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メルマガ色鉛筆第114号「やっぱ、買い物は楽しいぞ」

タイトル 「やっぱ、買い物は楽しいぞ」
ペンネーム 橙色の espresso cup (50代 男性 光覚)
 レポートの要旨です。
 はじめまして。
ちゃらんぽらんな50代、男、独身です。
 ちょっと高いなあと思いつつも、買って良かった2アイテムをご紹介します。
インターネットで説明を読んで買った腕時計と、
店頭で直接説明を受けて買ったコーヒーメーカーです。
 ここから本文です。
 買い物、楽しいですね。
こう書き出すと女性?と思われそうですが、独り者のオッサンです。
オッサン、見た目はそうでもないはずですが、
この数年、自分の顔を見ていないので確かなことはわかりません。
そんな見えない僕の買い物についてお話します。
 まずは、腕時計から。
 ネットショッピングでは買い物が不安。
すでに買ったことのあるものをネットで探して買うのはさほど苦労もしないし、
不安感も少ないです。
けれど、手にしたことのない新しいものは別です。
メーリングリストなどで話題にあがる商品をネット検索するものの、
「実際どうだろうか?」と迷うこともしばしばです。
そんな中、メールで知った腕時計、思い切って買ってみました。
いや~、かなり思い切りましたよ。
 ネット検索して、カードで決済。
商品詳細と配送の手続きなどの説明は確認したものの、
ちゃんと届くか不安、思い通りのものが来るか不安、カード詐欺に合わないか不
安。
やたら不安を抱えながらの買い物でした。
 ここから商品の説明です。
 -公式ページからの抜粋-
 『さわる時計 Bradley(ブラッドリー)は目が見えない方への配慮から生まれま
した。
障がいの有無を問わず、全ての人のために作られたユニバーサルデザイン製品で
す。
さわる時計 Bradleyには二つのボールがあります。
おもてにあるボールは分を示し、側面のボールは時間を示します。
これは私たちが普段時刻を確認する際、
大体の時間はわかってから何分であるかを確認することがより多いゆえでのデザ
インです。』
 この情報だけで5万円ほどの買い物をしました。
勇気いりました。
結果、無事届き、僕の左手首で活躍してくれています。
 僕がどうしても欲しくなった理由は、ズバリ、障害者用ではないところです。
デザインは豊富、ベルトも革製からスチール製まであり、色も選ぶことができま
す。
僕は革製のベルト、シルバーの本体にしました。
 時間を確認するときに、力を入れて触ると、ボールが動いて時間がわからなく
なります。
しかし、手を離すと、動き回ったボールは正確な時間に戻ります。
文字盤の針を触って時間をみる触知式腕時計は、
針を動かしてしまうと、その都度時刻を合わせないといけないのです。
でも、ブラッドリーなら大丈夫!
いつだって律儀に時を刻み、僕の右手の指を待ってくれています。
 この腕時計は、補装具・日常生活用具として給付申請できません。
贅沢ですが、思い切って買って良かったです。
 スマホや音声時計で時間を確認する、こちらのほうが楽ですよね。
でも、健常者の社会ではこんな行動はご法度。
視覚障害者どうしでも、時間を気にしていることが周りにわかるとまずい場面だ
ってありますよね。
それは特別な状況ではありません。
試験中や会議中、音を出してはいけない状況は結構あるものです。
 というわけで、ブラッドリーは静かに僕の日常を支えてくれています。
会話しながら時間を確認する仕草、とてもスマートなんです。
一般的な見る腕時計よりもさらにさりげなく、そっと。
実に優秀な左腕ならぬ左手首、僕のクールな相棒です。
 二つ目のアイテム、美味しいコーヒーにたどりつくまで。
 コーヒーメーカーを使うのはハードルが高く、やや厄介なんです。
あくまでも僕にとってはということだけど。
保温プレートでヤケドするかもしれないし、消し忘れて火事になるかもしれない。
コーヒーをフラスコからカップに注ぐときにこぼすかもしれない。
そうなるとコーヒーのシミはとれにくいし・・・、考えすぎだと言われそうだけ
ど。
 当たり前だけど1回で数杯のコーヒーができあがってしまう、独り暮らしの僕
にとってこれが一番の困りどころ。
僕は、1杯ずつ出来立てを楽しみたいんです。
 お1人様コーヒーメーカー、使いやすそうなのあるかなあと出かけてみました。
 量販店でUCCのコーヒーメーカー・ドリップポッドを見つけました。
何台も触り、説明を受けてこれに巡り合えました。
カプセルをセットしてコーヒーカップを置くだけ、ボタン一つで数十秒でできあ
がり。
こぼしたり、ヤケドをすることもありません。
出来立て1杯分、これが何よりありがたいです。
以前は、だしパックにコーヒーを入れてお湯を注いでいました。
今は、メチャ楽にドリップコーヒーを楽しんでいます。
 ちなみに、最近よく耳にする ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ は、
カプセルは1杯ずつではなく、
一度のセットで30杯ほど抽出できるようです。
ということは、飲んだ数をカウントしておかないと、コーヒーの残り香がついた
さ湯が出てくることもありますよね。
そして商品名の通り、結局のところインスタントコーヒーなんですよね。
なので、これは僕の求めるものとは違いました。
 コーヒーはドリップで1杯ずつ、出来立てを、安全に。
僕のこだわりを満たしてくれるもの、ちゃんとありました。
店頭で直接触って確かめてこその「絶対コレ」の安心購入でした。
まったりお付き合いのドリップポッド、僕のホットな相棒です。
編集後記
 音に支えられる暮らしの中にあっても、時には音無しでいきたい場面もありま
すね。
また、嗜好品だからこそ外せないというこだわりだってありますよね。
橙色の espresso cup さんは、買い物を通して僕流を実践されています。
それには勇気が必要だったり、たくさんの説明を聞きながら触ったりと、エネル
ギーもいるようです。
 読者の皆様より、使って便利だなあと思うものを教えてほしい、どのように理
解して購入しているのか教えてほしい、
ネットを便利に利用している人も多いのだろうか?などのお声をいただきました。
今回は、ネットと店頭という二つのスタイルをレポートしていただきました。
これからも買い物エピソード、皆様と楽しみながら共有していきたいと思います。
-- このメールの内容は以上です。
発行:   京都府視覚障害者協会
発行日:  2018年1月26日
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