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メルマガ色鉛筆「あるある失敗談4」

タイトル 「あるある失敗談4」
メルマガ色鉛筆編集チーム
 こんにちは。
メルマガ色鉛筆編集チームです。
 人気のあるある失敗談、うれしいことに配信後は必ず反響があります。
皆さんの「あるある、そうそう」という相づちが聞こえてきそうです。
 今回は、見えている・見えていない、そもそもそういう問題なの?という失敗
談の番外編をお届けします。
★映画館にて
ペンネーム ブルースカイ(30代 男性 弱視)
 とある平日、仕事がお休みだったので、1人で映画を見に行きました。
私は、いつものように前から3列目の中央の座席に座りました。
 映画の鑑賞中、手が何かに当たったと思ったら、突然コロコロと何かが転がっ
ていく音がしました。
ふと横を見て、座席のドリンクホルダーに置いていたペットボトルがなくなって
いることに気づきました。
あわてて探そうとしても、周りは暗い。
上映中に、懐中電灯で場内を照らすわけにもいかない。
誰かが拾ってくれるかもという淡い期待をしながら鑑賞を再開しました。
 しかし、前方の列ということもあり、自分の近くには鑑賞客がいなかったよう
で、
誰も拾ってはくれませんでした。
あきらめて、上映終了後に探すことにしました。
のどが渇いても、ドリンクを飲むのを我慢するしかありません。
とにかく鑑賞を続けました。
 上映が終了し、場内が少し明るくなりました。
私は、改めて探し始めました。
しかし、探してもなかなか見つかりません。
もともと自分の周りに鑑賞客がいなかったことや、出口が後ろにあったことによ
り、
他の人が声をかけてくれることもありませんでした。
 人がいなくなって静かになった場内に、スタッフが入ってきました。
次の作品の上映に向けての準備に来られたようでした。
私1人だけ残っていたので、当然のことながら声をかけられました。
 スタッフ、「どうなされましたか?」。
 私、「ペットボトルがどこかに転がっていってしまったので、探しているので
す」。
 スタッフ、一通り周りを見渡してから、「これですか?」と、
右斜め前の座席の下に落ちていたペットボトルを拾ってくれました。
 私、「これです。ありがとうございます」とお礼を述べながら、
ほとんど飲めなかったドリンクを受け取りました。
やはり、見える人にはすぐに見つけられることにもどかしさを感じました。
 と、ここまではよかったのですが、その後に衝撃の一言を告げられました。
 スタッフ、「申し訳ございませんが、当劇場ではお持ち込みによる飲食はご遠
慮いただいております。
次回からは、入場前に当劇場の売店でお買い求めください」。
 私、「はい、すみません」。
このとき、ペットボトルを見つけてもらってほっとしたという気持ちはもちろん
ありました。
でも、それよりも私の心の中は、持ち込んで飲食してしまった罪悪感とそれを指
摘されてしまった恥ずかしさでいっぱいでした。
 確かに、公共施設のマナーは守るべきだと思います。
しかしながら、映画館の中は全体的に暗くて、売店まで立ち寄る余裕はありませ
んでした。
売店が利用できるなら、利用していたというのが正直な気持ちです。
 映画の楽しみ方は増えました。
これからは、映画館そのものが、視覚障害者単独でも利用しやすくなるといいな
と思いました。
★トイレにて
ペンネーム 朝からホワイトライス3杯!(40代 男性 全盲)
 以前に勤務していた会社でのこと。
 トイレに行きたくなって、トイレに駆け込んだ僕。
しかも、小さいほうではなく、大きいほうをもよおしていた僕。
会社は、奇数階が男子トイレで、偶数階が女子トイレ。
7階にある男子トイレ(と僕は思い込んでいた)に入った僕は、個室に入り、便
座に腰を下ろしました。
あとは予定通りの行為!(あえて文章にはしません)。
 「なんだかいつもの座り心地じゃないな」と感じながらも、行為はそのまま継
続。
行為を無事に終えて、水を流した僕でした。
 個室を出て、手洗い場で手を洗ったとき、ここでもなんだかいつもと違うよう
な感覚の僕。
トイレを出て、おそるおそるトイレのドアに目をやると、
なんと女子トイレのマーク!!。
もうおわかり!。
僕は、会社の女子トイレで「○○○」をしてしまったのです・・・。
 あわてて周りを見渡す僕。
「セーフ!」、九死に一生を得た瞬間でした。
 弱視だった僕。
でも、これって見落とししていたわけじゃなく、単なる僕の不注意!。
ほんと、誰にも出会わなくてよかったと(苦笑)。
 当時の女子社員の皆様、本当にゴメンなさい!!。
 編集後記
 二つのエピソードは見えないゆえの失敗でもあり、
同時に見える・見えないとは別のところでの失敗でもあります。
ですが、いずれも見えていたら失敗は防げたかもという内容です。
見えていたら売店で飲み物を買って映画を楽しんだかもしれないし、
見えていたら女子マークに気づいてうっかりミスはなかったかもしれない。
やっぱり、ほんのり見えないことが起因となった失敗談でした。
 どちらのライターさんも、誠実で正直なお人がらのようです。
「見えないんだからしかたないやん!」と開き直ることもなく、
「恥ずかしい、ごめんなさーい」という気持ち全開でのレポートでした。
 チャーミングな失敗談、またいつか。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2019年6月14日
☆どうもありがとうございました。

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