が出た時も、
仲間に相談したら、解決策のアドバイスをもらいました。
今思えば、少しだけ休職して訓練、これが正解だったと思います。
ーー
タイトル 「見えにくいならではの価値を強みに」
ペンネーム ラズベリーソース(40代 女性 弱視)
入社当初は、視力は両眼共に0.02程度でルーペで文字を読んでいました。
パソコンの画面の読み取りは音声よりも見るほうを優先していました。
両眼共に中心視野欠損はありましたが気にはなりませんでした。
歩行にも支障はなかったです。
パステルのブルーとグリーンの見分けが苦手だった程度です。
今は、視力は両眼共に0.01程度でルーペでも文字は見えますが
長文になると読めません。
パソコンは文字の読み取りは音声で、画面のレイアウトは拡大画面での操作です。
「聞く」を優先し、「見る」を補助的に使っています。
中心視野の見えにくさが気になるようになり、歩きにくくなりました。
視野は上部分より足元のほうが見やすいです。
明るいのは苦手でまぶしさを強く感じています。
赤と黒の見分けがつかないこともあります。
 入社当初の業務内容は、マーケティングの分析資料作成、商品カタログ、折込み広
告の企画、校正、ノベルティ製作の社内外での打ち合わせなどでした。
画面拡大ソフト、スクリーンリーダー、拡大読書器を使用していました。
デザインを扱う業務が多かったので、打ち合わせの会話の中でデザインのエッセンス
を相手から聞き出す工夫をしていました。
見え方の変化に関わらず、一般の社員と同様に移動はするので、移動に伴って業務内
容も変化しています。
見えにくくなったからという理由で異動や業務変更はしていません。
現在の業務は新規ビジネスの開発の情報収集、企画です。
使用する機器は入社当初と同じですが、拡大で確かめる場面や音声操作を使うことが
増えています。
後輩や同僚のサポートをうまく使って効率の良さを意識し仕事をしています。
見てもらったほうが早いものに関しては、無駄に時間を使って自分で頑張らないこと
にしています。
業務上、必要な知識のセミナー(社内外)は受講しています。
目が悪いことを伝え、データーで事前に資料の提供が可能か確認しています。
長時間の場合は、パソコンを使うことを伝え、電源が取れる席をお願いしています。
その場で臨機応変に必要な支援依頼をしたり、工夫したりするようにしています。
 事前準備が整わない場面、例えばその場で出された資料にすぐに対応できなかった
りすることがあります。
企画書をまとめるスピード感、これは晴眼者のようにはいきません。
そんなとき、しんどい気持ちになることもあります。
けれど、自分が会社や職場で果たすべき役割があること、同僚も快くサポートしてく
れながら認めてくれていることが、今の私の支えとなっています。
晴眼者には負けないと思ってがむしゃらに頑張っていたあの頃、それはちっぽけなも
のさしだったのかもしれません。
でも、あの頑張りがあったからこそ、いまの自分があります。
素直に声をかけたい、「あの頃の私、よくがんばりました」と。
これからも会社やチームにとり必要とされる人材であり続けたいと思っています。
そのためには社会やニーズの変化に対応できるスキルや知識を身に着けていかなけれ
ばなりません。スキルの無さを「見えにくいから」という言葉に置き換えないよに心
がけています。
そして、「見えにくさ」の価値をプラス出来れば素敵だと思います。
見えにくいからこその気付きを新しいビジネスのきっかけ作りや建築のデザイン、会
社の制度設計に関わる業務の中で発揮しながら、「バリアバリュー(障害を価値に変
える)」の精神で自分らしく進んでいきます。
編集後記
見えにくいスタートから、さらに見えにくい今、検査の数値だけではその変化やしん
どさは伝わりません。
でも、「これ、きつくなったなあ」という実感はずっしりあります。
さて、どうするか、考えて行動してみたお二人さん。
職場にある自分の役割」への思いは支えだったり、新たな自分へのステップにもつな
がっているようです。
2020年、テレワークが一気にひろがっています。
これは、見えない見えにくい私たちにとっての一歩を想像し、創造する波でもありま
す。
「テレワークでさらに奮闘中」の皆さんの思いを、また色鉛筆で共有できれば何より
です。
このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2020年5月22日
☆どうもありがとうございました。

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